毎週金曜日、官邸前で脱原発デモが行われているというので行ってみた。
あの震災で福島第一原発が爆発したと聞いた時「ああ、とんでもないことが起こった・・・」、「自分の人生、終わった」、「日本も終わった」と思った。
あそこまで恐怖心を感じたことも、徹底的に絶望的な気持ちになったのも生まれて初めてだった。
毎日テレビの前に釘付けになって、どれだけの放射能がまき散らされたのか、どれだけの範囲がチェルノブイリの周囲のような死の街になってしまうのか、どれだけの人々が被爆してしまったのか、原発で働いている人々はどうなってしまうのか、自分達の食べるものは、飲む水は、生きて行く国土はどうなってしまうのか、食い入るように見ていた。
若い頃から、
原発は危ない、
放射能は人体にものすごい影響を与える、
原発は暴走したらとても人間の手には負えない、
一度大気に放出されたら何万年もその土地に残り続け放射能を放出し続ける物質もある、
そんなに危ないものでみんなが嫌がるから、最終的にこの国の、いや地球のどこにその放射性廃棄物を安全に半永久的に保存していくのか、その方法や置き場所さえも一切決まっていないのに、見切り発車で日本各地にガンガン原発が作られて既に稼働してしまっている、
発電自体にはお金はあまりかからないかもしれないけど、その後の廃炉や廃棄物の半永久的管理に天文学的金額がかかるので、安価な発電方法とも言い切れない、
などモロモロ分かっていたのに何の行動も起こさず、利権に群がってただそればかりを推進し、他の発電手段の導入や開発支援に見向きもしない自民政権に何十年も政治を依存し続け、他国では推進されてきている自然エネルギーへの転換を促すアクションもしてこなかった、情けなーい日本の大人の一人としての自分を、今深く深く反省している。
だから、原発を止めたい。新しいエネルギー政策への転換を促したい。
あれだけ原発に依存していた発電を、急遽全て休止中だった火力や水力に切り替えたところで膨大な発電経費をどこから調達するんだという話だし、発電量が激減すれば経済や産業や生活にものすごい影響が出るのも分かっているから、急に"原発ゼロ!すぐに完全脱原発!"は難しいのは分かる。
こういうのは"All or Nothing!”みたいな、極端に走れる話では無いからね。
だけど、去年の事故後すぐから既に「このまま行けば来年の夏の関西の電力不足は深刻」って分かりきってたのに、ここにたどり着くまでに何も改善されていないのに、国民感情を無視してチャッチャと再稼働ありきで動くその姿勢が腹が立つんだよ。
ただダラダラと何も決められない、ろくに安全策を講じてもいないなか、時間ばかりが過ぎて、「夏が来ました、やっぱ電気が足りません、だから原発もう一回動かしちゃいま~す(なんか真下に活断層あるかも・・・みたいな話出てきたけど、ま、とりあえず今のところ安全ということにして動かしちゃえ、テヘペロ♪)」って安易過ぎるんだよ
原発からの脱却の筋道、他の様々な無害な再生可能エネルギーでの発電へのシフトの方策、そのための予算と計画、早急に明確に示してもらいたいんだよ。
日本人、頭いいんだよ!
そこらじゅうにいいアイデア持ってる専門家や開発者や事業者、たくさんいるはずだよ。
小さな国とは言っても、川や海、そして火山に太陽と、有り余るほどの自然に囲まれる、恵まれた国土だよ。
太陽光、風力、地熱、バイオマス、水力、火力、それに潮流とか、ハワイみたいに冷たい海洋深層水と太陽光の温度差を利用した発電法とか、あらゆる方式を組み合わせて使って、世界に誇れる分散型エネルギーシステムの国、作っていけるはずだよ。
早くそれを実現できるように動いて欲しいんだよ。
事故が起こってしまって、福島の子供たちが、「私は将来、健康な赤ちゃんが産めますか・・・?」とか、「じいちゃんちの畑で採れたスイカ、僕が食べても大丈夫ですか・・・?」とか、そんな今まで不要だった大きな疑問を抱えてしまった・・・。
そんな不安定な子供たちを抱え、自分たちも不安な中、いろいろなしがらみで福島を去れずに現地で暮らすことを選択せざるを得ないご両親の苦渋の決断・・・。
こんな不幸な地域をこれ以上作ったらいけないよ。
1年以上が経った今でも、人が近づけば即死という恐ろしい放射線量で立ち入ることが出来ないエリアがある福島第一原発と、そこで働く大勢の放射線の知識に疎い素人労働者たちの健康への不安もあるよ・・・。
テレビではもうほとんど取り上げてくれないけど、あそこはまだ収束には程遠い。
不慣れな素人が作業をするから事故は頻発しているというから、いつまた大きなものが起こるか分からないし、指導のできる専門知識を持った原発関係者も数は限られている上にみんな累積の被爆量がどんどん上がっているから、そのうち彼らは現場で指導出来なくなるから、指示できる人間が居なくなる・・・。
そうなったら、あと何十年続くか分からないこの収束&廃炉作業、継続していけるのかな・・・?
だいたいテレビもね、「うちの大株主が電力会社だから、電力会社に不利になるニュースは一切取り上げるな」というお達しが出ている所もあるとか。
あと、生討論会の事前打ち合わせで「反原発の発言は控えてください!」という有り得ない指示を出し、それを無視して脱原発の必要性を訴えた専門家を次から2度と呼ばないという、情報操作が甚だしい唖然とするような局もあるから、彼らの垂れ流す情報を鵜呑みにしちゃダメだよね。
"原発が無くなったら困る!"という人たちの意見が、さも「これが一般的な世論です!」のように紹介されていると思った方がいい。
怖い怖い。
テレビなんてあてにしない。
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国会議事堂前で地下鉄を降りて、官邸前に向かっていくと、「警察官、ってこんなにいるんだ?」、「警察のバス、総動員かい?」ってくらいいーっぱい居て、物々しい雰囲気だった。
目の前に田原総一朗さんが居て、周囲にカメラが密着してたんだけど、ニコニコで生放送してたんだね。
知ってたらタイムシフト視聴設定して行ったのに!
初期の頃は車道も使わせてくれてこんな状況になっていたけど、
人数が膨れ上がって来てるから、「こんなに人が集まってるんだ!」ってのを知られては困るらしく、今日はデモ参加者が歩けるところ、集まれるところが歩道のみに限定されてて、人が集まり過ぎそうな所はすぐにわらわらと警官が集まって鉄柵で通行止めにしてしまって、一見しただけでは大群衆が集まっているようには見えないような印象操作が行われていた。
けど、官邸前まで辿り着けなかったから国会前までグルッと移動して行ったけど、すっごい数の人が来てたよ!
数か所で配られていた白い風船を持ち、口々に「再稼働反対!」、「子供たちを守れ!!」、「命を守れ!!!」、「大飯を止めろ!!」とコールしながら、わらわらと集まって来ていた。
しかし、"デモ"と言ってもスタイルは様々なんだろうけど、とても平和的なデモだね。
暴力的な部分が一切無い。
自分がまだすごく幼かった頃はちょうど70年代の安保闘争が盛んな時期で、当時の家は松濤ですぐそばに東大駒場キャンパスがあったから、日米安保に反対するたくさんの東大生たちが行う非常に激しいデモを見てきた。
家はちょうど駒場から渋谷駅へ向かうメインストリート沿いに建っていて、そこはデモ隊が行進する道筋になっていたから、道路に面した2階の部屋はそれこそ見物の特等席で、揃って安全ヘルメットを被って、手に手にゲバ棒を持って武装した学生の大群がシュプレヒコールをあげながら行進したり、時には投石や火炎瓶まで使ってたくさんの機動隊とガチガチ闘争しているのを目の当たりにしてきた。
それはそれは迫力があった。
彼らは怒りに満ちていて、この国の将来を本気で憂えて、自分たちの力で未来を変えたいと必死になって行動をしていた。
だから、デモ=バトル、激しい衝突のイメージだった。
今回のこれとそれは、見た目的には全然違う。
でも、表現する方法が違っても、政府に対して感じている憤りや、この国を少しでもいい国にして行きたいという熱い思いは、昔のそれも今のこれもなんら変わらない。
おとなしい日本国民が、これだけ結集して怒りを露わにするのも珍しいよね。
それだけこの問題は大きな懸念として捉えられているということだ。
毎週金曜日に行われているこのデモだけど、来週の金曜日はお休み。
だけど、7/29(日)にもっと大規模な抗議活動をするために、国会を大包囲する計画がある。
7.29 脱原発 国会大包囲
日比谷公園に集合して、16:30にはそこを出発、大行進をして国会を包囲し、そこでキャンドルを灯し、人間のチェーンを作って脱原発を訴える。
「デモに参加するのは躊躇する、だけど原発に関しては意見がある!」と言う人は、
8/12 18:00まで、政府が市民の意見(パブリックコメント=パブコメ)を募集しているから、そこに自分の意見を送ればいい。
送り方は詳しくはここに載っているので転載させていただく。
パブコメで未来を変えよう
政府が示している3つの選択肢はこれ。
◆「エネルギー・環境に関する選択肢」のパブリックコメントの概要
6月29日、政府の「エネルギー・環境会議」から「エネルギー・環境に関する選択肢」が提示されました。
2030年までの日本の原発のあり方が、以下のシナリオ選択で今まさに決められようとしています。
ー「原発ゼロシナリオ」・・・ 唯一の脱原発シナリオ
ー「原発15シナリオ」・・・ 原発増設可能シナリオ
ー「原発20-25シナリオ」・・・ 原発邁進シナリオ
どれがいい?
この方はご丁寧に、パブコメの書き方も教えてくださっている。
ありがとうございます!
そしてこれが
自分の意見を政府に伝えよう!
お友達や家族、みーーーんなで考えて、一緒に意見を送ろう!