大変だ。突如母が復活した。
昨年8月の塗装工事件
(『抱茎亭日乗』2005年8月19日あたり参照)以来全く元気を失い、引きこもり状態だった母。
暖かくなれば元気になるかと思ったが、4月8日に飲んだ時も変わらず落ち込んでいて、何もやる気がしないと言っていた。
病院に行った方がいいと言ってもぐずぐず言うのも変わらず。
その後の私の留守電、メールにもやはり無反応か、と思っていたら先ほど電話がかかって来て、1時間喋りまくっていた。
近くの病院に行って、もらった薬を飲んだらしい。良い先生だったようで、救われたみたい。
それは大変良かったのだが、早速買い物ブギも復活して、電気屋に勧められるがままにサンヨーの自動洗濯乾燥機を購入、お金を払う前にどこまで値引きしてもらえるか、ネットで調べてくれと言う。
調べてみたら電気屋も家電量販店も割引やら下取りやらで価格(22万円ぐらい)はそう変わらない。
しかし、そもそも「空気で洗う」という最先端機能が母に必要なのか?
聞いてみたら「空気で洗う」機能について母は認識していない。
「空気?なにそれ。そんなの知らない。最新式だと乾燥機と一体型で除菌もできて…」
「そんなの一つ前の商品なら10万円以下であるよ!」
「そうなの?」
「やめやめ!」
「でも、もう取り付けてもらっちゃった」
「はあ?! なんだよー、もっと前に相談してよ。取り替えてもらいなよ」
「いや、もうちょっと安くしてもらえないかと思って」
「新商品だから無理なんじゃないの。まあ言うだけ言ってみたら。でも私は取り替えてもらった方がいいと思う。電気屋がちゃんと説明してくれなかったんだから」
「そうねえ」
そして、洋服ダンスのセーターとコートが虫に食われた話、大麻で逮捕されたHiroの話、宮崎学さんの話など。
更に、私がかけた電話で30分喋り、「生協で3足980円の5本指ソックスはどう思う?」って、その値段の買い物では相談するのかよ!
更に更に「箱根で1万円ぐらいの宿をネットで調べて」とか「バイオリンコンサートに行かない?」とか。
「誰が何をやるの?」
「小林研一郎っていう人。日本フィルよ」
「知らない。誰が弾くの?」
「(忘れた)っていう、体操の仲間の……(どうたらこうたら)」
「素人なの?」
「違うわよ、日本フィルの……(どうたらこうたら)」
「でも、その日はダメだ」
電話を切る。
ああ、もうこうなったら止まらない母。
どっかり落ち込むか、激しく動き回るか、極端なんだよなあ。
ひぃー、また電話だよ。
「今ね、3チャンネルに、さっき話した小林研一郎が出てるわ!」
「見てます。ああ、この人ね」
「それで体操の仲間のなんとかさんは……(どうたらこうたら)」
「今、箱根の宿調べてるんだよ」
「はいはい、じゃあよろしくね」
参った。川越『ご近所さん』が消えたと思ったら(詳しくは後ほど)、母の復活。
私、モテモテだよ。とほほ。