文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:京都烏丸御池のお祓い本舗

2018-05-08 09:39:19 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
京都烏丸御池のお祓い本舗 (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社

・望月麻衣

 主人公の木崎朋美は、静岡出身。京都で就職してたったの1年でリストラされ、城之内隆一の探偵事務所に拾われることになった。城之内は東京で弁護士事務所を開いていたが、経営に失敗して地元京都に舞い戻り、今は探偵事務所を開いている。

 ところがこの事務所に来る依頼は、迷子の動物探し程度。しかし、不思議になぜだか経理的には余裕がある。実は探偵事務所というのは表の顔。その実態は、魔界都市京都らしい怪異の関連する事件を請け負っているお祓い事務所なのである。

 朋美は自分は霊感に縁がないと思っていたが、実はいるだけで怪異の方から避けていくという強力な防護体質。ちなみに所長の城之内は霊を感じることができる人。そして高校生アルバイトの高橋海斗は、霊が見える人だ。

 この凸凹トリオが、魔界都市京都に起こる怪奇な事件に挑むというのが基本的なストーリーである。

 笑ったのは、このトリオが現場に踏み込むときに、朋美が先頭を歩かされるところだ。もちろん、朋美の防御力を期待してのことだが、後の二人曰く、レディファーストらしいが、ちょっとなんだかなあ・・・。

 ところで、集まった怪異を退ける呪文だが、朋美は「アビラウンケンソワカ」をアラビアンナイトみないな呪文だとうろ覚えで、「アラビアンソワカ」と言っている。でもそれでちゃんと効果を発揮しているのだから面白い。

 同じ作者の人気シリーズである「京都寺町三条のホームズ」の登場人物も少し登場しており、この辺りは人気シリーズを持っている作者の強みか。また、海斗には何か謎があるようだ(本人はまったく記憶していないようだが)が、これがどのようにこれからの展開に影響してくるのか気になる。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
 
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