奈良で二人、印象的なおじいちゃんに会った。
お一人は、まだ今井町に着いたばかりの時、猛暑の中いつものようにご当地のマンホールを激写していたら、「どこのマンホールだって、同じでしょ?」と話しかけてきたおじいちゃん。
ちょうどそこでやっていた工事の現場の交通整理をしていたおじいちゃんだった。
「それがね、ちーがうんですよぉ!特にね、こういう名所みたいなところだと、そこの名産品とか、名物とかをモチーフにした特別なマンホールになってることも多いんですよぉ!」と力説しながら、ふとおじいちゃんのお顔を見たら、なんかとっても素敵なおじいちゃんだった
お肌とか浅黒くてさ。
ヘルメットからのぞく、ハラリと垂れる長めの前髪とかさ、「え?おじいちゃんでこんな髪型?」ってドキリとさせられる、話し方もなーんか渋くてカッコイイ、「若い頃、絶対モテたでしょ?」って感じのおじいちゃんで、一目惚れw
「あーーー、さらさら前髪だと、私はおじいちゃんでもいいのだ!」と分かったwww
「そうなんだ?全部一緒かと思ってたよ。」、「今度から下向いて歩いてみようかな。」というおじいちゃんを「この辺も、絶対珍しいのあるから!一緒に探してみます?」と誘いたい衝動をグッとこらえたw
だって、おじいちゃん仕事中だったんだもん!
フリーだったら誘ってたなw
おじいちゃんとお話しした時に撮ってたマンホールは、確かになんの変哲もない、今井町のマークかなんか入ったこのマンホールだったんだけど・・・。
おじいちゃんとバイバイしてから他の道行ったら、この古い街並みをモチーフにしたこのエリア独特のマンホール、あったんだよなあ。
「おじいちゃん、あったよ!あった!ほら、今井町の街並みのマンホール!!」って教えてあげたかったけど、見学の予約した時間が迫っていたので、後戻りはできず・・・・・・・・・・・。
そのあと、おじいちゃんの居た場所に戻ってみたけど、工事が終わってて、もうおじいちゃんはそこに立ってなかった・・・・・・。
寂しかった・・・・・・・・・・・・・・・・・。
おじいちゃん、どっかで気づいてくれてるといいなぁ。
もう一人のおじいちゃんは、杖をついて、よろよろとやってきた。
今井町の街をチャリンコで巡りながら、街並みを激写していたら、女性が「うちの記念館、寄って行きませんか?展示品、けっこう見ごたえがありますよ」と誘ってくださったので、壁にあった名前を見てみたら、「紙半豊田記念館」とあった。
なんだかよく分からず、「地元のちっこい企業かなんかの業績でも展示してあるのか?」と思ったけど、暑いし、とりあえず入ってみようと決めて入館してみたら、見事な美術品がずらりと並んでいてビックリ!
な~んか普通~のショーケースに無造作にいろいろ並べて展示してあったり、古地図とかはその辺の壁に画鋲かなんかで穴開けて普通~に貼ってあるんだけど・・・・・・・・・・・・、「これ、その辺の美術館行ったら、厳重警備の中、仰々しく一個一個だいぶ離して、もったいぶって展示されてるレベルの物じゃない?」って骨董品の数々が、ぞろぞろ揃ってて感激w
聞けば、通りの目の前にある超ーーー大きなお屋敷、豊田家は江戸時代に肥料や綿の商売でものすごい富を蓄えた豪商の家系で、当時集めた骨董品がまだいくつもの蔵に残っているから、そこから厳選してきてこの記念館に飾ってるんだって。
はぁぁぁぁ???
みーんなこのおうちが持ってるの?
これでほんの一部なの??
・・・・・・・・・・・・・骨董品が高い訳だわ!!!!!
ひとところにこんなに集中していて、それが出回らないんだから、高くもなるわ!!!!!
と仰天。
蒔絵のお弁当箱やら、細工が素晴らしい印籠の数々やら、伊能忠敬より古い(?)という地図やら、古伊万里のお皿やら、花嫁装束やら、日本刀やら、お香の煙で時を知らせる香時計やら、こいのぼりの原型だという吹き流しやら、「ふわぁー!」、「ぬぉー!」と思う面白いもの、美しいものがてんこ盛りで、しかも激近で観察出来て、「ほんとこれは見ごたえがある!」と思いながら、声をかけていただいたことに感謝しながらいろいろマンツーマンで解説していただいていたら(見学者、ワタクシ一名w)、入り口にふらふら~っとおじいちゃんの人影が。
ヨレヨレのジャージを履いて、かけてる眼鏡なんて曲がっちゃってて、杖をついてようやく歩いてる感じで、「お、おじいちゃん、そんなで一人で見学来たの???」とビックリしてたら、解説してくれてた方が「これ、あの向かいのおうちのご当主様ですよ。」って紹介してくれて、またまたビックリ!!w
人はね、見かけで判断しちゃ絶対ダメね!w
私がまた女性の説明を聞いていると、おじいちゃんがやってきて、一緒に解説をしてくれる。
モゴモゴしていて、とても聞き取りにくい部分もあるんだけど、楽しそうに説明してくれるんで、分かる範囲でお返事しつつのんびり過ごしていた。
「お父さん、これ全部お父さんが持ってるんだ?」って聞くと、「うん、うん」って頷くw
「まだまだ蔵にいーっぱいあるの?」って聞いても、「うん、うん」ってw
すっげぇ!
何億?
何十億?
自分が小物過ぎる庶民過ぎてよく分からんw
「いいねぇ!!すっごいお金持ちのお家に生まれて!!」と言ったら、また「うん、うん」と頷くw
「・・・・・・でも、お金持ちにしか分からない苦労もあるよね?」と聞いたら、これまた「うん、うん」と言っていた。
いやしかし、歴史のある街には、すごい人が居るもんだねえ。
てか、名前を「美術館」とかにしないのがイイネ!
このご当主様には、このあと夕方、街で2軒しかないお茶の出来るお店で偶然会った。
あまりの暑さに、「し・・・、死んでしまう・・・」と思って、クリームソーダ飲んで生き返ってたら、またふらふら~っと、ジャージ履きで、杖でやって来た。
紹介されてるから、正体分かるけどさーw
本当のお金持ちというのは、狙われないように敢えてこうなのだろう。
ワタクシがお座敷でぐったりしてるのに気づいて、「一人旅なの?」と聞いてきてくれたんで、「そうなんですぅ。最高に素敵な街ですよね!来て本当に良かった!」と言ったら、「このあとも気を付けてね」と言ってくださったので、「お父さんもお元気で。有難うございました!」とお伝えした。
お父さん、養女要らないかな?w
結構可愛いがられる養女になる自信あるけどww
どこ行っても、年配の方にはなぜかめっっっちゃ愛されるんだものwww
ほんと、いいおじいちゃま達と出会えて、楽しかった♪