○〇549の21 『自然と人間の歴史、日本篇』消費税の行方(結び)

2019-04-02 08:15:08 | Weblog

549の21 『自然と人間の歴史、日本篇』消費税の行方(結び)

 現状では、消費税の目的税化がなされると、それからは際限のないのない、ほかならぬ消費税の増税が進められていく可能性が高い。

 それというのも、「少しばかりの税率の引き上げ」ではどうにもならないことは、国民の多くが知っている筈だ。そしてこの国においては、「消費税だけでは財政再建できない」という理屈を逆手にとって、「欧州並みになるまで、少しずつ消費税率を上げていこう」との大宣伝、影に日向での誘導や圧力などがまかり通っていくのが懸念される。

 それでは、現代に生きる私たちは、どのような気構えでいればよいのだろうか。振り返れば、近代民主制の基礎を与えた一人であるルソーは、こう述べている。

 「これらのさまざまな変革のなかに不平等の進歩をたどってみると、われわれは、法律と所有権との設立がその第一期であり、為政者の職の設定が第二期で、最後の第三期は合法的な権力から専制的権力への変化であったことを見出すであろう。 

 従って富者と貧者との状態が第一の時期によって容認され、強者と弱者との状態が第二期の時期によって容認され、そして第三の時期によっては主人と奴隷との状態が容認されるのであるが、この第三の時期が不平等の最後の段階であり、他のすべての時期が結局は帰着する限界であって、ついには、新しい諸変革が政府をすっかり解体させるか、またはこれを合法的な制度に近づけるにいたるのである。」(「人間不平等起源論」岩波文書、1933)

 ルソーのこの言葉は、いみじくも、私たち日本国民のこれから進むべき道をさししめしているのではないだろうか。
 
(続く)
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