世界の街角

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サット・ヒマパーンの世界#2

2015-10-30 09:34:55 | タイ王国
<続き>

”サット・ヒマパーンの世界#2”とのタイトルで、連想の続きである。先日(2015年10月27日)は、オークパンサー(出安居)の日である。3カ月前のカオパンサーから僧侶は寺籠りの修行に入るが、新暦10月の満月の日に寺籠りが明ける、それをオークパンサーと云い、その籠り明けの行事をテオロハナ行事と呼ぶ。
チェンマイではタイヤイ(シャン)族のワット・パーパオの行事というか儀式が著名である。涼しい朝8時に参拝に行った。すでに多くの人々の参詣で雑踏と化していた。
期待して出かけたのは、タイヤイ族伝統のギンカラーとトーの舞踏が見られるのではないか・・・との期待からである。どうもそれは、夜に公演されるようで、行った時の時間帯には見ることができなかった・・・残念。
ギンカラーとは、タイヤイ族にとっては伝説の鳥で、トーとは同じく伝説の動物で、何やら白鹿のように見える。ギンカラーとは、タイヤイ(シャン)族の古代神話の中の鳥の王とのことだが、調べきれずにいる。
とりあえず、ギンカラーとトーの写真を下に掲げておく。女性が鳥の羽を身に着け踊っている。その横の白い頭に角をつけたのがトーである。
このギンカラーはサット・ヒマパーンの森に棲む、キンナリーにほかならない・・・とすればトーもサット・ヒマパーンの森に棲むのであろうか? そういえばトーの体はヒマ(雪)の如く白色である。
中世、北タイに住まう人々は、バラモンやヒンズーの影響を受け、上座部仏教を信仰した。それらの教義を広めるためには勧善懲悪を利用するのが便利である。功徳を積めば、高貴な人間として生まれ変わりができ、あの世ではサット・ヒマパーンに身をおくことができる・・・と説いたのであろう。
宗教を信じない当該ブロガーではあるが、中世の北タイ宗教世界についての空想が広がるこの頃である。

                                                                  <了>