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九州産交バス・快速あまくさ号~片道2時間以上を要する天草の基幹路線

2008-12-25 | バス[九州本土]

 

先月MAKIKYUが九州を訪問した際には、熊本県の天草を訪問する機会があったのですが、その際には熊本市内から九州産交バスの快速・あまくさ号を利用する機会がありましたので、今日はこの路線に関して取り上げたいと思います。

天草諸島は現在に至るまで鉄道が通っていないものの、九州本土とは幾つもの橋を渡ることで陸続きとなっている事もあって、天草一帯の公共交通機関は主に九州産交グループの路線バスとなっており、他にフェリーなどの航路(熊本~本渡・八代~松島間など)が存在する状況です。

その中でも県都熊本と、天草の中心都市である本渡(旧本渡市:現在は市町村合併によって天草市となっています)を結ぶ快速あまくさ号は、天草一帯の公共交通機関の中で、最も重要な役割を果たしている基幹路線と言えます。

快速あまくさ号は九州はおろか、国内全体を見渡してもバスターミナルの中で極めて大規模な部類に入り、熊本市内中心部に位置する交通センターを起点に、JR熊本駅を経由して三角方面へ向かい、その後橋を渡って天草諸島に入り、松島(高規格道路経由の便は経由しません)を経て本渡バスセンターまで運行しています。

一部の便は熊本方で阿蘇くまもと空港まで足を伸ばし、また本渡方も本渡アレグリアガーデンズ(その少し手前に産交天草営業所があります)まで運行される形態となっているのも特徴です。

熊本~本渡間は熊本県内とはいえ、高速道路も通っていない事(最近は「高規格道路経由」と呼称して有料道路を経由する事で、若干所要時間が短くなっている便も存在します)もあって、同区間を乗り通すと片道2時間半程度、阿蘇くまもと空港からともなれば所要3時間を超える長大路線だけあって、車両も主に高速バスタイプの車両が使用されます。

とはいえ比較的古参の部類に入る車両の中には、路線バスタイプの車両をベースとしたあまくさ号専用車(リクライニングシート装備で乗降扉も前1箇所ですので、エンジン音などを聞かなければ、路線タイプの車両をベースにした車両とは気付き難いですが…)も用いられています。

塗装も高速バスからの転用車などが混入している事もあって、あまくさ号専用塗装こそ存在しないものの、数種類が混在している状況ですが、MAKIKYUが乗車した便に充当された車両は、産交の一般路線車と同じ塗装を纏う路線タイプの古参車両(平成2年製いすゞ車・車体は西日本車体工業製)でした。

あまくさ号は快速バスと名乗っているだけあって、主要停留所停車の形態となっており、通過停留所も多数存在していますが、整理券方式の路線バス扱いとなっていますので、長大路線にも関わらず高速バスとは異なり、熊本~本渡間を直結するだけでなく、停車各停留所間で乗車できる事も特徴です。

最近では三角~松島間の産交一般路線がさんぱーるで分断された影響もあって、一部便(あまくさ号の約半数)がJR三角駅前を経由する様になるなど、都市間輸送だけでなく、地域内輸送路線としても重要性を増しています。

運行本数も概ね毎時1~2本と、地方のバス路線にしては比較的運行本数が多い部類に入り、本渡行の最終便が本渡着22時過ぎ、本渡発の始発が6時前から運行されている事なども考えると、あまくさ号の運行区間は、土地柄の割にはバスの便が比較的至便とも言えます。

また快速あまくさ号は、熊本~本渡間の片道だけでも2000円以上を要しますが、九州島内の路線・高速バスが乗り放題となる「SUNQパス」での利用も勿論可能で、全区間が熊本県内に属すこともあって、3日間乗り放題で6000円(兵庫県以東で引換券を購入した場合:九州内などでの発売価格は8000円)の北部九州版を利用する場合などは結構割安感があり、他にも幾つかの割安な乗車券類の設定(福岡~熊本間の高速バス「ひのくに」号との乗継割引乗車券など)がありますので、乗車の際はこの様な乗車券類を活用するのも良いかと思います。

このため天草方面を公共交通機関を用いて廻る場合には、必須の路線とも言えますが、路線バス扱いで停車各停留所で乗降可能となっており、長距離路線などで時折見られる乗降制限などはありませんのでので、比較的アクセスし難い天草方面まで足を伸ばす機会がなくても、極端な例では熊本市内のJR熊本駅~交通センター間(所要約10分:運賃130円)のみで乗車して天草へ行く気分だけ味わう事も可能可能ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も熊本へ足を伸ばす機会がありましたら、是非一度快速あまくさ号に乗車してみては如何でしょうか?

写真はMAKIKYUが乗車した古参格のあまくさ号専用車と、阿蘇くまもと空港行の便に充当された空港リムジン塗装を纏ったあまくさ号(共に松島で撮影)です。



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