蜘蛛女(1) (なかよしコミックス) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
秋本葉子の「蜘蛛女」(講談社)の第1巻。人の世に紛れて、あなたを襲う、恐ろしい「蜘蛛女」を描いたホラー漫画である。
蜘蛛女には、気を付けろ!そいつは、可愛らしい少女の姿に擬態して、あなたの心につけこんでくる。それがどんなに魅力的でも、決してやつの口車に乗ってはいけない。蜘蛛は、人の弱い心につけこんで、巧みに、獲物を罠に誘い込むのだ。蜘蛛の網にかかったら最後、待ち構えているのは、餌となる悲惨な運命のみ。
この巻に描かれているのは、蜘蛛の糸にどっぷりと絡めとられてしまった、3人の少女たちの悲劇。彼女たちのちょっとした心の隙に、蜘蛛女は、するりと入り込んで、気が付いたら取り返しのつかない状態に陥ってしまう。昔の少女漫画は、出てくる怪異は、それらしい雰囲気を持っていた。しかし、こちらの怪異は、普段は、とっても可愛らしい少女にしか見えない。なまじっか、可愛らしいだけに、それが却ってゾクリとくる。そんな怖さを持ったホラーなのだ。
この他、読み切りで「親切な小人」を収録。こちらも怖い。
☆☆☆☆
※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。