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大好きなリトルワールドに行ってきた! その3 詳細編

2011-01-01 12:30:45 | 好きなもの

海外旅行が好きで、いろんな国のいろんなものに興味深々だけど、なかなか僻地まで足を延ばすチャンスが無いと思っている人にはたいへんおススメのリトルワールド。

ただなんとな~く周ってるだけなら、「なんか珍しい建物が点在しているなぁ」で終わってしまうが、細部を見たり、説明を読んだり、ボランティアの皆様の解説を聞くと、「ほほー!と感心するような特徴が分かって楽しい。

 


自分的に特にお気に入りの展示がいくつかある

ひとつは、外観はすっごく地味~な感じなんだけど・・・


内部がものすごい極彩色で彩られている、ネパールの仏教寺院

豪華絢爛!

彫刻も、壁画も、装飾品も、とにかくカラフルに作られていて圧巻!!

なに?この中と外のギャップ。


ネパール東部のヒマラヤ山中のタキシンド村のチベット仏教のニンマ派に属する寺院をモデルにしているらしい。

あるブログによると、「車も通らぬ山腹に住むシェルパ族の村へ実際に赴き正確な実測を行い、さらに現地の絵師を招聘してきて、全て手書きによって仏画も再現、完成までに二年は費やした大建築。しかも近年、現地でのその伝統の存続も危ぶまれている」とあり、そんなに貴重なものをこの日本で、こんなに近くでじっくり見られることの有難みを実感・・・

 


壁には、仏画や曼荼羅などがびっしりと描かれている。

いろんな仏様や、六道輪廻という「人間は、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天という六つの迷界の間を、生まれ変わり死に変わりする」という仏教の思想を絵で表現したものが描かれていて、それを細部まで見ていると、不思議だったり、グロテスクだったり、綺麗だったりで、おもしろくて小一時間も眺めてしまう。

曼荼羅と言うのは素晴らしい芸術だなぁ・・・と思う。

死ぬまでに一度、この曼荼羅をカラフルな砂だけを使って表現する、砂曼荼羅の制作現場を見に行きたいと思ってる。

 

 



外見がシンプルなのに中は・・・という面では、このドイツ、ガルミッシュ・パルテンキルヘン付近をモデルにした一角にある礼拝堂

表はヨーロッパの片田舎にでもひっそり有りそうな小さな教会なんだけど・・・


中に入って見ると、天井や壁には綺麗なフレスコ画・・・と、


小さいながらも本格的な祭壇がある。

ヨーロッパの小さい教会って、外見すっごいシンプルなんだけど中に入るとすごいゴージャスだったりするよね。

そんな感じ。

素敵


 



構造的に興味深いのは西アフリカのブルキナファソのサバンナ地帯に住む農耕民、カッセーナの家

敷地内にいくつもの建物が建てられていて、兄弟でシェアして住むらしい。

四角のは男性たちの家、ひょうたん型のはそれぞれの男性に複数いる妻たちの家。

敷地内には他にも穀物庫、作業場、呪術用の塚などが作られていて、その周囲は敵の侵入を防ぐ目的でぐるっと壁で囲んである。


背中を丸めてちっちゃ~くしゃがんで、ジリジリと進まないと入れない極小の玄関から女性の家に入って見ると、全て曲線で造られたデザインがとっても素敵。

壁も、テーブルも、棚も、みんなクリンとまるまるしててカワイイ!

段差のある感じもオシャレ。

次、自分の部屋を改築する時のデザインの参考にしよう

厳しい気候の地にあっても、暑さ寒さをうまくやり過ごせるような快適な造りになっているらしい。

地域によって家もいろいろだねぇ。

 

 

 

 


あとはこの南インドのケララ州にある村のいろんなカーストの家をモデルにして再現した一区画ににある、地主であるナヤール・カーストの家はとっても面白い。

パッと見は普通の家なんだけど・・・

 

壁のあちこちにこんな穴が貫通している。

 

これは「悪魔が通る穴」で、現地では"悪魔が来る方角は決まっている"とされ、しかも"悪魔は直進しかできない"と言われていて、悪魔が来ても、この穴を通ってさらにこの延長線上の全ての壁に開けられている同様の穴を真っ直ぐ通って抜けて出て行ってしまうようにと開けられているのだ。

家にいちいちこんな穴を造る信心深さ・・・。

てか、「悪魔ってこんなに小さいんだ?」と思った。

 


この家は悪魔だけでなく、死にも囚われていて、家の1Fのメインのお部屋の真ん中に、こんな水槽がデデン!と鎮座している。

これが、死体を洗うためだけの場所なのだ。

この他にも、遺体を運び出す時だけ開かれるという立派な扉も付いている。

なんで??

一生で何回かしか使わないようなそんな儀式のためだけに、家のメインの部分をあてるなんて・・・。

「その場所に広いリビング作ろう!」とか、「この立派な扉も、せっかくあるんだから普段も使おう!」とかは思わないんですか?・・・そうですか・・・。

不思議な思想だね。

 


この家のモデルになったケララ州の結婚の風習がこれまた変わっていて、夫が妻のもとに通う婚姻の形態、"妻問婚"が行われていたエリアなんだそうだ。

女性は通常家の二階に住み、男性たちは夜な夜なそこへ通ったらしい。

一人の女性に複数の男性が通うことも多かったらしく、逆ハーレム状態。

羨ましいぞ!

 

 

この建物には二階へ昇るための梯子がかかっているけど、その段は一段飛ばしにグラグラになっていて、誰かが登るとガタガタと音が出て、来たことが分かるようになっている。

そして、その梯子の上の部分には扉が付いていて、女性はもし気に入らない男性が来たと思ったら、その扉をピシャッと閉じてしまい、受け入れなかったそうだ。

いい男、選び放題

羨ましいぞ!(←二回目)

 

 

 

世界には、自分の知らない文化、風習、慣習、思想、伝統、宗教、山ほどあるんだなぁ。

ほんと、面白いなぁーーーーーーーーーー。


そしてここでは、そんな地球の結構遠い所まで遥々行ってもなかなか個人では見れない、知れないような、ひとつひとつが貴重な展示がいっぺんに見られるんだから、素晴らしいよなぁ!



じっくり見れば見るほどハマる、ジワジワ来る楽しさの犬山のリトルワールド。

テーマパークと思って行ったらいかん。

素晴らしい"博物館"だもの。


近くに行くチャンスがあるなら、ぜひ行ってみて欲しい。

 


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