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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(二)(14)妹に告げつや

2011年07月05日 | 家待・越中編(二)歌心湧出
【掲載日:平成23年6月10日】

薮波やぶなみの 里に宿借り
         春雨に こもつつむと 妹に告げつや



聖武帝詔書しょうしょに受けた 感懐かんかい
長歌 多産
天平  天平感宝 天平勝宝と改元
 武帝 退位
多事たじ多端たたん一年ひととせは 暮れていく

大嬢おおいらつめを 手元した 家持
 から 新年に掛けての宴席
風情ふぜい薫る 歌が生まれる

 宴席 雪 月 梅を詠む】
雪の上に 照れる月夜つくよに 梅の花 折りて贈らむ しき児もがも
《雪の上 月も照ってる このよいに 梅花はな贈るな 児ぉしな》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一三四〕

さかん 秦石竹はだのいわたけ館 宴】
我が背子せこが 琴取るなへに 常人つねひとの 言ふなげきしも いやすも
石竹あんたはん 琴上手じょうずやな いわり 聴いたらぐに しみじみするよ》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一三五〕

                                    正月二日 国庁饗宴】
あしひきの 山の木末こぬれの 寄生木はよ取りて 插頭かざしつらくは 千年ちとせ寿くとぞ
寄生木やどりぎを 梢から採り 插頭かざすんは 千年長寿ちょうじゅ 祈るまじない》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一三六〕

【正月五日 久米広縄くめのひろつな館 宴】
正月むつき立つ 春の初めに かくしつつ あひみてば 時じけめやも
あたらしい 春の初めに こんなして 笑顔かわわすん 春に相応ふさわし》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一三七〕

新年うたげが 終われば 公務が待っている
家持 砺波郡となみのこおりへ こんでん検索に出向く
雨に降りめられ 書記役宅での宿り
大嬢を おもんばかっての歌

薮波やぶなみの 里に宿借り 春雨に こもつつむと 妹に告げつや
藪波やぶなみの 里で宿借り 春雨を しのぐて妻に 伝えれたか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一三八〕