先月末に運行を開始し、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げた富士急行の6000系電車ですが、JR九州や両備グループなどで多数の車両などのデザインを手がけた某デザイナーが絡むだけに、外観だけでなく内装もドーンと変化しています。
車内は座席モケット以外、製造当初から変化の少ない車両が多い205系においては、最も異色の存在に変化した車両と言っても過言ではなく、1車内に幾種もの柄が存在する座席モケットをはじめ、外観と同様に水色に塗られた客ドア、車両間貫通路に設けられた暖簾や、吊り輪に木材を使用したつり革などは、非常に特徴的で目を引くものです。
横浜線や八高線など比較的至近で同種車両が活躍し、これらの路線に乗り慣れた乗客が富士急行線を利用した際にも、ただの払い下げ車両ではなく、それなりのインパクトを感じる車両に仕上げられているのでは…と感じたもので、広告枠にこの車両のイラストが幾種も掲出されている点も、観光客などが利用した際に楽しめる仕掛けと言えます。
床がフローリング仕上げに改められており、ドア付近には若干の段差が出来ているのも大きな特徴で、外観上素人目には先頭車化改造車である事が分かり難い富士山方先頭車も、乗務員室仕切り扉の位置が中央に設けられ、上下で扉位置が異なる事は、如何にも後に改装した車両である事を強く印象付ける雰囲気があります。
また車椅子スペースの設置をはじめ、半自動ドアスイッチとドアチャイム設置、ドア上にLEDによる次駅案内などの文字表示装置が設置され、英語放送入りの自動放送も流れるなど、地域性や現代のニーズに応じた機能面での強化も行われています。
ドアチャイムや自動放送、全角6文字分のLED文字表示装置などは、JRの中でも富士急行線と直通運転を行っている会社の車両を連想させる雰囲気があり、その一方で内装は同じデザイナーが絡むJR九州を思わせる雰囲気がありますので、全く様相の異なるJR2社が融合したかの様に錯覚させられます。
この様に見た目の雰囲気は、205系→6000系に形式を改めると共に、内外共に大きく変化していますが、20m級4ドア車の3両編成で輸送力車両とも言え、「COMMUTER TRAIN」と名乗っているだけに、オールロングシートの座席など、接客設備面では典型的な通勤型車両と言える205系の原型を踏襲している部分も多く、収容力重視の車両と言った雰囲気も感じられます。
某デザイナーが手がけた車両では、富士急で活躍中の「富士登山電車」をはじめ、幾つもの鉄道で良く見られる本棚やベビーサークルなどの実用性とは程遠い装備はなく、座席自体もモケット以外は205系時代を踏襲しており、化粧板も205系原型を概ね踏襲するなど、個性が強過ぎる車両を次々と世に送り出す某デザイナーの絡む車両にしては、実用本位な印象を受けたものです。
この6000系は元々JR線を走っていた車両だけに、物理的にはJR線を走らせる事もさほど難しくないかと思いますので、大月からJR線に乗り入れての運行を行い、本家205系と並ぶ事で進化ぶりを実感できる機会が巡って来る事にも期待したい所で、また205系は廃車解体するにはまだ…という感もありますので、今後富士急以外の私鉄やJR会社間での移籍劇が続くのかも気になる所です。
それはさておき、西日本の東海道緩行線で朝ラッシュ時で運行されている205系ですが、さっさと321系でも増備して追い出した後、サハを東日本から購入して8連化した上で、大阪環状線の103系置き換えでもすれば良いのにと思うのは私だけでしょうか?あと、阪和線の205系も各駅用なのもどこか宝の持ち腐れな感じがしますが、103系メインの現状では致し方なしなのでしょうか。
今後は、地方線区への転属が進むと思いますが、それと共に、富士急以外の地方鉄道が導入するのかも気になります。モハユニットでも先頭車改造すれば、活用は出来そうですが・・・
富士急の元京王車は、見た目は手入れが良いのか、地方私鉄にしては比較的状態の良い車両に見えますが、元営団の下回り老朽化が進行している様で、また2編成併結の4両運転を極力避けたいのも、205系導入の一因かと思います。
ただ元京王5000系は他地方私鉄にも、元営団の下回りを組み合わせた車両が存在し、どう見てもそちらは更に状態の良くない古参車が活躍中ですので、近年では上田→豊橋であった地方私鉄間の中古車両再譲渡劇があっても…と感じます。
またJR西日本は古い車両が多く、首都圏では廃車になる201系を、同時期にリニューアルしてまだまだ使う様子ですし、それよりも更に古い103系がまだゴロゴロしていますので、節電も考えなければいけない時勢を踏まえると、サハだけでなく編成単位で205系を購入しても良い気がします。
ただJR化後に登場した「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の移籍は避けて欲しいものですが…
そうなると、富士登山電車になっている1205番編成は別にしても、1~2本残して後は引退、という事も十分に考えられそうです。やはり、1000系2本連結で4連より、始めから固定編成の6000系3連の方が合理的なのでしょうか・・・
まぁ、沿線の観光地へのレジャー輸送に対応する為と考えるのが良さそうです。
今後は、小田急ロマンスカー導入の噂もあるそうですし、今後の動向から目が離せなそうになりません。
また、1000系の他地方鉄道への転属もあるのかも気になりますが、とりあえずは銚子電鉄あたりかなぁ・・・と思いますが、果たしてどうなりますか。