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沖縄の路線バス・120番~2社共同運行の長大路線

2013-08-20 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが4月に沖縄本島へ足を運んだ際には、島内の公共交通機関は那覇市内を走るゆいレール(沖縄都市モノレール)を除くと、専ら路線バスと言う土地柄だけあって、幾つもの路線バスに乗車していますが、その中で最も乗車距離・時間の長かった路線が120番でした。


120番は名護西空港線という路線名も付いており、那覇空港~那覇バスターミナル~(国道58号線)~名護バスターミナル間を結んでおり、早朝・深夜などは那覇方で那覇バスターミナル発着となる名護西線(20番)も運行、両者を合わせて概ね毎時2本程度の便が確保されています。

全長70km程度の距離を、一般道路(国道58号線)の各停留所に停車して運行していますので、那覇空港~那覇バスターミナル~(沖縄自動車道)~名護バスターミナル間を結ぶ高速バス(111番)に比べると、所要時間はかなり長くなり、全区間を乗り通した場合の乗車時間は、運行予定表通りの運行でも片道2時間半を超えます。

那覇バスターミナル~名護バスターミナル間を、コザ・安慶名・石川などを経由して運行している名護東線(77番)に比べると、所要時間や運行距離は若干短くなりますが、どちらも路線バスにしては長大路線である事に変わりはなく、全国的に見ても一般路線ではかなりの長大路線です。

MAKIKYUが4月に那覇~名護間を移動する際には、それでも敢えて120番を選んで乗車しています。


これは利用日が土休日で、第一交通産業グループ(琉球バス交通・那覇バス)が高速バス(111番)を除く一般路線全線で通用するフリー乗車券(2000円)を発売しており、この乗車券を利用するとなれば、沖縄バスが運行する77番や、利用対象から除外されている高速バス(111番)は利用対象外になる事が大きく、120番で那覇空港~名護バスターミナル間全線を乗り通すと、片道で1940円(写真は120番バスが終点・名護バスターミナルに到着した際の運賃表示です)になる事を踏まえると、フリー乗車券通用日の120番利用価値はかなり大です。

ちなみに120番・20番の運行は「共同運行」となっており、各バス停に掲出されている時刻表では、琉球バス交通の時刻表に (共同運行) と記されているだけ、利用者側はバスが来るまでどの会社のバスが来るか分からない状況ですが、琉球バス交通と沖縄バスの2社共同運行となっています。
(沖縄では名護以北の各路線(北部支線)をはじめ、中南部でも那覇~糸満間の89番などが琉球バス交通・沖縄バスの2社共同運行となっています)

この2社共同運行路線では沖縄バス運行便でも、琉球バス交通と那覇バスで発売している土休日フリー乗車券は通用しますが、沖縄バスでは発売を行っておらず、また同一区間でも共同運行系統以外のバスで土休日フリー乗車券は通用しませんので要注意です。


そしてMAKIKYUが那覇空港から乗車した名護バスターミナル行きは沖縄バス運行便、フリー乗車券を所持していると、どうしても第一交通産業グループのバスを利用する機会が多くなりますが、個人的には三菱車が好みと言う事もあり、フリー乗車券で専ら三菱車を走らせている共同運行系統の沖縄バス運行便に当たると、充当車両にもよりますが、個人的には少し得した気分になります。
(120番では共同運行ながらも、琉球バス交通運行便比率がやや高めになっている様です)


充当車両はかつて首都圏大手事業者の特定輸送で用いていた大型トップドア車、窓割などは古株車両とは異なるものの、沖縄の郊外線における標準仕様に近いグレードを誇っており、2人がけのハイバックシートがズラリと並ぶ着席重視仕様の車内は、片道2時間半以上に及ぶ長大系統に用いる車両に相応しいと感じます。

元が特定輸送用車両車両だけあり、一般路線車に比べると事業者の独自仕様が見受けられる部分は少なく、まして一般人の乗車機会は…という状況ですが、沖縄バスとは異なるサイズのスターフ入れや、灯火類の球切れを確認するランプチェッカーなどは、元事業者の
路線車にも共通する特徴です。

三菱製大型路線車を主力としており、現在エアロスターだけでも4桁台走らせている元事業者では、ギア比が加速仕様となっており、走行音や変速タイミングなどが標準仕様と大きく異なりますので、そのお陰で個人的には非常にお気に入りの乗り心地が存分に堪能できたものです。

ただかつてこの車両は高速バス(111番)に充当された事もある様ですが、加速仕様で一般道路での運行に最適化された車両ですので、高速道路での高速走行には余り適さない様で、この事もあって120・20番へ転用された様です。

名護西線は長大路線にも関わらず、当然ながら一般路線だけあって車内にトイレは設置されておらず、途中でのトイレ休憩もないなど、幾らバス好きでも…と感じる状況にも閉口されられたものですが、途中での乗務員交代もなく通し乗務でしたので、乗務員の方も長時間連続乗務は大変だろうと感じたものでした。
(余談ながら日本一長い路線バスと言われている奈良交通の八木新宮線(近鉄大和八木駅~十津川経由~JR新宮駅)も、途中での乗務員交代はありませんが、この路線は路線車で6時間以上の超長時間乗車になる事にも考慮し、途中3回の休憩時間が確保されています)

またMAKIKYUが120番を通し乗車した際には、大型車が充当されたものの、現在120番・20番では2社共に中型車による運行が主流となっており、居住性と言う観点では長時間乗車には余り芳しくない状況となっています。


それでも沖縄バス運行便では写真の車両をはじめ、古参車ながらもハイバックシートを装備した前後扉車(後扉締め切り)などが活躍しており、長時間乗車もそこそこ考慮していると感じたものです。

とはいえ琉球バス交通運行便では、最近導入された元名古屋市営バスの日野製中型車が主力となっており、120番乗車中にはこの車両が充当されている便とも何度もすれ違い、MAKIKYUが20番で名護市内を移動する際にも一度当たっています。


この車両は元々が都市内の短距離路線用に導入された車両だけあり、座席は薄くて硬く、奄美大島・道の島交通の名瀬市内~古仁屋間などで頻出する元名古屋市営小型車と同様に、設備的には長時間乗車には余り嬉しくない状況です。

残念ながら車内の様子は撮影できていないのですが、この車両の座席は背もたれを一旦外して板を挟んだ上に、この板の上に背もたれを貼り付ける事で、無理矢理セミハイバックシート化改造と言っても過言ではない座席改造を行っているなど、車内はかなり凄まじい状況でした。

前乗り前降りながらも、沖縄の郊外線バスでは良く見かける中扉を塞いでの座席増設は行っておらず、中扉部分は棒で仕切っているだけ、その上左側最前部座席を撤去して荷物置きを設置しているなど、グレード面だけでなく座席数自体も少ないなど、余程の名古屋市営バスファンや日野車ファンの方は別として、一般的に見れば相当なハズレ車両なのでは…と感じたものでした。

120番・20番は充当車両に大きな格差もあり、所要時間もかなり長いですので、土休日フリー乗車券利用と早朝・深夜時間帯を除くと、那覇市内~名護市内の利用はどれだけあるのだろうかと感じたもので、この事も中型車が主流になっている一因なのでは…と感じたものでした。
(MAKIKYUが120番に乗車した際には、途中区間で乗客がMAKIKYUだけという区間もある程でした)

沖縄は首都圏からは他都道府県とは比べ物にならない程遠く、本土で最も沖縄本島に近い鹿児島市からでも、フェリーで丸1日を要するなど、韓国など近場の異国へ足を運ぶよりもずっと遠く、足を運ぶだけでも難儀する土地ですので、再訪に機会はあるのだろうか…とも感じたものでした。

またフェリーで再び足を運ぶ機会があり、土休日フリー乗車券利用などの制約がなければ、今度は77番の全区間乗車も是非…と感じたものでした。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も沖縄本島へ足を運ばれる機会がありましたら、鉄道が殆どない代わりに120・20番や77番など多数の路線が存在する長大路線バスにも是非乗車してみては如何でしょうか?



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