拾遺集

2019-07-06 12:33:07 | 生物
出町で肌着を買った後

ア…さんが乾物屋で足を止め

「おたふくまめのこと聞いてみる」という

あ、あれは私ならよう話しかけんタイプのおば(あ)さんや

「おたふく豆ありますか」

「ああ、あの花豆のことやな、もようのはいったような」

「いえ、黒い平たいようなお豆で」

「そやから花豆のことやな」

ほうら始まった、堂々巡り

「花豆はな、どんどん取れんようになって、うちには入ってこうへんのや」

傍観者としては面白い場面

おたふく豆というもの、聞いたことはあるしアレだろうと見当はつくが

人に話せるほど知ってはいない

小豆以外は乾燥豆を炊いた経験がなく、黒豆も食べる側一方

それでちゃんと調べてみると

黒いあの空豆の形をした佃煮のような豆は

空豆を重曹と鉄で、甘く黒く煮上げたものだとわかった

使う豆は色々で、空豆タイプの乾燥まめ

蚕豆と呼んだり天豆と呼んだり花豆と呼んだり

そのうち赤花豆は京都特産だが近年はとれなくなっているとか

一番よく仕上がるのは南米産の空豆だとか

ふうん、出町歩いてア…さんのおかげで一つ知識を得ました

昼は出町の端でおうどん食べて(なにせ私が胃痛もち)

出町のはずれの野呂でア…さんがお漬けもん買うて

出町の種苗やさんで半夏生探して(みつからず)

待たせていたタクシー呼んで

京都の残り時間をお寺で過ごすことにしました

といっても観光解説のドライバーはア…さんにあてがって

いや逆か、ア…さんはドライバーにあてがって

私はお寺の植物観察で時間を過ごしました

金戒光明寺ではシマモクセイの大樹が京都の銘木に指定されている
        

六月らしく黄色い梅の実が転がっているけど柵の中
        

特大の蟻の巣もみつけました
        

ここ吉田山では真如堂もそうだけど菩提樹が何本もある
        

と見終わった頃にア…さんが本堂の柱の太さに感動して戻ってきた

アタシは人が建築したものや人と人がどうしたという由緒より

人の手の加わらない動植物の方が興味があるもんで

最後に常寂光寺の植物も載せておこうかな

風で飛ばされて落ちた山桃の実をア…さんに味見させたら
        

おいしいと言っていた

少し脱線して、東京の山桃は途中から不作の色になったのはなぜか
        

右横にうつっているカメちゃんのせいか

で、京都に戻りまして
        
ヤブコウジは花の季節でした
        

マンリョウと同じ属というのがよくわかる花です

葵もすぐ手の届くところにあって
        

ほかに人がいなければ犯罪となるところでした

また思い出したら京都のこと書きまーす


家に帰り着いたら

“今は夏椿と半夏生が咲いています”という

南禅寺の庭師さんからFAXが届いていた

次回はこの人に会いに行かねばと思った

最新の画像もっと見る

コメントを投稿