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年が明けてから気がついたのだが、コダックの感材がかなり値上げされていた。
35はろくにチェックしていないのだが、120や220はカラーもモノクロも結構な上がり方で、特にTMXやTXPといった定番アイテムは影響が大きいだろうなぁ。とはいえ、ロールフィルムはまだましなほうで、シートフィルムにいたってはちょっとびっくりするような上がり方だったので、棚を見たときはめまいがしましたよ。嫌なのは、どうやらこれは日本だけの価格改定らしきことで、アメリカの業者は今まで通りのプライスで販売しているんだね。でまぁ、早速お取り寄せかと思いきや、輸入すると関税やら何やらで追加出費があるので、手間の割りに得をしないことがわかる。もちろん、先方も商売なので、ぎりぎりの線を狙っているのは百も承知なのだが、シートフィルムはそれでも輸入したほうが割安なんだから、代理店としてはそういう意思表示なのだろうね。
それにしても、デジタルへの流れに棹差して銀塩というのは、やはり贅沢というかなんと言うか、作家のエゴなのかもしれないなぁ。印画紙については鶏卵紙という裏技もあるし、個人的には何回かプリントした経験もあるのだけど、問題はネガだよなぁ。ガラス乾板の自製は難しいっぽいし、かといって湿式写真はもっと面倒だなぁ、とか思っていたら、今でもコニカミノルタでガラス乾板作ってるのね(一般小売してないと思うけど)。問題は、そういう古典技法で作画したら、技法が主張しすぎて作品の印象が薄くなるってことだけど、まぁそれはそのときになってから考えればいいか…
感材をチェックしたついでに、日本カメラを立ち読みする。新年号より金村修氏の連載(金村修の写真愛)が始まったという話は聞いていたのだが、チェックしそびれたまま2月号の発売日が迫ったので、あわてて探したという次第。内容については、こんなところでどうこう言うものでもないのだが、当然のように金村節全開で、好き嫌いがきっぱりと分かれるのは間違いない。個人的にツボだったのは「物語装置」を全否定したところで、やはりこの人はこうでなくっちゃと膝を打つことしきりだった。明日には2月号が店頭にお目見えするだろうが、今から次が楽しみでしょうがない。
それにしても、物語装置に依拠することなく、純粋に作品を提示するというのは本当に難しく、かつ勇気のいることだと思う。もちろん、自分もそうするつもりなのだけど、それがうまくいくかどうか、ちゅうか自分の力量に見合った行為なのかどうかは、まったく別問題なんだよね。
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