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JR東日本203系電車~現状は望ましいとは言えませんが…

2007-03-08 | 鉄道[首都圏・JR]

MAKIKYUは一昨日・昨日と所用で常磐線各駅停車を利用し、また日頃常磐線と直通運転を行っている地下鉄千代田線を利用する事も結構多いのですが、その際に乗車する事が多く、昨日も遭遇した車両が今日取り上げるJR東日本の203系電車です。

203系はJR分割民営化される前の国鉄末期・1980年代前半に常磐線各駅停車用に製造された通勤型電車で、千代田線直通開始時に国鉄が導入した103系1000番台と呼ばれる車両が、騒音面などで乗り入れ先の営団地下鉄(現東京メトロ)車両に比べて余りに劣る上に、電動車(モーター付き車両)の比率が高く(10両編成中の両先頭車を除く8両)その上旧来の抵抗制御車であった事からトンネル内での発熱問題(この車両は当時非冷房車で、また当時の営団は冷房を使用しない主義だった事も更に問題を深刻化させていました)なども発生した為に急遽取り替えが必要な状況となり、この車両の代替として登場しています。
(ちなみに103系1000番台は多くが常磐快速線に転用され、同線で近年まで走っていましたが、一部は105系への改造種車にも回されています)

そのため発熱対策も兼ねて当時国鉄が製造していた201系電車と同等のチョッパ制御を採用し、サービス面での改善対策として製造当初から冷房装置を搭載しており、内装なども201系とほぼ同レベルですので同系の地下鉄直通版といった印象を受けますが、地下鉄直通用という事で前面に非常用貫通扉を設け、車体はアルミ合金製を採用して塗装を省略しています。

また側面には戸袋窓も設けられていませんので見た目は201系とは随分異なる印象を受け、後期に増備された車両はボルスタレス式台車を採用している事もあって番号帯は100番台に区分されているのも特徴です。

この車両は用途が特殊な事もあって、多少の変異はあるものの登場以来ずっと大きな変化もなく常磐線・千代田線のみ(少なくとも営業運転では)を走り続けて今日に至っていますが、近年では手入れの悪さや経年劣化が起因して内装は汚れが目立ち、また走行時に異音を放っている車両に遭遇する事も非常に多く凄惨な状況で、更新したとはいえ千代田線直通開始時から旧営団が導入し、203系よりも古い車両が多い東京メトロ6000系車両に比べて大きく見劣りする状況になっていまして、この車両を毛嫌いする人が多数いるのも事実です。
(「MAKIKYUのページ」リンク先ページ管理人様の中にも、唯一この車両だけは…という方もいる程で、203系の現状はMAKIKYUも決して好感を持てるとは言い難いです)

そのためそろそろ203系は更新工事を施工した方が…というのがMAKIKYUの本音で、アルミ合金製車体は耐久性や軽量化といった面で優れていますし、この車両は製造コストも結構かかっていそうですので、これを活用した上で乗り入れ先の東京メトロや首都圏の幾つかの大手私鉄の同年代車両の様に下回りや内装などを全面的に刷新して千代田線直通用に使い続けるか、或いは他線転用に供するのが理想という気がしますが、JR東日本にはその気は全くない様で、先日常磐緩行線用にもE233系(現在中央線快速に導入されている新型車両です)を導入するニュースを発表し、203系はあと2~3年使い倒して引退に追い込まれてしまう様です。

確かに203系の現状は望ましいとは言えず、早急に対策が必要な事は確かですが、常磐線各駅停車や千代田線では1970年代に製造された東京メトロ車が今でも多数走っており、また203系導入によって他線転用となった103系1000番台の一部は105系として未だにJR線上を走り続けている状況ですので、そういった中で退役を余儀なくされるのは非常に皮肉なもので、随分不運な車両という感が否めません。

まあ今度導入されるE233系は一応代々木上原~我孫子・取手間で運用と報じられていますが、千代田線にJRとは反対側から直通運転を行っている小田急線に今度E233系をベースとした新型車両(まだ実物が出ていませんので、JRの仕様がどの程度踏襲されるかは分かりませんが…)が導入されるニュースも出ていますので、千代田線系統の車両を刷新して各社車両による3路線直通運転(現在小田急~千代田線~JR常磐線各駅停車の3路線直通運転を行う列車には東京メトロ車両が限定で充当されています)を行うのであれば、小田急直通用装備や車両限界の関係などで取替え止む無しというのもある程度は理解できるのですが…
(ただそれにしても1編成だけの存在とはいえ粗製濫造ではないVVVFインバーター制御の207系電車(900番台)まで取替えというのはやり過ぎという気がしますが…)

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