美容院に行くまで

2015-09-22 20:31:53 | 日記
美容院に行くのは女性なら大抵嬉しいはずだが

実際行こうとするとこんなに億劫なことはない

まずお金が減る

ならばたっぷり余裕があれば喜んでいくか

電話が苦手だから予約で躊躇する

メールだったらいいと思うけど希望の時間がとれるか即答はもらえない

そして予約してしまうともうその時間はあっちのもので自由を奪われる

ずるずると一日延ばしで予約したくなくなる

一日延ばしても髪の毛は目ではわからないほどしか伸びないし

そうこうして我慢できない形になり

ついに電話しても

頼みの美容師が希望の時間に空いてない

「じゃまた考えます」

と電話を切るとなぜかほっとして自由な気分

いつもと違う大きな美容室行こうかなあとまで思ってしまう

行くためにはこちらの希望がちゃんと伝わるように資料と細かい解説図を作る私

だから面倒なんです

こちらの希望のわかってくれる行きつけの美容室はないのかって?

この行きつけというのが曲者で

私は中途半端に自分を知られるのがいやなんですね

なぜなら私の中の組み合わせは大分ひねくれているらしく

たとえば阪神ファンならこうだろうとおもわれることがこうではなくああで

福岡出身ならこうだろうとおもわれることがああ

だから下手に自己開示すると見当違いの話題ばかり出されて疲労困憊

自分だけがこうなのかと思っていたら

先日ネットの記事で「美容室で話しかけられなくするこつ」というのがあった

フランスの小話にも、床屋で「旦那今日はどんなふうに切りましょうか」

と言われた客が「黙って静かに切ってくれ」と答えたというのがある

などと抵抗を続けた私もついに行きつけじゃない美容室に飛び込んだ

何かテレビのニュースの話になり私がテレビを持ってないというと

「なぜですか」と聞かれた

持つのに理由はあっても持たないのに理由はないだろうと思うのだが

なんと答えようかと考えている自分がまたばからしくなる

放っといてー

そしていよいよ最後にあの儀式

折り畳みの鏡を後ろにひろげてバックの髪形がどうなっているか示される

「いやだーもうこんなことになってたのバカバカバカ」

と言ったらどうなるんだろう

なるべく見ないようにして「はい、どうも」

うしろからの店員の視線を感じながら逃げるように家路に急ぐ私なのだ