本書は、2018年に亡くなられた内田康夫さんの代表作といえる浅見光彦シリーズについての著者解説と裏話を集めたものの1冊だ。本書に収められているのは、「讃岐路殺人事件」、「日蓮伝説殺人事件」、「琥珀の道殺人事件」、「菊池伝説殺人事件」、「神戸殺人事件」、「琵琶湖周航殺人歌」、「御堂筋殺人事件」、「歌枕殺人事件」、「伊香保殺人事件」。「平城山を越えた女」の10作品。
どれも、これらを読んでおけば、作品の方も一層楽しめるようになるだろう。内田作品、中でも浅見光彦ファンの人にはぜひ読んでもらいたいと思う。
それにしても、内田さんが亡くなってから、テレビで浅見光彦シリーズを見かけないような気が(再放送は時々見るが)。なにか故人になられたことと関係があるのだろうか。念のため浅見光彦記念館のホームページで調べてみると、浅見光彦シリーズとしては2019年1月にTBS系で放映された「天城峠殺人事件」が最後のようである。(他のシリーズではこれより新しいものがあった。)小説の新作がこれ以上書かれないのだから、せめて、新しく映像化された浅見光彦シリーズを視たいものだと思う。
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