とうとう一枚になった今年の奈良漬。
昔は奈良漬に季節があることも知らなかった。
父も母も実家が酒屋だったので、我が家の倉庫には、一年中奈良漬の大樽が
あって、食卓には365日奈良漬が出てきた。
そんなもの子供が好きになるはずもない。
ところが故郷を離れ、両親の実家も廃業し、久しく奈良漬を食べないでいる
と、自然な成り行きで禁断症状が出始めた。
どこかあの味の奈良漬を作っているところはないか。
あの味というのは、酒屋の奈良漬は市販の奈良漬のように甘い味醂味ではな
く酒粕の味なのだ。
遠い親戚にあの味の奈良漬を作っているところがあると知り、送ってもらう
ことにした。
最初は勿論有料だったが、贈り物にしたいというあちらの希望で、進物とし
て受け取るようになった(そのかわりお礼に京都の西京漬の魚を毎年送る)。
電話では話したことがあるのに、一度も会ったことのない親戚。
酒屋に嫁いできた調理師の資格を持つお嫁さんが、伝統の味を絶やすまいと
作り続けている。
七月末の夏の盛りに、毎年届く出来立ての奈良漬の樽。
奈良漬がなくなりかける頃、白瓜を買ってきて酒粕に漬け足す。
そして最後の奈良漬で巻き寿司を作る。
厚焼き卵さえ作れば、到来物のツナ缶と湯通しした三つ葉と奈良漬で夏の終
わりの巻寿司ができる。
写真は下が本来の奈良漬、上が漬け足しの奈良漬。
昔は奈良漬に季節があることも知らなかった。
父も母も実家が酒屋だったので、我が家の倉庫には、一年中奈良漬の大樽が
あって、食卓には365日奈良漬が出てきた。
そんなもの子供が好きになるはずもない。
ところが故郷を離れ、両親の実家も廃業し、久しく奈良漬を食べないでいる
と、自然な成り行きで禁断症状が出始めた。
どこかあの味の奈良漬を作っているところはないか。
あの味というのは、酒屋の奈良漬は市販の奈良漬のように甘い味醂味ではな
く酒粕の味なのだ。
遠い親戚にあの味の奈良漬を作っているところがあると知り、送ってもらう
ことにした。
最初は勿論有料だったが、贈り物にしたいというあちらの希望で、進物とし
て受け取るようになった(そのかわりお礼に京都の西京漬の魚を毎年送る)。
電話では話したことがあるのに、一度も会ったことのない親戚。
酒屋に嫁いできた調理師の資格を持つお嫁さんが、伝統の味を絶やすまいと
作り続けている。
七月末の夏の盛りに、毎年届く出来立ての奈良漬の樽。
奈良漬がなくなりかける頃、白瓜を買ってきて酒粕に漬け足す。
そして最後の奈良漬で巻き寿司を作る。
厚焼き卵さえ作れば、到来物のツナ缶と湯通しした三つ葉と奈良漬で夏の終
わりの巻寿司ができる。
写真は下が本来の奈良漬、上が漬け足しの奈良漬。