【掲載日:平成23年10月18日】
今替る 新防人が 船出する
海原の上に 波な咲きそね
防人徴発は 東国諸国 郡司の役目
付き従え 難波まで 先導するは 国司
中継地 難波
到着確認 筑紫への派遣手続き 家持任務
任務とは 別に
家持の心 防人それぞれに 向かう
海原を 遠く渡りて 年経とも 児らが結べる 紐解くなゆめ
《海原を 行く船旅が 長ごうても 妻の結んだ 紐解くなよ》
―大伴家持―(巻二十・四三三四)
今替る 新防人が 船出する 海原の上に 波な咲きそね
《交代の 新防人の 船出るで 辿る海原 白波立つな》
―大伴家持―(巻二十・四三三五)
防人の 堀江漕ぎ出る 伊豆手船 楫取る間無く 恋は繁けむ
《堀江出る 防人船の 楫休まん 妻恋しいの 休む間も無かろ》
―大伴家持―(巻二十・四三三六)
【二月九日】
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防人
九州沿岸防備の兵士
ほとんどが 東国から徴発
豪族・農民の中 二一~六〇歳 男子
任期三年
年ごと 千人入れ替え
任地 北九州 壱岐 対馬
食糧 現地自己調達
武器・旅費 自弁
国元 年貢免除なし
過酷な状況を 背に負い
続々 難波に集まる 防人兵士
歌 徴集は
規定無けれど 慣習有りしか
兵部少輔任務 家持なれば
特別 督励したやも
検閲任務の傍ら
集めし歌 読む家持胸に 去来するは
同心 憐れみ 哀感・・・
地方民歌への 興味
はたまた
勇を鼓舞するがための 勤め故


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