時雨さんの記事を読んでまとめておきたくなったことを。かなり遅く
なりましたが、まあ忙しかったりまとめるのに苦労したりしたもので・・・
インドネシア語は日本語の話者にとって「世界で最も習得しやすい」
部類の言語といわれています。またひそかに「モスラの歌」が
インドネシアの言葉(正確には地方語)で作られていたりします。
しかしそれだけではなくこの言語、というかむしろマレー語などの
マレー・ポリネシア語派は、日本語の起源の一つとして学会で
注目されている語族の一つでもあります。こことか参考になるかも。
日本人の起源については今日も論議が続いていますが、大きく分けて
在来説・北方説・南方説があり、それぞれ注目されるのはアイヌ人との関連、
アルタイ語族特にツングース諸語、そして倭人の記述と稲作です。
遺伝学的にはそれぞれに「有力な証拠」が出ていたりしますが、
(南方説では特に稲の遺伝子から)どうやら「そのすべての混合」という
結論に落ち着きつつある感じです。まあそれが一番自然な感じもしますし。
オーストロネシア語族は高度な航海技術を持った集団によって
拡散したと考えられており、長江文明、特に百越から日本への
文明の運び手として想定されると思われます。
ちなみに過去有名になった日本語の起源説の中で、ポリネシア語は
その下部分類に当たり、タミル語などドラヴィダ語族は近縁性が主張される
オーストロアジア語族の影響を受けているといわれています。
そしてその中でも古代に日本まで来た可能性が最も高いのは
マレー語などを含む「西マレー・ポリネシア語派」になります。そうなると
確実にスマトラ島を経由してきていると思われます。その分岐はおよそ
3000~4000年前と考えられ、ロマンス諸語の関係よりは遠くなりますが。