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JR東日本 201系電車「四季彩」(車内編)

2009-05-23 | 鉄道[首都圏・JR]

 

通勤型車両を観光向け展望電車に改造したJR東日本201系の「四季彩」ですが、この車両は展望電車という特殊性もあって、外観だけに留まらず車内も非常に特徴的なものです。

交換された窓枠は、最近のJR東日本新形式各車両などで見られる四隅の丸いモノとなっており、この窓枠周辺は化粧板(奥多摩方1両の折り畳み座席を装備した車両は、他と異なるものが用いられています)をはじめ、荷棚も交換されています。

その一方で窓枠が原型のまま残存している側に関しては荷棚はおろか、化粧板すら交換されていない有様で、車内に関しても非常にアンバランスな状況になっていますので、改造も展望電車として特有の座席配置を採用した事を除くと、最小限度に留めたのでは…と感じたものです。

座席は側面がほぼ原型のままといった2段窓側こそ、既存のロングシートが存置され、こちらは座席モケットの交換や、袖仕切り部分への透明アクリル板(イラストが描かれています)が取り付けられた程度ですが、窓枠を交換した側の座席は、外観に劣らず原型とは大きく姿を変えたものとなっています。

窓枠を交換した側の座席は、東京方3両はドア間に4人向い合わせのボックス席を2ボックス配置したもので、その座席は房総方面の113系をはじめ、首都圏やその近郊で活躍する国鉄型近郊形電車の一部で見られる形態のもので、グループでの行楽などには最適な印象も受けますが、20m4ドア車のドア間に2ボックス(計8席)は少々狭く感じたものです。

そして奥多摩方1両だけは窓側を向いた折り畳み式座席となっており、この座席は通常の鉄道車両ではなかなか見かけない上に、展望電車ならではという感がありますので、「四季彩」への乗車機会があれば是非一度はこの座席に座ってみたいと感じさせるものですが、この座席は配列上の都合もあって座席数が非常に少ないのが難点です。

また窓枠を交換した側の座席脇は、既存のロングシートを撤去した部分をテーブルとしており、このテーブルは荷物棚(余り大きな荷物は入らないのですが…)となっているのも特徴ですが、このテーブルのお陰で折り畳み式座席に座った際は足元が非常に狭く感じると共に、ボックス席を装備した車両も通路幅が狭くなるなど、余り有難くない存在の様に感じたものです。

このテーブルはドアエンジンやヒーターの取り付け場所を動かさず、大規模な改造が生じない様に配慮しつつも、元々ロングシートがあった部分がデッドスペース化してしまうものを活用するアイディアとも言え、最近某大手私鉄に登場したロングシート通勤型車両改造の展望電車(現物は乗車はおろかその姿すら見ておらず、雑誌等でその様子を伺っただけですが…)も同種のテーブルが見受けられる事から、比較的古い通勤型車両を改造した車両ならではの独特なものと言えます。

この様に改造電車ならではの苦心店が見受けられると共に、「四季彩」特有の座席に関しては異色感こそあるものの、2形態の改造座席はどちらも足元が狭く感じられ、快適性という観点では今一つという印象を受けたものです。

その上種車が純然たる通勤型電車であるだけに、トイレの装備もありませんので、長時間の乗車にも不適と言え、時折設定される臨時列車などで比較的乗車時間の長い列車に乗り続けるのは少々厳しいのでは…と感じたものです。

とはいえ「四季彩」は主に青梅~奥多摩間の普通列車での充当となっており、展望電車とはいえ普通運賃(同区間では320円)のみで乗車できる事は評価できるもの(某大手私鉄で最近試験運行を開始した通勤型改造の展望電車などは、普通運賃の他に別途料金の追加が必要です)で、定期普通列車扱いとしてであれば難点も見受けられるとは言え、そこそこ評価できる車両なのでは…と感じます。

また都心からさほど離れていないエリアにも関わらず、山間の鄙びた雰囲気を楽しめる反面、車両はその雰囲気とは不似合い過ぎる車両ばかりで、車両面では味気ない印象が強い青梅線末端部の車両バラエティに彩を与える存在とも言え、201系自体が首都圏では数少ない存在になっている事などを考えると、非常に注目すべき車両の一つと言えます。

特殊用途の車両とはいえ、首都圏では201系が次々と淘汰されている現状では、いつまで活躍ぶりが見られるのかも気になるものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も青梅線末端部へ足を運ぶ機会がありましたら、是非展望電車「四季彩」に乗車してみては如何でしょうか?



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