文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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甦る殺人者: 天久鷹央の事件カルテ

2023-05-27 08:55:36 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 現役の医師でもある著者による医療ミステリー。天医会総合病院副院長兼統括診断部長である天久鷹央が名探偵役を務めている。ちなみに鷹央は、中学生にも見えるくらいの童顔だが、本人は立派な大人のレディだと言っている。御年28歳のアラサー女子なのだが、それを指摘すると怒ること怒ること(笑)。

 今回の事件だが若い女性を狙う連続絞殺魔事件だ。4年前に犯行を繰り返していたが、その後なりを潜め、最近また犯行を繰り返すようになった。犯行現場に残されたDNAから同一犯人であると推測された。

 犯行現場から採取されたDNAにより、辻章介(旧姓春日)と言う男の兄弟であることが推定された。しかし、彼の唯一の兄弟は4年前に亡くなった春日広大だけ。母親が変な新興宗教に凝っていて、教祖は死者を蘇らせることができるという。そして、他に兄弟がいたという記録は全く見つからない。果たして、辻には、記録に残っていない兄弟がいるのか? それとも本当に死者が蘇ったのか?

 このシリーズ、著者の強みを活かして、病理的な種明かしがつきものだ。かなり特殊な病気もあり、恐らく読者も初めて聞いたというものも多いだろうと思う。かなり医学に詳しくないと推理は難しいのではないだろうか。だからミステリーを読んで、謎解きを趣味にしている人にはちょっとつらいかもしれない。でも、こういう病気もあるんだと知れて、なかなか興味深い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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