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世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

松江市立鹿島民俗資料館(5)

2020-09-09 07:25:55 | 博物館・島根県

<続き>

今回は、弥生時代前期の堀部第1遺跡の出土遺物と、同じく弥生時代前期の古浦砂丘遺跡の出土遺物を紹介する。

古浦砂丘遺跡からは、朝鮮半島の松菊里様式の土器が出土しており、松菊里より稲作と共に土器が伝播したと考えられる。

当地では過日紹介したように、稲作は縄文晩期に既に始まっていたと思われる籾圧痕土器片が出土している。この時は既に朝鮮半島と交流が始まっていたであろう。その籾圧痕土器片を再度紹介する。

松菊里遺跡は、無文土器文化前期遺跡(C14年代法で前715±60、前615±90年)の遺跡で、竪穴住居跡の床面から短粒ジャポニカの炭化米が出土している。また竪穴住居に接して北部九州と同じ袋状竪穴が発見されている。ここ古浦砂丘遺跡はどうであったか、知らないが、北部九州と同じような時期に稲作が伝播したものと思われる。

また南海産の貝耳輪も出土しており、先に紹介した準構造船の部材出土とあいまって盛んな交易がおこなわれていたであろうと推測される。

<続く>


松江市立鹿島民俗資料館(4)

2020-09-07 08:27:11 | 博物館・島根県

<続き>

講武遺跡出土遺物を紹介する。

朝鮮半島と西日本各地との交易を示す遺物が出土している。弥生期にそれなりの勢力が存在していた証であろう。

縄文晩期の籾圧痕土器が出土している。朝鮮半島の松菊里の土器が出土していることから、弥生時代の開始をまたず、縄文晩期に稲作が開始されていたと思われる。

<続く>


松江市立鹿島民俗資料館(3)

2020-09-06 08:35:11 | 博物館・島根県

<続き>

稗田遺跡からは弥生時代後期の準構造船の木製部材が出土した。このような準構造船で朝鮮半島と交易していたものと思われる。

出土した部材から準構造船の構造はA案とB案が考えられるとして、それらの構造が表示されていた。

下写真は韓国・金海国立博物館展示の準構造船の土器である。同じ時代に朝鮮半島にも準構造船は存在し、東アジアのスタンダードであったことと思われる

<続く>