新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

円安傾向から脱却する為には

2022-04-14 08:22:25 | コラム
¥126の円安に悲観論者が思うこと:

昨13日の午後4時前だったか、テレビの画面に「ニュース速報」と出た。東京都の本日の感染者数のお知らせにしては早すぎるなと思えば、20年振りだったかの円安である¥126への低下を知らせてくれたのだった。テレビ局側にはそこまでの危機意識があったのかと、あらためて認識できたのだった。

当方は常々申し上げてきたように悲観論者なのである。尤も、ウエアーハウザー・ジャパンの社長だったフランクリン氏には「何故君は何時でもそう否定的なのか」と突っ込まれたこともあった。その時の私の答えは「私は何時も四方八方に目を配り、情報を蒐集しているので知識が豊富になり、物事の裏の面まで見えてしまうので、私の見解が否定的に聞こえるのではないか」だった。

そこで、円安である。確かに多くの著名なエコノミストが解説されたように「アメリカではFRBが金利を引き上げているこの時期に、我が国では相変わらず超低金利政策を続行し、デフレ傾向を是正できず、内需も振興せず、世界的水準から見れば低賃金」であれば、当然の流れのようにしか見えないのだ。しかも、ウクライナ対ロシアの動乱が示すように国際情勢が不安定化している最中に、未だに憲法改正の議論さえ進められない国会の煮え切らない状況と、総理大臣が非核三原則の固持を表明され、媚中派が跋扈する有様を見れば「円を売ってドルを買おう」とされても不思議ではないと思ってしまうのだ。

ここまで言えば「確かに貴殿は悲観論者で否定的だな」と思われるだろう。だが、私は悲観論者である他に、これから申し述べる事柄のような一面もある事をご理解願いたいのだ。それは、私は常に「全てのコインには両面がある」との論者だったのだ。この意味は「物事を一面だけからだけ見るのは如何なものか」なのである。即ち、上述の我が国に生じている否定的な要素は、為政者と経営者がその気になって可能な限りの努力をすれば、全てをひっくり返して裏面というか肯定的な面に転換が可能なのである。

換言すれば「現在不振であると言うことは、明日か明後日には好転させられる可能性がある」性質なのである。これと同様な考え方で、私は「現在絶好調を謳歌している企業や事業が、何時までも好調であるとは限らないのだ」と主張してきた。我が国が嘗ては「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などという本まで出たほど高度成長を続けていたし、その経営の手法を学びに世界からやって来たものだった。「WA」だの「KAIZEN」という英語まで出てきていたのではなかったか。

「経営者の劣化だ」と指摘された昭和一桁生まれの元社長もおられた。私は劣化論も兎も角、現代の経営陣は何となく自信を失っておられるのではないのかと感じている。何故そうなってしまったかは分からないが、GAFAMのような企業が何故我が国には誕生しなかっただろうかとも考えている。何故「技術の日本」ではなくなりつつあるのかも、深く考えて見る必要があるという気もする。要するに「ナンバーワン」と世界に認められた日本を如何にして取り戻すかではないのだろうか。



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