鮨 Ａ．

去年の正月は湯河原の陶芸家宅で過ごした
おせちを食べた後、
午後は同席者たちが
昨陶ごっこを言い出した

ム。

日頃から素人陶芸家や
その作品があふれているのを腹立たしく思っている私

同じ罪を私も犯すのか
人にあげないまでも
自分の家にでも
無造作にモノが増えるのを嫌う私

欲しいもの、足りないもの、何もない
ましてや自分のデビュー作など

ウーム。

よし、あれにしょっ。

と決めて作ったのが
ままごと用の俎皿二枚。

こねた土の状態で置いて帰れば
窯で釉薬をかけて焼いてくれることになっていた

送られてきた完成品は

ヴーッ。

私は皿の裏に丸い団子のような足を四箇所に付けていたのになくなっている。
代わりにというか、景色として隅に灰色がかけてある。

仕方ない、窯の都合やプロの考えもあるだろうから。

三寸ほどの俎皿に鮨を盛った。

　マグロ　ベニカナメモチの新葉
　イカ　　白い椿のはなびら
　ウニ　　オレンジ色の葉っぱか花びら
　海苔　　ツワブキの葉
　生姜　　薄桃色の椿の花びら