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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

歴史編(34)ひむがしの

2009年07月04日 | 歴史編
【掲載日:平成21年7月28日】

ひむかしの 野にかぎろひの 立つ見えて
          かへり見すれば 月かたぶきぬ

【安騎野 東方全貌】

軽皇子かるのみこは 十歳になっておられた
「もう 狩りにお出ましもの 年齢としになられた」
「少し きついが 安騎野あきのが よかろう」 
「父君の 思い出の場所じゃ」 
群臣の 意見まとまり 皇子みこは 安騎野へ

持統天皇七年(693)冬 
(亡き草壁皇子くさかべおうじの 狩りにも お供した あれから 十数年か)
人麻呂は しみじみと思う 

やすみしし わが大王おほきみの 高照らす 日の皇子みこ 
かむながら かむさびせすと 太敷ふとしかす みやこをおきて

天皇おおきみ御子おこ 皇子おうじさん 立派に成長 しなさって 天皇おおきみ治める みやこ出発ち》
隠口こもりくの 泊瀬はつせの山は 真木まき立つ 荒山道を いはが根 禁樹さへきおしなべ
初瀬はつせの山の 山道を 岩よじ登り 木を分けて》
坂鳥さかとりの 朝越えまして 玉かぎる ゆうさりくれば 
み雪降る 安騎あきの大野に 旗薄はたすすき 小竹しのをおしなべ 
草枕 旅宿りせす いにしへ思ひて 

《朝越えなさり 夕方ゆうべには 雪の降ってる 安騎野あきの着き
 ススキや竹を 敷きつめて 父君偲んで 旅宿り》
                         ―柿本人麻呂―(巻一・四五)
 
阿騎あきの野に 宿る旅人 うちなびき らめやも いにしへおもふに
阿騎野あきのまで 狩りに来たのに 昔来た 草壁皇子みこ思い出し みな寝られへん》
                        ―柿本人麻呂―(巻一・四六)
ま草刈る 荒野にはあれど 黄葉もみぢばの 過ぎにし君が 形見かたみとぞ
《ここ阿騎野 荒れ野やけども 草壁皇子みこさんが はかのうなった 追慕ついぼの場所や》
                         ―柿本人麻呂―(巻一・四七)
ひむかしの 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ
《日が昇る 月沈んでく 西空に 草壁皇子みこの面影 浮かんで消える》
                         ―柿本人麻呂―(巻一・四八)
日並ひなみしの 皇子みこみことの 馬めて 御猟みかり立たしし 時はむか
《今はない 草壁皇子くさかべみこが 馬並べ 狩に出たんも いまこの時分》
                         ―柿本人麻呂―(巻一・四九)

軽皇子みこの成長をよそに 思うは草壁皇子のことばかり




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