世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

杏が巡る「バガン遺跡」を見て

2015-10-23 09:03:06 | 日記
過日、題記のNHK特集を見た。いきなり話が飛び恐縮であるが、滞在先のカンタリーでは、NHKプレミアム以外に日本の民放5社の番組が視聴でき、山陰の片田舎よりチャンネルが多い。
バガンでは、アーナンダ寺院やシュエージーゴン・パゴダについて放映していた。時のバガン朝が国の統治に、上座部仏教の教えを有効活用している様が、よく伺える内容であった。
そのバガンには、バガン朝後期の13世紀に建立された、マハボディー・パヤ―なる寺院が存在する。それはインドのブッダガヤのマハボディー寺院を写したものである。マハボディー寺院を写したと云えば、チェンマイにワット・ジェットヨートが在る・・・と、このような連想で本日出かけてみた。何度も出向いているが番組を見た後なので、個人的に新たな発見があるかもしれない。
写真の寺院がバガンのマハボディー・パヤ―で、中央の四角錐の周囲にも低い尖塔を従えている。外観は何やらヒンズー寺院のゴープラムを見るようである。インド・ブッダガヤのマハボディー寺院を写したと云うからには、本家もそうであろう。
上の写真は、本場のマハボディー寺院で、ウキペディアから借用したものである。成程中央の尖塔の周囲に小さな尖塔を従えている。本場の寺院建築様式を真似て、バガンで13世紀に建立したというが、職人をインドから招聘したのか?それともバガンから職人を派遣して技術習得させたのであろうか? 下の写真はワット・ジェットヨートでマハボディー寺院を真似たと云われている。

ワット・ジェットヨートでは、中央の尖塔が前の2者に対し若干低いが、真似たと云われているだけに似ている。それにしても、老朽化が目立つ。
 これは、ランナー朝第9代・ティローカラート王(在位・1441-1487)が15世紀に建立したものである。彼ならできたであろう、その9代王の時にランナー朝は最大版図を築き上げ、ミャンマーのシャン州をも版図に置いた。この時、ミャンマーの職人を連れて来て建立の任に当たらせたのであろうか?・・・等々想像することができる。
ワット・ジェットヨートは、煉瓦と漆喰でできており、時間の経過とともに崩壊し始めている。


日本なら国宝級の建造物が、自然現象による崩壊に身をまかせており、何とも痛々しい。タイ人は新しもの好きで、古いものには目もくれない。事実、ワット・ジェットヨートではランナー様式の仏堂が次々と建立されているが、上記の9代王が建立した寺院建造物は、保存の手が行き届いていない。何とか保存して欲しいものである。



                                 <次回に続く>