令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・政争の都編(21)都も見えず

2011年11月04日 | 家待・政争の都編
【掲載日:平成23年11月4日】

雲雀ひばり上がる 春へとさやに なりぬれば
              都も見えず  霞たなびく




難波 での務め 前準備含め 二ヶ月になっていた
次々訪れる防人さきもり兵士差配さはい
慣れぬ 任務の多忙に
疲れが 気をませていた
 越を 除けば 長期の都離れは
聖武みかど 関東行幸みゆき以来か
 あのあと きょうでは
 大嬢おおいらつめありながら
 紀郎女きのいらつめ 宮中娘子きゅうちゅうおとめを 追うておった
  わしも 若かった)
家持 に 都 佐保邸 大嬢が浮かぶ

竜田たつた山 見つつ越え来し 桜花さくらばな 散りか過ぎなむ 我が帰るとに
桜花さくらばな 見ながら越えた 竜田たつた山 わし帰るとき 散り果てとるか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四三九五)

堀江より 朝しほ満ちに 寄る木屑こつみ 貝にありせば つとにせましを
《朝しおが 堀江に寄せる 木のくずが もしも貝なら 土産みやげにするに》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四三九六)

見わたせば むかの 花にほひ 照りて立てるは しきが妻
《見はるかす 向かいの丘に 花咲いて 花にえてる 誰や》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四三九七)
                          【二月十七日】

やがて  防人任務も 終局迎え
紫微しび中台ちゅうだい派遣の役人共々
打ち上げうたげが 催される
解放 の任務納めに 皆 都が恋しい

あさな 上がる雲雀ひばりに なりてしか 都に行きて 早帰り
《毎朝に 上がる雲雀ひばりに なりたいな 都に行って すぐ戻れるに》
                         ―安倍沙美麻呂あべのさみまろ―(巻二十・四四三三)

雲雀ひばり上がる 春へとさやに なりぬれば 都も見えず 霞たなびく
《ほんにまあ 雲雀ひばりの上がる 春なった けど霞出て 都見えんで》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四四三四)

ふふめりし 花の初めに し我れや 散りなむのちに 都へ行かむ
《わし花の つぼみ時分に 出て来たが 散って仕舞てから 帰るんやろか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四四三五)
                                    【三月三日】
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