最後の鱧寿司

2020-09-01 18:37:10 | 日記
ぎをん松むろさんにはもう七年くらい行っていない

このまま会わずに済ませる仲ではない

店には行きたいが 私はたべられないのだ

そんなら弁当という手があるではないか

そうだ季節は鱧寿司

松室さんと電話で相談して

「鱧寿司の横に少し季節野菜とか入れて」

「ほなおせちみたいに色々入れときましょか」

「わーそうしてー」



料理のほかにも迷うことがあった

会食者にお誘いしたい方があるが お会いしたこともないのに来ていただけるか

なるべく断りやすいように しかし来ていただけるように

Iさんとは10年来のブログ友達で

互いにコメントはしあうけれど面識はない

プロファイル:京都好き 猫好き 先生と呼ばれる職業 茶道探究者

参加OKの返事が来た!

とこうなると私の厚かましさはさらに一歩進む

折角Iさんに着て頂けるのだからお茶を点てて頂きたいなあ

しかし引っ越しでおちゃも茶筅も捨ててしまった

あるのは普段の茶碗ひとつ

そうだホテルの近くの栁桜園でお茶と茶筅はサチコさんに買ってきてもらおう

お菓子は新幹線を出ですぐの鶴屋吉信で調達

ホテルに現れたのは

涼しげな夏のドレスをまとったレディ

すぐにうちとけてホテルの家具をみんなで移動して食卓の設営

カンパーイ

ビールのいい香りがするけど私は飲めない


お弁当も鱧寿司の鱧だけ一枚、出し巻1/4、才巻海老一尾、茄子一切れ

ここでドロップアウト

みんなが食べ終わるのを待って

「I様お願いがございます 一仕事」

とおもむろに茶碗とお茶と茶筅を取り出すと

「あら私も持ってこようかなあとおもってたんです」とすんなり

茶杓はホテルのマドラーで代用、湯こぼしはホテルのシャンパンクーラーで代用
(なんていいホテル)

お菓子はI様持参の和菓子のニューウェイヴと吉信の琥珀羹


手際よく四人分のお茶が阿波たっぷりに点てられ


I様のお茶はわがますらをが拙いながらも点てて

「I様 お茶をなさる方は度胸が身に着きますね お点前を見られながらする」

「あら石井さんだってお店なさってたでしょ」

「そーなんです ままごと見られてるみたいで恥ずかしくてたまらなかった」

充実した夕べだった

松むろの料理もI様とのおしゃべりも京都旅行も最後かもしれない

長野で避暑中のトミコさんに写真入りメールでレポートすると

“あら透け感のある夏らしい服をお召しになっているのね

マリコさんて人見知りかと思うのにこんなことはできるのね”

“違う違う 人見知りなんだけど

この世に生まれて会うべき人に会ったと思えるときは

義務感に後押しされて人に近づくことができるの”


人生最終章に入った今 なぜか魅力的な人に次々と出会う


“紗をかけるように”とのお達しがあったのに

ごめんなさーい

顔ぬりつぶし初心者なもんで

ごめんなさいごめなさいごめんなさい














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