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北総監獄を走る電車~H:新1000形(1次車)

2007-03-16 | 北総監獄



「MAKIKYUのページ」では時折高額運賃で悪評名高い北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)を走る車両に関して取り上げていますが、今日は運行番号に「H」を用いている某大手私鉄に所属し、最新バージョンはステンレス車両導入という事で話題になっている新1000形と呼ばれる車両について取り上げたいと思います。

この車両は2002年から製造が開始されていますが、1000形と呼ばれる車両が現在でも使用されている事もあって、この車両との混同を防ぐ為に新1000形と呼ばれる事が多く、同社が線内優等列車用に導入した2扉線内快特用車両2100形の3扉地下鉄直通対応版車両ともいえます。(2100形との差異は結構ありますが…)

この形式は地下鉄直通対応で「開発を止めた某鉄道」にも顔を出す8両編成と、専ら自社線内で使用される4両編成の2通りの編成が存在し、旧1000形以外の同社3扉車各種や2100形との併結も行っていますが、製造時期によって仕様が異なり、今日はその内最も初期に製造された1次車に関して取り上げます。

この1次車の特徴としては、着色ガラスが緑色を帯びたものになっている事と、行先表示幕が黒地に白文字の英文なしタイプが採用(一部例外あり)されている事が外観上の特徴で、下回りは2100形で採用されて有名になったドイツ・SIEMENS製のGTOサイリスタを用いたVVVFインバーター制御を採用し、走行音も発進時に「ドレミファ…」と奇妙な音階を奏でる事で知られています(同社製の装置を使用していても、車両によっては音階を奏でないタイプも存在します)が、制御プログラムの関係なのか2100形に比べて後発にも関わらずやたらと煩く、これはVVVFインバーター制御の車両が出始めた80年代に製造された車両をも凌ぐ有様です。

しかも動力伝達装置の関係もあって、中高速域での加速時に耳障りな高音が聞かれる事も多く、雨天時には加速時に車両特性の関連もあって「キーー」と擦れる異様な音が発生する上に、見るからに重々しい印象を受ける台車は軌道と適合していないのか、「ボンボン…」と凄まじい音を立てて大きな振動を発する事が頻繁にある状況で、MAKIKYUはとにかく騒がしい電車という印象を持っています。

そのため初めて雨天時に乗車した際は余りの凄まじさにMAKIKYUも驚き、下車後に駅員へ相談した程ですが、現場でもこの車両の扱いにはかなり手間取っている様で、運転士間で(この車両の走りが)「暴れる」という会話をしている事も聞いた事がありますし、雨天時には1ノッチずつゆっくりとマスコンを進段させる有様で、これでは高加速と定評のある走行性能も台無しですし、運行本数の少ない区間を走行中に回生制動が失効した際の衝撃も大きく、挙句の果てには導入時の試運転中に踏切トラブルを発生させ、登場から暫くは運転区間が限定されたという話もある程です。

また車内は以前導入された600形でのオールクロスシートは色々と問題があり、長距離客へのサービスと両立させる為に車端部のみをクロスシートとし、ドア間と最前部はロングシートにしているのが特徴ですが、クロスシートは2100形と同様の外国製を採用して居住性はかなり優れており大いに評価できるものの、ロングシートは以前「MAKIKYUのページ」でも以前取り上げた異様に軟らかい「ブカブカ」した感触の代物を用いており、クロスシートとは余りに雲泥の差がある様に思えてなりません。

この新1000形(1次車)は見た目はそこそこ見栄えがし、また車端部にクロスシートを用いるアイディアが取り入れられている事もあって、レールファンの方々からは結構人気もある様ですが、以上に挙げた様な問題点も色々あり、特に雨天時の居住性には難がある車両です。

ただこれらの問題点の内の幾つかは、以後に増備された新1000形では改善(一部は改悪)されており、今後も暫くは同形の増備が進みそうですが、この1次車は相変わらず凄まじい走行音を発して走り続けており、この車両の改善にも期待したい所です。

また「MAKIKYUのページ」では仕様変更が続き、その都度変化しているこの形式に関しては今後も何度か取り上げていこうと思っていますが、先日この形式の最新増備車がこの会社初のステンレス製車体を採用し、外観や内装なども様々な仕様変更が行われる模様です。

この某大手私鉄の公式HPでもニュースリリースが発表されていますが、「赤い電車」として知られるこの大手私鉄は今までずっと塗装車ばかりを導入し、首都圏大手私鉄の中では唯一ステンレス車を導入していなかっただけに反響は大きく、この某大手私鉄ファンを中心に賛否両論が出ている様ですが、既に同じ線路を走る相互直通運転先の鉄道では多数のステンレス車が走っていますので、MAKIKYUとしてはステンレス製車両自体はさほど違和感ない気もします。

ただこの車両は大幅なコストダウンを図っている様ですので、その分は遠距離区間の運賃是正(品川~久里浜間などを乗車する場合、途中駅(この場合は横浜など)で一旦下車すると運賃が安くなります)や接客設備の改善(この形式の塗装車は首都圏他私鉄に比べ、座席の質が大幅に劣るように思えてなりません)などに当てていただきたいと感じてなりませんが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方はどの様に感じられるでしょうか?

写真は新1000形(1次車)の外観と車内の様子です。