10日間のうちで、会った印象深かった人達。
まずは、フエに着いたはいいけど、あの不思議なお墓へ行くにはどうしたらいいのか、だいたいあれがどの辺にあるのか、さっぱり分らなくて相談に立ち寄った旅行代理店で、「僕、場所を知ってるよ。僕が連れてってあげる」と言ってくれたお兄ちゃん。
そのままお仕事すっぽかして、自分のバイクで連れてってくれた。
「え?いいの?しかも・・・、今?あなた仕事中だったじゃない?ほんとにいいの?」とビックリした。
到着まで、2時間半くらい?結構遠くて、久々に長時間乗ったバイクでお尻が痛かったけど、彼がわざわざ田舎のいろんな面白い集落を抜けて行くコースを選んでくれて、仰天ものの家々をたくさん見れたので最高に嬉しかった。
ほんとね・・・、想像を絶する家が沢山建ってるんだよ。
これ、ド派手なお寺じゃないよ。
個人宅。
どんだけー?!どんだけ盛れば気が済むのーーー???
恐ろしいほどに装飾過多。
こちらは別のお宅。
もーね、バイクの後ろで、「ふぇぇぇーーーー??」とか、「ぬぅぉぉぉーーー!!」とか、何度言ったかわからん。
行っても行っても、こんな感じの家が並んでるんだもん。
ここもお墓と同じで、「お隣さんが豪華にしたから、うちはもっと豪華に!」って競争になってるんだって。
超~~~面白かった。
ベトナムの大金持ち、ほんと半端ねぇ(←こないだも言った)
その連れて行ってくれた彼と、その日一緒に夕ご飯を食べに行った。
地元の人に大人気というヤギ鍋。
イノシシとか馬とかは食べたことあるけど、ヤギは食べたこと無かったから興味津々。
地元の人しか居ない超ローカルなお店で、言葉は一切通じないので、オーダーとか全部彼任せ。
なんかの大きな葉っぱにヤギ肉を包んで炭火で蒸し焼きにしたものをタレに付けて食べるものと、
土鍋でゴロッとした大きな塊のお肉と、お野菜やお豆腐や麺なんかを煮込むヤギ鍋が来た。
ヤギ肉は何に近いかな? 歯ごたえのある牛肉、って感じかな?
羊ほど独特のにおいは無く、イノシシほど固くは無い。
非常に食べやすいお肉でした。
お鍋に入れた瞬間にヘナっと柔らかくなる、黄色い細い麺も美味しかった♪
彼は、とっても聡明そうないい子で、自分の仕事にものすごい遣り甲斐を感じていて、自分が任されているベトナム中央部の3支店を成功させるためにどれだけの努力をしているか、どんなアイデアを持っているか、とても熱く語ってくれた。
旅に出るとものすごい惚れっぽくなってしまう私は、そこまでもほぼ1日、二人っきりでバイクで旅をして、色んなものに驚いて、すごい楽しくてなんかいっぱい笑って、としてるうちに、ちょっと足場が悪いとこなんかでスッとつないでくれる手とか、お揃いのレインコート買って着させてくれる仕草とか、彼の笑った目の可愛さとかに、いちいちドキッとしちゃったりなんかしてたもんだから、その上こんな情熱的なトコまで見せられると余計ドキドキしてしまって、なんかあんまり顔とか見られなくなってしまった。
毎度思うけど、旅してると恋しやすくなるよねー。
開放的な気分のせいか、非日常の空気のせいか。
けど、彼も自分を気に入ってくれてたみたいで、翌日のガイドや、一緒のお食事や、たまたま同じ時期にハノイに行くということが判明して、「そこでまた会おう」とかいろいろ申し出てくれたけど、結局全部のらりくらりと断ってしまった・・・。
人と一緒に行動するのがどうも苦手、というのもあるし、これ以上お互いのそういう好意が深まってしまっても困るよなぁ・・・とも悩み・・・。
だって・・・、一回り近くも年下だったしねぇ。
それに、こちらはベトナム自体には(あの初日に会ったアホガイドその他金の亡者のせいで)いい印象をもてなかったし、彼に「今度日本に遊びにおいで」って言っても、「それは・・・・、夢のまた夢だよ・・・。」とも言われてしまったし。
我々の間に横たわる深い溝を実感してしまった。
ちょっとほろ苦い気持ちになったねぇ・・・。
やっぱりね、どんなに不況だ、国力や競争力が弱まっただ言っても、若造が気軽にフラリと世界の国を訪れ、放浪できるような経済力を持った日本は、まだまだ素晴らしい国なんだ・・・と感じたなあ。
彼らにとっては、そんなこちらが年に何度もしている旅行の1回が、生涯の一大事なんだからねぇ・・・。
我々は、本当に恵まれているよ。