文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:蜘蛛女(1)

2015-11-09 08:39:37 | 書評:その他
蜘蛛女(1) (なかよしコミックス)
クリエーター情報なし
講談社


 秋本葉子の「蜘蛛女」(講談社)の第1巻。人の世に紛れて、あなたを襲う、恐ろしい「蜘蛛女」を描いたホラー漫画である。

 蜘蛛女には、気を付けろ!そいつは、可愛らしい少女の姿に擬態して、あなたの心につけこんでくる。それがどんなに魅力的でも、決してやつの口車に乗ってはいけない。蜘蛛は、人の弱い心につけこんで、巧みに、獲物を罠に誘い込むのだ。蜘蛛の網にかかったら最後、待ち構えているのは、餌となる悲惨な運命のみ。

 この巻に描かれているのは、蜘蛛の糸にどっぷりと絡めとられてしまった、3人の少女たちの悲劇。彼女たちのちょっとした心の隙に、蜘蛛女は、するりと入り込んで、気が付いたら取り返しのつかない状態に陥ってしまう。昔の少女漫画は、出てくる怪異は、それらしい雰囲気を持っていた。しかし、こちらの怪異は、普段は、とっても可愛らしい少女にしか見えない。なまじっか、可愛らしいだけに、それが却ってゾクリとくる。そんな怖さを持ったホラーなのだ。

 この他、読み切りで「親切な小人」を収録。こちらも怖い。

☆☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。


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