♦️951『自然と人間の歴史・世界篇』アメリカの経済見通しと財政赤字(2021年2月時点)

2021-02-20 08:53:01 | Weblog
951『自然と人間の歴史・世界篇』アメリカの経済見通しと財政赤字(2021年2月時点)

 アメリカの経済の現状とこれからの見通し、それに財政の現状および見通しは、どうなっているのだろうか。まずは、それぞれのとりまとめから。

○2020年10月16日、米財務省は、2020会計年度(2019年10月~2020年9月)の財政赤字が、過去最高の3兆1320億ドルで、前年度の3倍強となったと発表した。連邦政府債務も27兆ドル弱と過去最大になる。
 2020年9月までの歳出が6兆5520億ドルと前年度比較で47%も増えたことがある。赤字幅は、金融危機後の2009年度の1.4兆ドルを大幅に上回り、過去最大となった。


○2021年2月1日、米議会予算局(CBO)は、2021年通年の米国経済は前年比4.6%のブラス成長まで回復するとの見通しを発表した。この見通しは、1月12日までに可決された現行法に基づく予想であり、バイデン新政権の対応や景気刺激策は含まれていない。
 その後のGDP(国内総生産)の成長率は、2022年に2.9%のブラス、2023年は同2.2%を見込む。さらに長期的(2026~31年の平均)には、1.7%まで鈍化すると予想している。
 また、2021年の平均失業率は、5.7%まで低下し、インフレ率は2022年にかけて2.1%まで上昇すると想定している。


○2021年2月11日、CBO(米国議会予算局)は2月11日、中長期の財政見通しに関する報告書を公表し、2021年度(2020年10月~2021年9月)の財政赤字は2兆2600億ドル、債務残高は22兆5,000億ドルに達する見込みと試算した。
昨年9月に公表した予測は1兆8100億ドルだった。前年度の財政赤字は3兆1300億ドルで、GDP(国内総生産)比では第2次大戦以来で最大だった。
 これにより、財政赤字は前年度より9,000億ドル縮小する、ただし、2021年2月現在議会に提出されている1兆9,000億ドル規模の経済対策(2021年2月8日記事参照)については未成立なことから反映されていない。このため、今後、同対策が成立すれば、さらにこれらの数値は膨らむことが予想される。
 今回の試算の背景については、昨年12月に議会を通過して成立したコロナ禍対応の経済対策が、その理由だという。ただ向こう10年の期間でみると、より力強い経済成長で赤字は縮小する見込み。具体的には、今後10年間の赤字見通しは比較的楽観的で、21年度から30年度までの累積赤字は従来予測よりも3450億ドル少ない水準を見込む。







(続く)




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