リセ・フランコ-ジャポネ

2012-04-21 00:22:29 | 日記
新緑が夕暮れを明るくする春の宵
私には出かける先があり
迎えに来る人がいる

三十四年前
初めて飯田橋のリセを訪ねたとき
どんなところなのか
どんな人がいるのか
私たちはどうなるのか
私のフランス語は通じるのか
わからないことだらけで飛び込んだ

リセ・フランコ-ジャポネは
在日フランス人の学校で
息子が八歳から十八歳までの十年を過ごしたところ

それが今日でなくなる
生徒数が増え、滝野川の新校舎に移転が決まったのだ
            

最後の日、
思い出の校舎では卒業生に開放するイベントが行われた
いろいろな場面がよみがえる
            
            
            
            
            
            
            
            
            
            
            
私以上に息子には
いつまでも帰りたくなさそうだ

あの頃我が家は学校一貧しい家庭だったと思う
それでも息子は幸せな結婚をし
望みうる最高の仕事を得
帳消しになった

そうだろうか
私は今でも
わずかなコインを握りしめて
裕福な級友たちと昼食にでかける坊やの姿に
繰り返し繰り返し泣かされる

きっとその惨めさが
しあわせな大人になるためには
必要だったのだ
            

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