文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

明治開化 安吾捕物 その二 密室大犯罪

2020-03-02 21:49:34 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)



 このタイトルにある「大犯罪」という言い方に時代を感じてしまうのだが、「舞踏会殺人事件」に続く第二弾。

 人形町で小間物屋をやっている藤兵衛が殺される。この藤兵衛、小間物屋の主人だが、土蔵に暮らしていたという変わり者。なんでも土蔵もちになったのがうれしかったらしい。そして犯行現場はこの土蔵。現場はタイトルの通り「密室」になっていた。

 この事件を調査するのは前回と同じメンバーで、結城新十郎と花廼屋(はなのや)因果そして、泉山虎之介の3名。但し名探偵の役は結城新十郎。ただし、花廼屋因果は推理の才はないが、腕っぷしは強いので犯人を捕まえる役。泉山虎之介は、前回と同様勝海舟のところに出向いて、勝の迷推理を聞く役である。

 このシリーズに出てくる勝海舟は、悪血を採ると称して、ナイフで自分の体を切り刻む変態だ。そして自分の推理が間違っていた言い訳をするのもいつもの通り。それにしても、泉山虎之介、勝の迷推理を聞いて、

「虎之介は海舟の読みのひろさに益々敬服の念をかため、その心眼の鋭さに舌をまいて、謹聴しているのである。」



ということらしい。どうしてそうなる!

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。







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