空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

あさのあつこ 「弥勒の月」 光文社文庫 & 「天国までの100マイル」

2011-04-07 | 読書



「あさのあつこ」さんを読んでみたいと思っていた。
ちょっと見た「バッテリー」のドラマが面白そうだったし。
短編も少し読んだあと、図書館に予約していた。

時代小説だが面白かった、江戸の町を背景に、少し台詞などに現代感覚の残るところも馴染みやすく読みやすかった。


同心の信次郎と岡っ引きの伊佐治のコンビが事件担当で面白い

信次郎は父が亡くなった後、役目を引き継いではいるが、年相応の鬱屈した思いがある。
伊佐治は生一本で世話好きで頼りがいのある人物だが、一人で、勝手に生きているような信次郎をもて余すこともあり、理解ができない部分がある。
しかし信次郎の勘の鋭さと変人ぶりに辟易しながらも、世話を焼かずにはいられない。


最近結婚したばかりで、気立てのいい、小間物屋「遠野屋」のおかみが橋から飛びおりた。
入り婿の清之介は、先代に見込まれ、眼鏡どおりに身代を守り、以前にもまして繁盛させてきた。

なぜ、その妻が死ななければならなかったのか。
夫の清之介にも見当がつかないと言う。しかし、彼の物腰には何か油断のできない、ある殺気のような緊張感を信次郎は感じた。

信次郎と清之介のもっている、形は違ってもどうにも折り合いのつかない、重たい心の荷物がうまく書き込まれている。

妻の死を悲しみ、大金を出してまで捜索を頼むのは清之介の本心か。

夜が来ると、袈裟がけの見事な一刀で次々に人が死んでいく。

清之介と信次郎、伊佐治のキャラクターが際立っている。

続きの「夜叉桜」も読んでみよう。

読書
 
40作目 「弥勒の月」あさのあつこ ★4

41作目 「天国までの100マイル」 浅田次郎 朝日文庫

     心臓病の母を100マイル先の、心臓外科の
     名医のところまでライトバンで運ぶ話。
     兄弟中でいちばん出来損ないと思われている、
     失業中の三男の安男、離婚もしている。
     彼が懸命に母を運んでいく。
     主治医の誠意、野人のような天才担当医。
     別かれた妻の優しさ。身勝手な兄弟たち、
     が母の病気をどんな風に見守っていったか。
     心温まる物語。
     ★5


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする