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休日のバッハ(12.18.10)

2010-12-18 14:44:24 | 休日のバッハ
今日の休日のバッハは、カンタータ第80番「Ein feste Burg ist unser Gott」(「かたき砦ぞ わが主は」)より、ソプラノのアリアです。

歌詞の日本語訳は以下の通りです。


『わが 心の 家に 来たり 住みたまえ

 主イェス わが 望み

 サタンを しりぞけ

 み姿を 現わしたまえ

 失せよ 罪の おそれ』

中盤でひときわ歌声が大きくなる部分は「サタンをしりぞけ」と歌うところです。

ソプラノの澄んだ歌声が印象的な曲ですが、バッハの曲を聴いているとどことなく力が抜けてくる感覚があります。
多分、初めてこの曲を聴かれた方が、何とかその良さを理解しようとして「頑張って」も、うまく行かないと思います。それがこのようなマイナーな音楽がいつまでもマイナーに終わっている所以かとも思います。

では、どうすれば少しでも理解が進むのでしょうか?

1つには、上記のような歌詞が表す時代背景などについての理解を持つことですが、歌詞が分かったからと言って、曲が分かるとは限りません。オペラなどでもそうです。

もう1つは、うまく言葉には表せないのですが、その音楽の基底にあるものと、自分の人生やこの世の物語を重ね合わせる方法というのもあるかと思います。

映画を見ているとき、効果的なバックグラウンドの音楽が、例えば、よりセンチメンタルな気分に高揚させることがありますが、そのようなことですね。

その時、それまでに積み上がった人生の厚みと幅があるほど、その曲に結びあわされる物語の数と多彩さが増えていくのではないでしょうか。人生の厚みと幅があるとは、若いとか年をとっているとかは、この世に頑固親父と陰で言われる人が多いように、あまり関係ありません。例えば、毎日、昨日までの自分を否定して新たなことを試みている人と、筆者のように漫然と昨日の繰り返しで今日を過ごす人間とでは、時間が経てば相当の違いが出てくるはずです。

つまり、昨日までの自分から如何に脱却し新たな自分を創造し発見し続けるかが、音楽を理解する上でも、あるいは人と上手に付き合い仕事もうまくやる上でも、極めて大切なことではないかと思うのです。

その際、自分の力が足らないのでは思って、より力を込めて「頑張る」ことは、有効な結果をもたらすどころか、返って人間を疲弊させることもあるようですね。「年寄りの冷や水」とはそういう含意もあります。

一旦、力を抜いて全方位で考えてみることが必要ですが、そうしたきっかけを、このようなバッハの音楽が与えるのではないかと思います。そのあたりの機微について、もう少し詳しく知りたい方、河本英夫著、「飽きる力」(NHK出版、生活人新書、700円、2010年10月10日初版)がお勧めです。この人は、オートポイエーシスの日本における第一人者。

いつものように、ここをクリックして、ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでお聴き下さい。期間限定の公開です。

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