縫取り御召

2011-02-04 00:04:58 | お宝
友禅でもなく、小紋でもなく、金糸銀糸の刺繍でもない
縫取り御召は

お茶や踊りのお稽古はせず
芝居や食事の遊びに
着物を着る者には有難い存在

うるさがたも許してくれるからではない
着ていて楽しいから

上の写真の着物は若い頃から今まで
帯を替えて
何十年も着ている

まるで刺繍のように見える
細かい織

光の具合で地色の梅鼠だけの印象になったり
フェニキア模様のような赤糸が目立ったり
金の枠が光ったり

私の歳ではもう着られないと言う人がいても
クロソフスカ・ド・ローラ節子さんを見よ

日本人はもっと面白い着方をしていた筈
色、柄、それらの組み合わせに

          

昔、京都の料理屋に誘ってくれる人がいた。
迷いに迷って着た自信のない着物を
「その着物、武士のような強さがあって好きです
 また着物を着てくれるなら
 あちこちの料理屋に案内します」
と言われた。

こんな奇怪な着物で同席したら
男はたじろぐかもしれないという杞憂があっただけに
まるで着物をはがれたようなマゾヒズムに酔った。

          


近頃お召の復興が聞こえてくる
しかし縫取り御召はまだ

          

この技術の伝統を残してもらいたいが