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中国高速鉄道(CRH)の概要

2012-07-28 | 鉄道[中華人民共和国]

今月MAKIKYUが中国へ足を運ぶ最大の動機となった中国高鉄(CRH)乗車ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、中国へ足を運んだ事がない方や、中国へ足を運んだ事はあってもCRHの状況は…という方も居られるかと思いますので、如何に現段階におけるCRHの概要や、MAKIKYUが乗車した際の印象などを記したいと思います。
(中国在住の方や、CRHを幾度も利用している方には当り前過ぎる事かもしれませんが、ご了承下さい)

また中国鉄路関係のリンクサイトには、更に詳細な案内などが出ていますので、興味のある方は合わせてご覧頂くと共に、比較的最近刊行された「中国鉄道大全」という書籍(「MAKIKYUのページ」リンク先サイト管理人のborgen氏&はいらーある氏の共著です)にも記されていますので、こちらをご覧頂くのも良いかと思います。


・車両面

日本の新幹線タイプ(東北新幹線E2系タイプ=CRH2)をはじめ、ドイツICE3タイプ(CRH3/CRH380B)など大きく分けて5タイプが存在し、北京南や上海虹橋などの大ターミナルでは、様々な車両が肩を並べるのは魅力的です。

新幹線とICEが同じホームで並ぶ事などは、各車両の本家・日本やドイツでは考えられない事で、日本の新幹線の様な完全に独立した高速鉄道ではないだけに、既存客車列車とCRH2が肩を並べるシーンも一見の価値があります。

CRH各種は概ね白に青帯の装いとなっており、某島国の高速鉄道を意識している様にも感じられるものの、どの種類の車両にも似合う装いで、CRH2の装いは本家E2系よりも見栄えがするのでは…と感じる程で、CRHのロゴも個人的には好印象を受けます。

車両の出来栄えとしては、CRH2とCRH3/CRH380Bが双璧をなす感があり、一度ICE3に乗車してみたかったMAKIKYUとしては、SIEMENSの車両を大量導入し、念願を叶えてくれた中国鉄路に「謝謝!」

独自開発を大いに謳っているCRH380Aも、新幹線とICEの美味しい所を寄せ集めた雰囲気があってか、如何にも中国的な印象を受ける前面スタイルとは裏腹に、乗車した印象はまあまあという感があります。

アルストームのペンドリーノタイプ(CRH5・同種車両はイタリアなどで使用)は余り期待していなかったものの、思ったより良い車両と言う印象があり、酷寒地や低床ホームに対応している点でも有用な車両です。

ボンバルディア(CRH1)は様々な面で他の車両に比べて…という印象があり、高速鉄道車両の実績と言う点でもまだまだの車両ですので、今後の改良に期待したい所で、各車種共に8両編成か16両編成、或いは同種車両の8両2編成を併結した16両で運行しています。

独自開発を大いに謳っている中国オリジナル車両・CRH380A以外の各国で活躍している各車種も、本国で製造された車両はごく僅かで、大半は部品輸入や技術移転による中国の国内製造となっています。


・設備面

開業から日が浅い路線ばかりで、外国の技術に依存する部分も大きいとはいえ、設備面は全体的に新しい事もあってか、高速列車専用線を走る列車に乗車すれば、新幹線と遜色ないレベルという印象があります。

高速列車専用線だけでなく、従来の客車列車や貨物列車が走る線路を運行する列車や、両者に跨って運行する列車も存在します。

また北京や上海、広州などの大都市では、既存ターミナル駅ではなく、CRH専用に新設・改装されたターミナル駅(北京南・上海虹橋・広州南など)を発着する列車が大半を占めており、これらの駅の規模の大きさも圧巻です。

路線長も既に1国の高速鉄道においては世界最長となっており、列車本数も1400本を越えるなど、短期間でここまでの高速鉄道網を造り上げたのは大したもので、北京~天津・上海~南京・広州~深セン間では、複線の高速列車専用線を2路線建設しているのも驚異的です。

ただ今後の更なる発展を見越した先行投資的意味合いも推測されるとはいえども、駅の規模が大き過ぎる上に、基本的に駅構内は従来通り一方通行で改札や出口の場所が限られていますので、乗車車両や利用駅によっては、乗下車の際に駅構内を歩く距離や移動時間だけでも馬鹿にならない有様で、移動だけでもかなり疲れます。

この点日本の新幹線は限られた設備をフルに活用し、多数の列車を捌いている事は大したものという感があり、駅構造も利用客本位に作られていると感じます。


・乗車券

全席指定席制となっており、一部列車では列車指定の無座(立席)券発売も行っているものの、自由席の設定はなく、列車番号が「G~次」「D~次」(「G~次」の方が格上ですが、運賃も割高に設定されています)、或いは「C~次」(「G~次」とほぼ同等:現在は北京南~天津方面のみ運行)となる列車がCRHです。
(その他の「T~次」(特快)、「K~次」(快速)、「~次」(列車番号の前にアルファベットなし:普快など)は、殆どが客車列車での運行となる一般列車です)

「G~次」と「D~次」の運賃格差は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」と「こだま」の実勢価格(=「のぞみ」の回数券バラ売り価格と、「こだま」の「ぷらっとこだま」利用)以上に開く事もあり、その代わり「G~次」列車が多数走る区間における「D~次」列車では、長時間運行となる列車での大幅遅延リスクなどもあります。
(上海虹橋~南京南間を利用した場合、「G~次」の2等座では140元程度となりますが、「D~次」では100元で若干のお釣りが出ます)

また中国では日本や韓国とは異なり、改札近くで乗車券を購入できず、基本的には駅舎に隣接、或いは駅舎入口付近に設けられた乗車券売場で乗車券を購入してから駅構内に足を運ぶ事になります。
(街中にある乗車券発売所で購入する事も可能ですが、その場合は若干の手数料を要し、旅行会社に購入を依頼する場合、結構な金額の手数料がかかります)

そして乗車券を持って駅構内へ足を踏み入れると、金属探知機等による所持品チェックなどが行われ、列車毎に指定された改札から入場して乗車する事が殆ど、それも発車3分前位に検票(改札)締切となる仕組みは、一般列車と相変わらずで、JRやKORAIL(韓国鉄道)に乗り慣れた身としては、列車に乗るまでが随分面倒に感じます。

改札はCRH発着駅を中心に自動改札化が進み、薄緑色の乗車券は自動改札に対応していますが、ピンク色の乗車券は自動改札に対応しておらず、係員対応となりますので要注意です。

おまけに最近、ダフ屋による転売などを防ぐために乗車券が実名制(要身分証明書・外国人の場合はパスポートを提示し、氏名は印字されずにパスポート番号が乗車券に印字)となり、乗車券購入時に提示が必須となっている上に、検票の際にも本人確認で再度身分証拝見となる事もあります。

乗車券売り場の窓口も大勢の旅客が列を作り、購入まで結構な時間を要する事もしばしばで、基本的に中国語以外はまず通じません。
(北京駅や上海駅などの主要駅では、英語対応窓口が設けられているものの、日本語対応を期待する事は絶望的で、中国語会話が出来ない場合、乗車日や乗車区間・列車番号や乗車車両を記したメモを、係員に手渡すのが最も妥当な方法かと思います)

一部駅に設置された自動券売機も、ICカードになっている人民身分証が必須で、観光で訪れた非居住外国人が利用できないのは痛手です。
(この機械は乗車券購入だけでなく、空席照会にも活用でき、この機会で空席のある列車を見つけてから窓口へ足を運べば、長い行列に並んでようやく自分の番が訪れ、乗車列車を伝えたら「没有」と言われて追い返されるリスクが軽減できるメリットはあるのですが…)

CRHは一般列車に比べて運賃が割高(それでも2等座(普通車相当)であれば、日本のJR普通運賃より割安です)な上に、CRH運行区間では列車本数がそこそこ確保されている事が多く、乗車前日や当日でも空席のある列車が多数存在しますので、CRH運行開始前の中国鉄路の状況を知る身としては、中国の列車にしては随分乗車券が買い易い印象があります。
(長距離寝台列車などは、乗車券売場にある乗車券発売状況を示す電光表示で、発売開始当日でも寝台車は「無」のオンパレードになっている事が当り前の状況で、当日の列車などは硬座の無座すら「無」になっている事もあります)

CRHがなければ、今回の旅行自体が成立しなかったと感じる程で、中国鉄路も随分便利で快適になったと感じますが、それでも日本の新幹線の様に思い立ったら「すぐ買ってすぐ乗れる」状況ではありません。

最高速度こそCRHの方が上ですが、乗り易さ・正確さの面では、日本の新幹線には遠く及ばない印象があり、ハード面で幾ら最先端の技術や設備を導入しても、それだけでは便利な高速鉄道とは言えず、ソフト面での改善が今後の課題と感じます。


・座席

新幹線タイプ(CRH2)は、座席はおろかモケットまでE2系そのものを採用しており、2等座では座面スライド機能も装備しています。

他の車両では座面スライド機能こそないものの、CRH2の座席は評判が良好で、中国鉄路も気に入ったのか、1等座・2等座共に他車種でも一部を除き、ほぼ同レベルの回転式リクライニングシートを装備しています。

そのため日本の新幹線やJR在来線特急と遜色ないレベルと感じる車両が大半で、ほぼフランスTGVそのものの車両を走らせ、一般席(普通車相当)では狭い上に、方向転換不能な座席で不評を買っているKORAILのKTXと比べると、居住性の面ではCRHに軍配が上がります。

ただCRH2がE2系ベースである事や、輸送力確保が至上命題と言う事もあってか、CRH2やほぼ同等の座席を装備する他車種2等座のシートピッチは、東海道・山陽新幹線普通車よりはやや狭く感じます。

またMAKIKYUが広東省の広州~深センで乗車したボンバルディアタイプ(CRH1)は、硬座車より若干マシといった雰囲気の方向転換・リクライニング機能なし座席となっており、この車両の座席は他車両に比べて見劣りが否めません。
(見た限りでは、1等座でも他車種の2等座より見劣りする雰囲気でした)

各車両共に1等座(グリーン車相当)もあり、こちらは2+2列配置で2等座よりゆったりとしているものの、MAKIKYUが乗車した限りでは物凄く豪華な印象とは言い難く、新幹線N700系の山陽~九州新幹線直通用車両や、山陽新幹線の700系「レールスター」指定席車によりやや上等と感じる程度です。

とはいえ在来線区間を走る区間が長い列車も多く、「D~次」の列車番号が付与されているCRHの中では格下の列車(列車によっては、途中駅で「G~次」の列車に追い抜かれる事もあります)では、1等座と2等座の価格差が少ない列車・区間もあり、この場合は結構値頃感があります。


一部の列車には1等座の更に上を行く「商務座」も連結されており、MAKIKYUは乗車していないものの、こちらは東北新幹線E5系の「グランクラス」並みのシェルタイプ1+2人席が並んでいます。

物価の割にはかなり高額な事(日本の新幹線普通車利用に匹敵するレベルです)もあって、見た限りではガラガラ、乗りたい列車の2等座や1等座が満席の時や、資金に余裕があって極上の旅をしたい方などは、こちらに乗車されるのも悪くないかと思います。


・車内設備と食事情

車内設備は概ね日本の新幹線レベルといった印象があり、MAKIKYUが乗車した限りでは、各列車でワゴンによる車内販売も行っていましたが、日本と同様に飲料水などは市価より割高な価格設定です。

在来客車と同様に、CRHでも各車種共に給湯設備を備えている辺りは中国的で、お茶を飲んだり、方便面(カップラーメン)を食べる為に利用する乗客の姿をよく見かけます。

またブッフェや食堂などの設備を備えている辺りは、日本の新幹線と比べると羨ましい限りで、8両編成のCRH2でも、半室・テーブル4机と
カウンターを設けた空間が設けられています。

車内では弁当の販売も行っているものの、長距離客車列車の様に車内で調理した弁当を販売するのではなく、予め調製した弁当を積み込むか、レンジで加熱するタイプの弁当となっています。

販売価格も概ね25~40元程度(写真の弁当は35元)と、客層を見越してか長距離客車列車より割高に設定されており、列車の乗り心地だけでなく、車内の物販価格まで日本に近い印象があるものの、それでも結構弁当を買い求めている旅客の姿を見かけました。

またMAKIKYUは乗車機会がなかったものの、CRH1とCRH2の一部は、両先頭車を除いて寝台車(軟臥・2段ベッド)となっている編成も存在しており、以前温州南駅付近で発生した追突事故の際に損傷し、事故廃車となったCRH2はこのタイプです。

MAKIKYUが乗車した各列車の乗車記や、車両毎の詳細に関しては、追って別記事で取り上げたいと思います。



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13 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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はじめまして。 (Yu)
2012-08-12 08:11:39
 突然このようなコメントをいたしますことをお許し下さい。

 この度初めて中国へ伺うことになりまして、インターネットで情報収集しておりましたところ、「中国 高速鉄道」の検索ワードでこちらのblogを訪問させていただきました。高速鉄道に関する大変仔細かつ明快なご説明に、心より感謝申し上げます。
 
 そこで失礼を承知で、伺いたいことがございます。今月の20日または21日に、青島駅発上海駅行きの高速鉄道に乗車する予定ですが、二等席の乗車券は現地に着いてから(19日)、乗車日の前日あるいは前々日に、駅や街中の乗車券販売所で購入しても、果たして間に合うのでしょうか。

 周りに中国の鉄道事情に明るい者がおらず、大変恐縮ながらご質問させていただきました。ご回答いただければ幸いに存じます。
返信する
追記 (YU)
2012-08-12 08:16:05
 「現地」は青島のことです。
返信する
どうしても直通列車と言う事になると… (MAKIKYU)
2012-08-12 12:17:10
Yu様はじめまして、管理人MAKIKYUです。

中国初訪問で青島へ向かい、その後上海へ向かわれるとの事ですが、青島へは下関からのフェリーで入られるのでしょうか?

ところで高速列車(CRH)の乗車券購入に関してですが、運賃の高さもあって一般列車よりは買いやすいものの、乗車直前などは売り切れになっている事が多いです。

青島到着後すぐに駅へ向かう事が出来るのであれば、早めに駅へ向かい乗車券を購入した方が良いと思います。
(乗車券発売も、大抵駅舎に隣接した乗車券売り場での販売となっており、結構混雑していて10~20分程度列に並ぶ事はザラです)

また青島~上海(上海虹桥)間を直通運転する列車(全列車済南経由)は、1日4往復しかありませんので、乗車希望日に各列車共に満席という可能性もあります。
(以下は青島~上海(上海虹桥)間を直通運転する列車の、車次(列車番号)と時刻(青島発-上海虹桥着)です)

G224/G221 0656-1334
G232/G229 0926-1612
G228/G225 1355-2026
G236/G233 1635-2311

上記4本の列車が全て満席の場合は、青島から一旦山東省の省都・済南(Jinan)へ向かい、済南から上海へ向かう方法も検討された方が良いかと思います。

ちなみに青島~済南間は約400km、同区間は青島~上海虹桥間の列車以外にも、青島~済南間のみを運行する列車や、北京・天津へ向かう列車などもありますので、結構な本数が確保されています。

済南~上海(済南西~上海虹桥)間も、北京~上海(北京南~上海虹桥)間の高速列車が頻発していますので、余程の事がない限り、これらが前日の段階で全て満席と言う事はまずないかと思います。

ただ青島~済南間の高速列車は、大半の列車が済南駅発着となっているのに対し、北京南~上海虹桥間の列車は、郊外の済南西駅発着となりますので、済南市内で移動を要する事になります。

青島→済南間を運行する高速列車で、済南西駅発着となる列車も朝夕に3本、他に昼間に青島→北京南へ向かう列車で済南西駅に停車する列車もありますので、中国に不慣れな状況で、どうしても青島~上海間を済南乗り換えで当日中に移動したい場合には、なるべく済南西駅発着の列車を選んで下さい。

済南の市内中心部(済南駅など)から済南西駅への公共交通は、現状では路線バスのみの様です(こちらは済南を通った事はあるものの、通り過ぎるだけで街中を動いた事はないのですが…)ので、済南駅~済南西駅間を移動する場合は、乗り換えで充分な余裕を見て下さい。

日程に余裕があり、済南で1泊して上海へ向かう旅程でも差し支えない様でしたら、最初から青島~済南・済南(済南西)~上海(上海虹桥)の2区間で高速列車を利用する計画を立てておくのも悪くないかと思います。

あと列車の時刻に関しては、以下のサイトで検索できますので、もし良かったら参考にして下さい。

中国铁路网(中国語のみのサイトです)
http://www.tielu.org/
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迅速かつ丁寧なご回答に感謝申し上げます。 (Yu)
2012-08-12 15:06:52
 青島までのルートは仰る通り、下関からオーシャンフェリー「ゆうとぴあ」で伺う予定です(国際フェリーもこれが初体験です)。

 鉄道乗車券は、青島に着き次第なるべく早くに駅か街中の券売所に向かいまして、購入したく存じます。
 そして、MAKIKYU様のご説明を要約いたしますと、

  第一候補:青島~上海間直通
  第二候補:青島~済南→バスで移動→済南西~上海
  第三候補:青島~済南→済南市内で一泊→済南~上海

上記のようになるかと存じますが、もし青島駅発済南駅行きの列車に乗り、終点の済南駅で降りた場合、同じ済南駅からは上海駅行きの列車に乗り換えることはできないということなのでしょうか。

 また、もう一点是非とも伺いたいのですが、乗車券は、駅と街中の代理販売店とのどちらで購入した方がよろしいでしょうか。お恥ずかしながら中国語がまったく話せず、その上異国での非日常的状況がもたらしうるプレッシャーも鑑みて、駅での購入に躊躇しております。もし乗車券の取れる確実性が同等であれば、手数料が掛かってでも街中での購入を希望いたしますが、いかがでしょうか。

 あつかましいかとは存じますが、ご回答いただければ幸いです。
返信する
訂正 (Yu)
2012-08-12 15:31:29
 第三候補:青島~済南→済南市内 で一泊→済南”西”~上海

の誤りでした。申し訳ございません。
返信する
済南市内のCRH発着駅は… (MAKIKYU)
2012-08-12 20:43:23
Yu様こんばんは。

青島~上海間でCRHを利用して移動する場合、青島からの上海虹橋行きが確保できない場合、次善の策として済南乗り換えを候補として…というのはコメント通りです。

ただ青島~済南間のCRHは大半が済南駅発着とはいえ、済南西駅発着列車が3本あり、他に済南西駅に停車する北京南駅行きが2本ありますので、上海虹橋行きが満席でこちらが確保できる場合、この列車を利用すれば済南市内でのバス移動なしで済みます。

上海・済南西発着双方共に、乗車希望日が満席だった場合、第3候補として青島~済南・済南西~上海虹橋での移動を検討して下さい。

ちなみに済南市内のCRH発着駅についてですが、北京南~上海虹橋間を運行する高速列車は多数運行(毎時3本程度・大半が済南西に停車)しているものの、この列車は在来線とは別の高速線を運行しており、この高速線は済南市郊外を通るために、発着駅が郊外の済南西駅となっています。

済南駅から上海へ向かうCRHは、青島方面からの上海行きが停車し、空席があれば同駅からの利用も不可能ではありませんが、青島から満席の場合でこちらが利用可能な可能性は低く、本数自体も限られます。

青島発着のCRH以外で、済南駅から上海へ向かう場合は、一般列車の利用となり、運賃こそ安いものの、所要時間はかなり余計にかかります。

この列車も乗車前日や当日に寝台を確保する事はかなり厳しく、硬座以外の選択嗣がない状況(それも座席完売で「無座」の可能性大です)になっている可能性が高い上に、設備的に長時間乗車には適さず、無座と呼ばれる立席客も多数乗車して大混雑する事もしばしばで、車内環境も良好とは言い難いものです。
(硬席は2+3列の狭いボックス席が並び、グレード的には日本の普通列車よりも遥かに劣ります)

どうしても済南駅から乗車したい場合や、運賃の安い列車に乗りたいといった場合以外はオススメできません(特に中国初心者の場合)ので、済南から上海へ向かう場合は、済南西駅からの乗車した方が妥当かと思います。

乗車券購入に関しても、こちらも中国語会話は全くできませんので、乗車券購入時には乗車日や区間、希望座席と枚数を記した紙片を係員に手渡して購入しています。

第1候補が満席の事も考慮し、候補列車が「没有」の時は、第2候補を記した紙片を係員に手渡し、それもダメなら第3候補…といった形で乗車券購入に挑んでいますので、予め必要事項を記した紙片を幾つも作成しておけば、会話が出来なくても何とかなるかと思います。

(こちらが乗車券購入の際には、以下の様な事項を記して係員に手渡していますので、もし良かったら参考にして下さい)


8月21日
G232/G229次
青島→上海虹橋
2等座 1張


(~次(車次)は列車番号、~張は乗車券購入希望枚数です)

青島では駅の乗車券売り場に、英語対応可能な窓口があるか否かは分かりませんが、もし英語対応窓口があれば、簡単な英語を交えて乗車券を購入する事もできますので、こちらを利用するのも一つの方法です。
(もし第1候補が「没有」の場合、英語窓口であれば、「tomorrow other train」「first class」程度の片言は通じるかと思います)

またCRHが発着する主要駅の乗車券売り場では、自動券売機も設置されており、購入時に人民の身分証明書(ICカード)を必要とするため、外国人の乗車券購入はできませんが、この機械で予め空席を確認してから窓口に並ぶか、乗車券売り場に設置されている残席有無を案内する電光表示で空席を確認(中国語での表示ですが、漢字ですので表示内容は理解できると思います)してから購入の列に並べば、「没有」で追い返されるリスクは大幅に低くなります。
(稀に列に並んでいる間に、乗車券が丁度売り切れになってしまう事もあるかと思いますが、乗車券発売当日(10日前)の人気列車や、乗車当日の発車時間が迫っている列車を除けば、可能性はかなり低いと思います)

街中にある乗車券売り場の利用も、もし売り場の近くに立ち寄る機会があれば、駅の乗車券売り場よりは空いているかと思いますし、500元超のCRH乗車券購入で手数料5元程度ですので、利用するのも悪くないかと思います。
(さすがに10元を下回る様な、一般列車の硬座や無座となると、とても利用する気にはなれませんが…)

青島駅での乗車券売り場での購入も、個人差はあるかと思いますが、敬遠する程ではないかと思いますし、中国語での会話を要さず、購入前に残席の有無を確認する手段が幾つも存在するといったメリットもありますので、列車乗車前に青島駅周辺へ足を運ぶ機会があれば、こちらでの購入も悪くないかと思います。

(お断り)
少し前のコメントで、「上海虹桥)」と文字化けが生じていますが、この文字化け部分は「橋」の簡字体で、このコメントでは簡字体が表示できないため、「上海虹橋」と表記しています。
返信する
度々のご返信に感謝申し上げます。 (Yu)
2012-08-14 09:41:13
 コメントをお返しするのが遅くなりました。(旅行の準備に追われ、あわただしい日々が続いております。)

 済南駅ー済南西駅間の乗り換えの件で、誤解がございましたようで失礼いたしました。総括いたしますと、以下のようになるのでしょうか。(自信はございませんが…)

  ①青島駅~上海虹橋駅の直通CRH
  ②青島駅~済南西駅、または青島駅~済南西駅経由~北京南駅のCRHで済南西駅下車、同駅で北京南駅~上海虹橋駅のCRHに乗り換え
  ③青島駅~済南駅のCRHで済南駅下車、バスで済南西駅へ移動(あるいは市内で一泊してから)、北京南駅~上海虹橋駅のCRHに乗車
  ④青島駅~済南駅のCRHで済南駅下車、同駅で北京南駅(?)~上海虹橋駅の一般列車に乗り換え

④の一般列車の存在は、他の方のブログ等のサイトを通じて従前見知っておりましたが、MAKIKYU様のご助言の通り、私もこれに乗るのは憚れます。ですので、①~③のどれかのルートで辿り付けるよう祈りつつ、青島へ伺いたく存じます。

 ところで、済南西駅は郊外に位置するとのことで、その確認のためにgoogle mapとbaidu地図とで検索いたしますと、それぞれ異なる位置が表示され(baiduにはあってgoogleにはない線路があるのです)困惑しております。どちらが正しいのか、教えていただけないでしょうか。(ちなみに「地球の歩き方」ですと、済南駅~済南東駅周辺の地図しか載っておりません。)

 また、乗車券購入場所の件ですが、MAKIKYU様のご提案の通り、青島駅での直接購入にいたします。一度青島駅へ足を踏み入れておけば、乗車日に駅へ伺う際は二度目ということで、若干ではございますが、緊張を分散させられるのではないかと想像したからです。①~③のルートのメモをすべて予め用意し、まず自動券売機で座席の有無を確認してから、窓口へと向かいたく存じます。

 ご多忙の中恐縮ですが、済南西駅の位置の確認の件、よろしくお願い申し上げます。
返信する
済南市地図の件は… (MAKIKYU)
2012-08-15 01:09:01
Yu様こんばんは。

青島~上海(虹橋)間列車(CRH)の件ですが、候補は第1希望から順にコメント①~④の通りです。

④は居住性に問題があるばかりでなく、③よりも乗車券手配が手間取るかと思いますので、余程の事情がない限りは、避けた方が懸命かと思います。

①か②で行ければ特に問題ないのですが、もし③での移動を迫れるとなると、不慣れな状況では少々厄介ですね。
(②の青島~済南西はD**次の列車で、満席時でも無座(立席)票が発売される可能性が高いですので、①がダメでもこちらは何とかなる可能性が高いとは思いますが…)

済南市のHPにもアクセスし、地図や公交(路線バス)を検索してみましたが、地図上の済南西站表示はBaiduと同様でした。

確証はありませんが、Baiduが正解の可能性大、googleで表示されない線路が恐らく北京~上海間の高速鉄道かと思います。

ただ路線バスの検索では、一応火車站(済南站)~済南西站間を直通する路線も存在する模様で、Baiduとgoogleそれぞれの位置で「済南西站」がヒットし、駅自体もかなり大規模ですので、ロータリーなどが複数存在している可能性もありです。
(こちらは列車で通っただけですので、詳しくは分からないのですが…)

もし済南站から路線バスで済南西站へ向かいたい場合は、念のために済南西站(高鉄)と記したメモを見せるなどした方が無難かと思います。
(高鉄は高速鉄道(CRH)の事です)

また中国の大都市では、大抵駅前の売店や地図売りなどが、市内地図を売っており、5元程度(若干の価格差あり)で市内路線バスの情報も網羅するなど、結構詳細で役に立ちますので、現地で地図を入手すれば何とかなるかと思います。

あと日本円で数百円単位(現地物価を考えると、決して安いとは言い難いですが…)の出費を惜しまないのであれば、タクシーの利用を検討しても良いかもしれません。
返信する
度々のご返信どうもありがとうございます。 (Yu)
2012-08-15 07:51:21
 ②青島~済南西の列車は、無座(立席)票が発売される可能性の件、承知いたしました。

 また済南西駅の位置の件も、承知いたしました。バス乗車時にもメモを常に携帯し、最悪タクシーでの移動も考慮に入れておきます。

 大変恐縮ですが最後に一点だけ、伺ってもよろしいでしょうか(不安が払拭できず…)。CRHの乗車券は、その駅発のだけでなく、他の駅発のそれも購入できるのでしょうか。この場合は青島駅にて、②や③の済南西駅発の列車の乗車券もまとめて購入できるか否かということです。

 お手数をお掛けいたしますが、ご回答いただければ幸いに存じます。
返信する
システム上は可能ですが… (MAKIKYU)
2012-08-15 17:36:53
Yu様こんにちは。

青島~済南西間のD**次CRH(第2候補)の券ですが、満席時の無座票発売は、可能性があるという程度に考えておいて下さい。
(第3候補の青島~済南間CRHの場合も同様です。)

また中国の異地票(出発地と異なる駅・都市からの乗車券)購入ですが、一応システム上は可能になっています。

こちらも北京南~南京南間CRHと乗り継ぎで利用する南京南~漢口(武漢)間のCRH乗車券や、深セン~上海南間特快の寝台(硬臥)乗車券を、北京市内の駅で購入した事がありますが、異地票を発券できる事を知らない・嫌がる係員も居ますし、繁忙期などに発売制限を行う事もありますので、異地票は確実に購入できるとは限らないのが現状です。
(異地票を発券できないと却下する係員が居ても、他の窓口に並び直せば購入できる可能性もあり、CRHは他都市発着でも一般列車より異地票の発券可能性も高い様です)

こちらが北京で深セン~上海南間の寝台乗車券を購入した際も、乗車券売場のインフォメーションで異地票購入の可否について問い合わせたら、英語窓口へ行くように案内され、この窓口で交渉して第4希望の列車をようやく購入できた状況です。

また異地票(乗り継ぎや全く異なる土地の列車だけでなく、目的地からの復路で戻る場合も含めて)を購入する場合は、仮に購入できても5元の手数料を要する場合もあります。
(こちらが北京で購入した異地票も、南京南~漢口間CRHは手数料を要さなかったものの、深セン~上海南間の寝台乗車券は、所定運賃・料金の他に5元の異地票発券手数料が課されています)

日本のJRの様に窓口や機械がある所ならば、企画乗車券や特殊な割引運賃などを除く指定券類が、何処の駅でも同じ様に買える状況とは言い難く、異地票は窓口で交渉して購入できれば幸運という程度に考えておいて下さい。

ただ青島~済南西or済南のCRHが確保できた場合、その先済南西~上海虹橋間CRHはかなり頻発しています。

当日乗車前に購入する場合でも、至近列車が満席で2~3本後の列車に乗車する可能性は充分考えられるものの、全列車の各等級共に満席で全滅と言う事は、大規模な輸送障害や災害等で停運が相次ぐ事態にでもならない限り、まず考えられません。

そのため無理に青島で上海虹橋までの乗車券を買わなくても、済南西駅で再び乗車券売り場に並び、購入する手間を除けば、特段の支障はないかと思います。

済南西駅で乗り継ぎとなる場合、日本の様に他のホームへ移り、すぐ乗り換え出来る保障はなく、一旦出場して駅入口へ廻り、更に列車別に指定された検票口で改札を受ける事になりますので、列車の遅延リスクなども考慮し、乗り継ぎで2枚の乗車券を用意する場合は、充分な乗り換え時間を確保して下さい。
(確証はありませんが、概ね1時間程度かそれ以上の余裕を見ておけば、余程の事がない限りは大丈夫かと思います)

あと乗車駅以外での乗車券購入も、同一都市内の他駅で購入する分には、異地票扱いにはならず、乗車駅での購入と同等の扱いですので、済南西駅発の乗車券を、済南駅や済南東駅で購入するのは全く差し支えありません。
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