goo blog サービス終了のお知らせ 

令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

歴史編(31)見れど飽かぬ

2009年07月07日 | 歴史編
【掲載日:平成21年7月24日】

見れど飽かぬ 吉野の河の 常滑とこなめ
              絶ゆることなく また還り見む

【宮滝の激湍】


持統天皇の治世も  ようやく 安定を見たころ 
天皇は 思い起していた 
(吉野 
 夫大海人おおあまと 越えた雪の峰 氷雨ひさめふる山路やまみち 父天智との確執かくしつの後 手に入れた 地位 
 ああ 吉野が恋しい  そうじゃ 離宮を作ろう 宮滝に離宮を) 

風光明媚な 吉野宮滝 
立派に った離宮
持統女帝の 吉野行幸みゆきが 重なる
行幸の 従駕人じゅうがびと 
そこには 必ず 人麻呂の姿があった 
みかどへの 捧げ歌 人麻呂はうた
 
やすみしし わご大君の きこす あめの下に 
国はしも さはにあれども 山川の 清き河内かふちと 
御心を 吉野の国の 花らふ 秋津の野に 宮柱 太敷ふとしきませば

天皇おおきみの お治めなさる 国々は 仰山ぎょうさんあるが
 山川の 綺麗きれえなとこと 気に入りの 吉野の国の 秋津野あきつのに 宮殿みやどの作り おわしまし》
百磯城ももしきの 大宮人は 船並ふねなめて 朝川渡り 舟競ふなこそひ 夕河渡る 
《お連れの人は 朝となく ゆうべとなしに 船遊び》
この川の 絶ゆることなく この山の いや高知らす  
水激みずたぎつ たぎの都は 見れどかぬかも

《流れ続ける 川水と たこたこうに 茂る山 その滝の宮 見飽けへん》
                         ―柿本人麻呂―(巻一・三六)

見れど飽かぬ 吉野の河の 常滑とこなめの 絶ゆることなく また還り見む
《見飽けへん 吉野の川に また来たい またまた来たい ずうっとずっと》 
                         ―柿本人麻呂―(巻一・三七)

人麻呂は 得心した 
(これぞ 神の宮 寿ことほぎの歌)



<滝の河内>へ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。