世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

シリーズ⑫:トゥリアン窯址

2016-11-22 07:46:59 | 窯址・タイ
<続き>

先日、グーグルアースの衛星写真上に窯址位置をプロットしておいた。そこはワット・プラ・パーイ・ルアンを取り囲む濠の北西隅の対岸である。

どうやら22番窯と呼んでいるようだ。右の小屋掛けの下に横たわる窯体が見える。


煉瓦造りの横焔式単室窯であろうが、もう一つ窯構造が分かりにくい。ただ窯の高さは、目分量で1m以上である。これであれば、建築用の部材や同装飾物などの大型陶磁が焼成できたであろう。
窯の周囲に陶片が散乱していないか探すが、目ぼしい陶片は皆無と云ってよいほどである。小さな破片を3点収集した。

口縁に鉄彩で二重圏線を設けた青磁片と、無釉陶片2つである。多くの人々が訪れ採集しつくされたのか? タイ人はおおよそ陶片・破片などに、全く興味はない。では・・・なぜ?
以下、後日譚である。BKK大学付属東南アジア陶磁館が発行しているニュースレターの最新版によると、
タイ芸術局第6支所により、2016年4月から8月まで発掘調査が行われ、8月下旬に現地説明会が開催され、写真のMr. Thongchai Sakhoにより説明されている場面の写真が掲載されていた。
道理で陶片が無かった理由が理解できた。発掘調査の際にすべて収集されていたのだ。・・・と云うことで、個人的には、やや期待外れであった。




                                   <続く>