新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

時代と共に価値観が変わったようだ

2018-12-03 08:18:12 | コラム
M-1グランプリ:

ご存じの方もおられるだろうが、これは優勝すると1,000万円の賞金が貰える漫才の大会である。「漫才」とは書いたが、内容は所謂「コント」と言うか2人でやるくすぐり大会のようだと思う。「そんなものを体調が悪いと言いながら見ていたのか」と言われそうだが、寝ながらチャンネルをいじっていたら出てきただけのこと。勿論全部見てみていた訳ではないから、優勝者が誰かなど知る由もなかった。

本3日の朝のニュースで優勝者を知ったのだが、主催者の内だったらしいテレ朝にとっては重大な事柄だったよう。その優勝した2人組の1人が言った優勝の感想は私にとってはかなり衝撃的だった。「これで奨学金の返済が出来る」だったのだ。あのような場に出て優勝して1,000万円を取る為に奮励努力したのは解らないでもないが、そういうことを目指す為に奨学金を貰って大学に行くという心がけというか精神が凄いと思った。単純に言えば「大学とはそういうところだったのか」という感想である。

私は敢えて「奨学金の返済」を責めようとまでは思わない。テレ朝によれば約5,000組が予選に出場したそうである。これには出場資格があったと聞いたことがあるので、全国にはその何倍もの「漫才という名のコント」を生業にしている、というか生業にしたくて日夜励んでいる若者(必ずしも、若者とは限らないようだが)が数万人にもいて、その連中の価値観は、無事に大学を終えて就職するとか、学んだ学問を活かして世界に雄飛するなどと言うところにはなく、M-1に出られることになっているらしいのだ。

当然、大卒ではない者たちも数多くいるだろう。私は詳しい実態というか事情は知らないが、吉本興業などはそういう「夢見る」連中の為に学校まで設立されているらしいのだ。であるから、そういう連中の間には常に「先輩。後輩」という重要で尊重せねばならない序列が厳然として存在しているようだ。その点も彼らの価値の基準に入っていると聞こえる。余談かも知れないが、私は20年以上を「年齢で人を差別してはならない」という世界で過ごしたので、先輩・後輩という観念が希薄になった。

若者たちをそういう方向に誘い込み、(もしかして)一攫千金か、芸人としての豪華生活を目指すように仕向けている存在の一つがM-1グランプリかと思って、一寸の時間聞いていた。痛感したことは「矢張り、超後期高齢者には理解不能な価値観というか時代の変化だ」という点だった。



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