世界の街角

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シャープは何処へ行くのか?

2015-10-21 10:56:09 | 日記
誰が動画投稿サイトにUPしたか知らないが、先ず下の画面をクリックして頂きたい。
動画の噺はいったん措いておく。先日シャープが2015年9月中間連結決算で、本業のもうけを示す営業損益が、当初予想の100億円の黒字から赤字へ転落する見通しとなった・・・との報道である。
シャープには、苦い思い出がある。かれこれ40年弱前のことであるが、クレーム処理に行った。夏の暑い日にクーラーもない場所で処理の仕事をしたが、シャープの担当者からは、部品屋等々・・・との上から目線で苦情を云われた経験がある。
その時は、何れ見返してやる・・・との固い決意を抱いたものである。それから20-30年、液晶でもてはやされるようになった。何を血迷ったのか亀山第二、堺と矢継ぎ早の大型投資である。その筋の専門家のみならず、小生まで危険を感じた。
それは歴史が証明しており、シャープの自己努力が感じられなかったからである。TV生産はアメリカから日本に移った。自動車とともにTVをアメリカに集中豪雨のように輸出し、貿易摩擦になったことは記憶に新しい。何故TV生産の主力が日本に移ったのか、それは単にコストが低かったからに過ぎない。そうであればTV生産は韓国、台湾さらには中国に移るのは自明の理である。
液晶は、半導体、太陽電池パネルともども、メーカーに設備開発、生産技術開発の力量があるのではなく、とっくの昔に設備機器メーカーに依存する体質になっていた。従って欧米、日本の半導体製造機器メーカーから生産技術・製造技術ノウハウ付きで製造設備を購入することが可能である。それゆえのサムスンの躍進であり、さらには中国などの躍進のはじまりでもある。つまり金さえあれば、技術つきで製造設備は購入でき、賃金の安い国に生産基地が移るのは自明である。
なぜシャープの技術陣は生産技術と製造設備を外部にたより、自社開発しなかったのか? 自社で技術開発できない商品。設備機器メーカーの設備機器を買い集めて開発できる商品。そんな商品への大規模投資・・・何かおかしくないのか?疑問を持たない方がおかしい。

村田製作所の創業者は、良き製品は良き材料と独自の技術で提供するとして、徹底的に生産技術と製造設備は自社開発に拘った。従って今日でもごく一部の設備以外は全て自社開発である。この姿勢が今後も貫かれる限り、村田製作所は不動の地位を維持し続けるであろう。SEMCOのMLCC生産設備は過去のものとなった。村田製作所は常に先端の設備開発を継続し、ある意味国内生産にこだわっており、TDKのように安直に海外生産は行っていないのである。つまり国内生産で対抗可能なコストが達成できる設備開発を繰返し行っている。

それにしても、吉永小百合は心が痛まないのであろうか?高い出演料を懐にし、一方でシャープ社員は望まないにもかかわらず、退職を迫られる。従業員の方々はやるせない想いであろう。経営者の面々は何を感じているのか?