The collection of MARIBAR 

マリバール 文集・ギャラリー

5月30日 映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』,『MILLIBAR』

2007-06-09 23:19:14 | 抱茎亭日乗メモ
 映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』を見る。
カザフスタン人のオッサンがアメリカ文化を学習するというドタバタおバカ映画。
かなりヒットしているらしい。
くだらないイタズラとかドッキリカメラみたいな、私には全く笑えないものかもしれないという危惧もあったのだが、驚き呆れながら大笑いだった。

コメディアンの突撃レポートなのか、仕込みなのか、作られた物語なのか、最後まで構造がよくわからなかった。
ボラットはユダヤ、女性、障害者差別主義者、ということはわかった。

アメリカ文化をバカにしているということは更によくわかった。
しかし登場するアメリカ人は皆、異文化圏からやってきたテレビレポーターに当初はとても親切で、さすが「正義の国」「善き人々」だ。

「出てけ!」と怒鳴る人もいるけれど、激高するより黙ってしまうとか、なだめるとか、逃げるとか。
私が電車の中で鶏を放されたり、エレベーターに全裸で毛むくじゃらの大きな男が乗って来られたりしたら、悲鳴を上げて大騒ぎするだろう。
泣き喚くと思うが、映画に登場するアメリカ人でそんな人はいない。

「どんなに失礼なことをしてもなぜか憎めないボラットはヒゲの高田純次だ!」(町山智浩)
って高田純次はくだらなくてカッコイイし結構好きだけど、ボラットは高田純次の百倍失礼で下品で危ない。
絶対日本文化を学びに来ないでほしい。会いたくない。

私が一番面白かったのはロデオ会場と教会のシーン。
あれで「行け行け、ボラット!」となる。

 『MILLIBAR』に行ったら、アルバイトのJは『ボラット』を試写で見たそうで、「ボラットはユダヤ人なんですよ」。
そうなの?!
「話は作ってるけど、インタビューされてるのは仕込みじゃないですよ」
そうなんだ!!

カザフスタンの反応は? と思ったら、こんなで、さすが「栄光ナル国家」だ。

音楽も良かった。
他国の国歌って、アメリカぐらいしか知らないけれどカザフスタン国歌は忘れられなくなった。
チンクイェ!

5月30日 お世辞タクシー,河合香織著『セックスボランティア』

2007-06-09 23:01:14 | 抱茎亭日乗メモ
 交差点でタクシーを拾う時、通りの向こうで右折しようとしている車を気付かせて直進させたり、直進しようとしている車を左折させて捕まえるのは、時々失敗する。
今日は前者のパターンで、無理だろうな、と思ったら止まってくれた。

「よく気がついてくれましたね」と運転手に言ったら
「べっぴんさんだったんで」とお世辞を言われてビックリ。
必死の形相で走っていたと思うのだが。
「もてるでしょう?」
「いえいえ、とんでもない」
などという会話。

こういうのは初めてだが、たまたまちゃんと化粧をしていたからか。
なるほど、身嗜みは大事だね。
いつも大慌てほぼスッピンで家を出て、化粧はタクシーの中でいいや、という態度は運転席から見抜かれるのであったか。

 「障害者のセックス」というのは少し前にいろいろなところで語られるようになったと思うが、きっかけはこの本だったのだろうか。
河合香織著『セックスボランティア』を読了。
それよりもっと前は「高齢者のセックス」も長らくタブー扱いであったように思うが、今は「その年でみっともない」という見解の方が恥ずかしい感がある。

この本も著者は若くとても真面目で「もの書きとしてタブーに挑戦したい、でもおっかなびっくり」なところがあって、そこが面白かった。

命綱の酸素ボンベを外してまで風俗店に通う老人が、15年付き合った女性とはたった1度キスしただけ。
障害を持つ身だから「好き」という言葉さえ口にすることが出来なかった。
あと数センチで彼女の胸に触れられたのに、手を引いてしまった。
電車の中で読んで涙がポロポロ零れた。

 この人間の性とそれを取り巻く社会に真摯に向き合い考える本を、映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』が始まるまでの待ち時間に読了。
その世界のギャップ、作り手と表現法の違いを比べても意味はないが、両方楽しめるのが嬉しい。

5月29日 断水!,『モスバーガー』,映画『パッチギ! LOVE & PEACE』,クレソン!

2007-06-09 14:35:11 | 抱茎亭日乗メモ
 昨日酔ったまま寝て、起きたら事前告知通り、マンションは水道管工事のため断水。
酔っ払いですっかり忘れてた。水の汲み置きもせず。

顔も洗えないよ。
冷蔵庫に保存していたウエットティッシュはカラカラに乾いていた。参ったね。

やかんにマグカップ一杯の水が残っていた。歯を磨き、ウエットティッシュを湿らせ顔と身体を拭く。
手を洗うのも無理だから、髪の毛には何もつけず、なんとかする。

 何も食べず、トイレも行かず出掛けて『モスバーガー』。
お昼時だが禁煙席の3階は一人客ばかりで、無言。
ファーストフード店内とは思えぬ静けさ。
眩しい光の差し込む空間で、黙ってエサを食べるニンゲンたち。

後で中国人の男と日本人の女が来て、やっと会話が生まれる。彼らだけが喋っている。
中国人男性の中国訛りの少ない日本語が優しく響く。
聞き耳立てずともそのフロアにいた人全てが内容を把握可能だった。
仕事関係の話→「彼氏はいるの?」みたいな他愛の無い話。

 夜、「bukuの日」の池袋で『パッチギ! LOVE & PEACE』を見る。
ひねくれものの私は「泣ける映画」必須の難病、家族愛には即興醒めなのだが、井筒和幸監督もひねくれものなのか、安易な物語ではなく、面白かった。

石原慎太郎製作総指揮映画(僕は愛する君のために死にに行く、とかなんとか?)への反論にも思えて良かった。

調べた。ああ『俺は、君のためにこそ死ににいく』か。
「マンション特攻の生き残り」(と映画評論家が書いていた。すごい言い方。)の窪塚が「戦争賛美映画などではない! 見ないで言うな」とか言ってるけど、だったらこのタイトルは無い。
覚えられない。見る気になれない。でも見なくてもわかるタイトルじゃん。

やはり井筒監督は映画で喧嘩売ってるのね。
私もだが皆さん乗せられて「どっちが勝ってる」とか「両方見て欲しい」とか。
井筒監督、偉い。



 先週水曜日に届いたクレソン、注意書きどおり冷蔵庫で密封保存しておいたら、全部腐っていた。
捨てた。袋ごと全部捨てたことは初めてで、悲しかった。
この季節葉物はすぐ食べなくちゃいけなかった。生産者さん、ごめんなさい。

5月28日 『ナンクルナイサ』,居酒屋『卯波』,『イタリー亭』,訃報に

2007-06-09 03:04:36 | 抱茎亭日乗メモ
 銀座の沖縄料理『ナンクルナイサ』でランチ。
「タバコは吸いません」と言ってるのに喫煙席に通される。
禁煙席に移ったら、他のテーブルにはあるコーレーグスが、私のテーブルにはない。
沖縄そばセット800円のお釣りを間違えられる。
一つ一つはたいしたことではない気もするが、大丈夫か?
店名通りの「なんくるないさぁ」精神か。

 14時過ぎに職場。16時半前に仕事終了。
「早く終わる時に連絡して」と言われていたSさんに電話。
早過ぎるかと思ったが、17時半まで待てる? と聞かれたので本屋で時間潰しのつもりが、たいして待たずにSさん登場。
どういう会社だ。

本屋で立ち読みする私を見て「ナンパされないだろう」とSさん。
確かに本屋でナンパされたことはないが。
「何で? 怖いから? 危ないから?」
「怖いから。平積みされた本の上に座って本読んでても誰も注意できなさそうだよ」
どういう女だ。

 17時前では居酒屋もまだやってないので、ギャラリーやセレクトショップなど見て歩き、17:05には古い居酒屋『卯波』のカウンター。
ビール大瓶にエビス黒でハーフ&ハーフを作ってガンガン飲む。

会社の話、共通の知人の近況、ジェイソン君の話。
「アメリカ大使館なの? じゃあ、大使館側の歩道を歩けるようにしてくれって、言っといてよ。夏はそっちが日陰になるから、大使館の壁側を歩きたいのに、警備がいて歩かせないんだ。『なんでだよ』とか言うと他の警備員まで集まってきちゃってさあ」
「わかりました。伝えます」

 1軒目はご馳走してもらって、2軒目は『イタリー亭』でワインを飲む。
映画の話、本の話、通販の話など。面白かった。

この日話題に出て、後日Sさんが教えてくれた5本指サンダル

「きゃー、かわいー!ホシー!しかし、サイズでか!
緑とかだと河童っぽくていいですね。」

と興奮。

 「なんとか還元水」の大臣が自殺した。
アベに殺されたのか、高級すぎる水が身体に合わなかったのか。
なんてふざけたらいけないのかもしれないが、現役大臣が「死んでお詫びする」などと言い、それで済ませようというのがふざけている。
何を守るために死んだのか知らないが、国民のためではない事だけは確かなのでは。
これで「美しい日本」とは、ふざけ過ぎ。

 ZARDの坂井泉水も亡くなった。痛ましい。
22日慶應病院に私が子宮頸がんの定期検査で行った時、入院患者や最近退院した人などが話しているのを聞いたがZARDの話は全く出なかった。
本名で入院していればわからないか。個室だろうし。

私の検査結果は6月5日。病院から電話がなければまた半年後に検査だ。