令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・変そして因幡へ編(06)八峰(やつを)の椿

2011年12月20日 | 家待・変そして因幡へ編
【掲載日:平成23年12月20日】

あしひきの 八峰やつをの椿
         つらつらに 見ともかめや 植ゑてける君




 変わり 天平勝宝九年(757)
新年早々 訃報ふほうが届く
正月六日 元左大臣橘諸兄たちばなのもろえ 死去
時代 は 着実に 移りつつある

三月 四日
兵部ひょうぶ大丞だいじょう 大原今城おおはらのいまき宅 うたげ
兵部少輔ひょうぶのしょう 大伴家持 参席
兵部ひょうぶきょう 橘奈良麻呂たちばなのならまろ 服喪ふくも 不参

あしひきの 八峰やつをの椿 つらつらに 見ともかめや 植ゑてける君
《峰々の 椿つややか それ庭に 植えた今城あんたに れするわ》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四四八一)

席上 大原今城いまき 思いも掛けない歌披露

堀江越え とほき里まで 送りる 君が心は 忘らゆましじ
《堀江越え 遠いとこまで 送り来た 今城あんた心 わし忘れへん》
                         ―藤原執弓ふじわらのとりゆみ―(巻二十・四四八二)

藤原執弓とりゆみ 今を時めく 藤原仲麻呂次男
与えられし歌 臆面おくめんなく披露の今城
いずれとも くみせずの 超然ちょうぜん家持知ってか

橘諸兄もろえ死去に 重石おもし取れたか 藤原仲麻呂
いっせいの 局面展開

 三月二十日】
女帝寝殿 とばり裏に『天下太平』文字出現
瑞祥ずいしょう現るとし 親王・群臣に披露
 三月二十九日】
聖武 今際いまわに立てし皇太子 道祖王ふなどおうを廃す
 四月四日】
大炊王おおいおう 皇嗣こうしに決定
 は 藤原仲麻呂の亡き長男の元妻
大炊王おう 仲麻呂田村私邸に起居ききょ
 五月四日】
大宮改修につき みかど 仲麻呂田村私邸へ
 五月二十日】
藤原仲麻呂 紫微しび内相ないしょう
軍事指揮権掌握しょうあく
 六月九日】
 五条発布
やから集会禁止 
 馬数制限 
随身ずいしん兵数制限 
 京内武器保持禁断 
 京内二十騎行き交い禁止
 六月十六日】
人事異動  発令
奈良麻呂 兵部ひょうぶきょう解任
後任 石川年足いしかわのとしたり(七〇歳)
家持 兵部大輔ひょうぶのたいふ昇格

藤原仲麻呂 着々の警戒ぞなえの中
奈良麻呂 六月中 三度の謀議ぼうぎ
真綿絞めに 焦燥しょうそうつのりしか


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