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川崎市内でまたも脱線事故発生~今度は回送列車とはいえ…

2014-02-23 | 鉄道[首都圏・JR]

今月は首都圏では異例の積雪を記録し、各地で積雪による被害などが多発した事は、ご存知の方も多いかと思います。

この積雪の影響で東急東横線では車両のブレーキが利かず、川崎市内にある元住吉駅で列車同士の衝突事故が発生した事も、ニュースなどで盛んに報じられましたので、ご存知の方も多いかと思いますが、今日ネット上のニュース記事を見たら「川崎で列車脱線」という記事が目に付き、また川崎で列車脱線か…とも感じたものでした。


今度の事故は今日の朝1時過ぎ、JR川崎駅において京浜東北線の回送列車(10両編成)と工事用車両が衝突、回送列車の前方車両が横転したもので、この影響で現在も京浜東北線の事故現場周辺(蒲田~川崎~鶴見間)は不通、それ以外の区間でも列車本数減便といった影響が生じています。
(写真は現在京浜東北線で活躍しており、事故車両と同型同色のE233系電車です。)

事故を報じるニュース記事などに添付された写真を見ると、車両が横転した事もあり、先日元住吉駅で発生した衝突事故以上の大事故になっていたかも…と思うと恐ろしい限りです。

横転した列車は回送列車で旅客乗車が皆無だった事に加え、対向列車などを巻き込む事もなく、現在報じられている限りでは乗務員の怪我も軽症で済んでいる模様、そして事故発生が日曜日の未明で、平日の通勤ラッシュにおける混乱を起こさずに済んでいる事は、せめてもの不幸中の幸いと感じます。

今回の事故は列車運行終了後、線路閉鎖を行って入線するはずの工事用車両が、ニュース記事で報じられている限りでは、列車運行終了前に本線へ入線したという、事故原因としては極めて初歩的な部分での誤りによるものの様です。

MAKIKYUは鉄道車両の運転免許(動力車操縦者運転免許)は、無軌条電車(トロリーバス)など、以前は特定の条件が揃えば申請するだけで取得出来たものしか所持しておらず、実際の鉄道車両運転に関しても、短距離の気動車体験運転程度ですが、鉄道車両は低速での体験運転でも「決められた進路を外れる事が出来ない」上に、「停車しようと思って制動(ブレーキ)操作を行っても、すぐには止まれない」といった特性を痛感したものでした。
(これらの特性が一方では大量輸送における定時制確保や、低エネルギーでの輸送実現にも繋がっているのですが…)

前方に本来は居ないはずの工事用車両などが在線しているのを確認しても、余程低速で運転していたか、直線区間で遠くから見晴らしが利く状況でもない限りは、事故回避は困難(その代わり営業用車両では大抵ATSなどの装備があるのですが…)で、事故に遭遇した乗務員の方にとっても、かなり気の毒な事故かと思います。

この事故は事故原因が完全な人的ミスであるだけでなく、一歩間違えれば旅客乗車中の営業列車で乗客の多数負傷や死亡者発生、更には対向列車を巻き込んだ多重衝突事故となり、JR史上最悪の事故となった宝塚線(福知山線)脱線事故をも越える状況になっていてもおかしくない事案と感じます。

JR側には同種事故を再度怠起しない様に、線路閉鎖を伴う工事用車両入線時における連絡手順の徹底を強く願うと共に、再び同種の事故が発生した報を聞かずに済む事を願いたいものです。



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4 コメント

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従業員の士気低下か (6994)
2014-02-23 20:51:41
 JR北海道は不祥事の果てに刑事告発されましたが、東日本においても今回の事故を見ていると、現場の荒廃が進んでいることを実感せざるを得ません。国会答弁のように、再発防止に全力を尽くしますなどと綴っている程度では済まされない事態だと思います。国鉄改革以前に、JRグループの将来を悲観視した意見では、従業員の士気低下による事故頻発が現実化してきたのでしょうか。
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今回は請負先のミスとはいえ… (MAKIKYU)
2014-02-23 23:14:53
6994様こんばんは。

今回の京浜東北線脱線は、請負先のミスが主因ですので、乗務員や駅係員と言ったJR側現業係員に責任が生じる事案ではありませんが、JR側も請負先に丸投げ状態で係員を立ち合せていない事が報じられていますので、上層部の管理が不充分だった事が、事故を怠起した一因と言っても過言ではない気がします。

請負先のミス自体も大問題ですが、人間はミスを犯す事もある事を前提に、仮に何らかのミスがあってもそれを補えるよう、幾重ものフェイルセーフ策を講じる事も重要と感じます。

今回の事案を踏まえた再発防止策としては、保守車両もATCやATSなどで感知できる仕組みを構築したり、線路閉鎖を伴う工事では電話連絡だけでなく、必ずJR側職員の立会いを行うといった施策が講じられれば、同種事故の発生は防げる公算が高いかと思います。

ましてJR東日本は、日頃の車両や軌道のメンテナンスもままならない経営状況ではなく、余目事故の際には多額を講じてレーダー設置まで行った前例もあり、それに比べれば上記の施策位は実現させるのもそう難しくない気がしますので…
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やっぱり東日本らしい (赤い電車)
2017-07-12 18:05:35
あちこちの過去記事にすみません。
いくら請負に丸投げとは言え、東日本側に何の落ち度がないとは言えません。
元受けと請負は業種によっては主人と奴隷のような状況ともいえるので、安易にコストカットを要求した上で請負側も苦肉の策でおざなりになった結果だとしたら…元受け側は決して認めないとは思いますが(笑)
しかも仰る通り元受け側が立会無しとは、そこまでコストカットに努力したいんですかねぇ?
あちこちで言われるように「本業」をおろそかにした結果なら本末転倒です。
それにしても脱線事故の状況を見ましたが…あの惨状は…我々は日々棺桶を利用してるんでしょうか。
これが営業時間内だったらスイカはあの世でタッチする羽目になるんですかね。
(発言が過激で申し訳ないです。どうも私は銀色が基本的に好きではないようで)
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管理の不備が現れている気も (MAKIKYU)
2017-07-19 10:48:23
赤い電車様こんにちは。

最近のJR東日本は北海道よりはまだマシな気がするものの、重大インシデントが幾つも発生しており、この事故も一歩間違えれば第2の鶴見事故になっていた事を踏まえると、運が良かったという面もあると思います。

しかしながら多数の一般列車だけでなく、会社の威信をかけて鳴り物入りで登場した四季島でも何度も故障を惹起するなど、会社全体の安全意識や意思疎通などに問題がないのか…と感じる事もしばしばです。

他業者に一部業務を委託したとしても、元受けとして責任を問われる事案ですので、組織が大き過ぎて管理が末端まで行き届いていないのでは…と感じる事も多々ありますが、何か大きな事故などがあれば資金力で解決すればよいという考えに陥っていないのかも気になります。

また増収を重要視するのであれば、一部区間の運賃を最大10円上げてきっぷ運賃がIC運賃よりも安くなる区間をなくしたり、途中下車や分割購入で安くなるパターンを減らすなど、やるべき事が多々あると思います。

この様な所に手が届いていない辺りも、会社の不徹底ぶりが表れていると言わざるを得ない気がしますが、組織が大き過ぎて意思決定だけでも容易ではない事が災いしている面もあるのかもしれませんね。
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