新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月16日 その2 アメリカの紙パルプ産業界

2018-07-16 12:08:39 | コラム
アメリカにおける紙パルプ産業:

一寸話が変わりますが、1994年1月末で私がリタイヤーした頃のウエアーハウザー社は約1兆4,000~5,000億円程度の売上高で45.,000人の社員がいました。(尤も、売上高は為替レートの変動次第で大きくも小さくもなりますが)

私は売上高に比べて社員が多過ぎると思わせるのは、てっきり森林の維持・管理・運営に多くの人手を要するからだと思っていました。確かに実際のところ、苗木を植える作業等々機械化できない作業が多いのは事実ですから。ところが、少し調べただけでも解った真実は、年間3~4,000億円にも達することもある売上高を誇るアメリカ最大級の段ボール原紙と製函の部門が非常に多くの人員を雇用していたのでした。

それは、段ボール箱は原則的に受注生産しかあり得ず、見込みで箱を作っておくことなどあり得ないのでした。しかも、巻取から原紙を箱の形に打ち抜いて印刷を施した後で、糊付けするかホッチキスと同様な工程で製函するのも機械化できないのです。故に多くの現場作業員を雇わざるを得ないのだそうです。

それはそうで、例えばテレビの大きさと形状は新製品が出る度に変わり、しかもメーカーごとに異なるのですし、売れ行きが芳しくなければ直ぐに中止ですから見込みで作っておく訳には行かないのだそうです。箱の需要はおよそ全産業から発生するので各業界の景気の良し悪しが解ってくるという利点があっても、受注生産であるということは製造工程からすれば、100枚作るのも100万枚も、同じ準備工程があるのです。しかも、我が国は完全に過当競争ですから、大変なのでした。



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