goo blog サービス終了のお知らせ 

鳥の巣頭の世迷い言

読書音楽観劇、ハゲタカ廃人、そしてアラシックライフをエンジョイしている三十路のお気楽会社員・ガバ鳥のblog

マシュー・ボーンにしてやられた夜@バレエ シンデレラ

2018年11月19日 22時01分05秒 | 舞台・コンサート感想




10月13日(土)に、東急シアターオーブ(渋谷)で公演していたマシュー・ボーン振付・演出のバレエ「シンデレラ」を観てきました。
本格的なバレエを観るのは人生初だったのですが、とても興味深く拝見しました。

シンデレラ…といっても、グリム童話やシャルル・ペローの原作に近い中世のヨーロッパを舞台にしたものではなく、1940年代のロンドンに時代と場所を移したものにアレンジされていました。だから王子もRAFパイロットに変更されておりました(WWII中のイギリス市民にとって、パイロットは憧れの的だったのだとか)。シンデレラもロンドン市民へ変更です。

1940年代の、空襲が重なるロンドンを舞台に、RAFのパイロットがブルードレスで踊る。以前から興味はあるものの行ってなかったバレエを観に行った動機も、ここにあるといっても過言ではないという...。ツイッターでフォローしているダンケルクの民(浜辺から帰ってこれてない人ともいう)の方々も観に行ってるし、じゃあ行ってみるかと。

結論として、とても素晴らしい時間を過ごしました。
まずはダンサーの高い身体能力。舞台のところだけ重力が月くらいになったんじゃないの?!というくらい、軽々と自身の体を操ってました。
人間って美しいなあ、とあらためて素直に思えるくらいには。
ちなみに私のお気に入りは、シンデレラやRAFパイロットを別にすると、天使を演じたダンサーです。
原作だと魔法使い/仙女の役どころなのですが、人間の中に混じった、人に非ざる者…という役どころにピッタリでした。浮世離れしてるというか。ただ歩いてる?ように見える場面も、ただしく舞踊のようでした。ドラえもんが歩いてるみたいな感じにも見えましたけど。←ドラえもんは、常に体を何センチか浮かせてる設定なのだ!
彼が腕をふるだけで魔法にかかったみたいでしたよ。ディズニーの映画みたく。

そして当然ながら、シンデレラ+RAFパイロット(王子)の踊りも素敵でした。
マネキンを王子にみたててダンスをする場面があったのですが、彼女の想像(妄想)からマネキンがやがては王子の形となって二人でダンスをするですよ。でも王子は元来マネキンだから、動きはぎこちないというのがね!ツボ過ぎて!←柔軟性にかける動きをバレエダンサーがするんですよね。でも動き一つ一つはウツクシイんですよ。
マリオネットと美女(@眼鏡の地味モード)のダンスが大変素晴らしく。また、恋する女性が好きになった相手を思って踊るダンスがいじらしくてですねえ(←親戚のおばはんモードに入る私)。
シンデレラが眼鏡地味モード→眼鏡なしキラキラ美女モードになった後の王子+シンデレラのダンスも素敵だったんですけども、私にとって一番印象的だったのがマネキン+シンデレラのダンスでした。

それにしても、マシュー・ボーンの演出/振付は、劇を観てるようでした。時代背景を多少説明する必要があったからか(なんといっても70年以上前の出来事)、最初にニュース映像(ロンドン市民に爆撃があった時の心得を知らせるもの;防空壕に入る、ガスマスクを携帯、市民が保護を求めてきたら、その家の住民は受け入れること等)が流れ、その後に怪我を負ったパイロットがシンデレラの家に彷徨いくることに対する説明にもなっておりました。
本格的なバレエの鑑賞をするのはこれが初めてだったためプログラムを前もって読んで臨みましたが、なんというか、物語性が高いバレエだなあとも思いました。マシュー・ボーンの特性を私は知らないのですが、こういう物語(振付、演出)をする人なのかしら。
もうね、舞台でも表現されていた市民たちの逞しさが凄かった!
史実でもロンドンの市民たちは、爆弾が降り注いだ状況下であってもオシャレを楽しみ、踊り、恋を楽しんでいたわけですが、それが舞台上でも表現されていたというのが凄い。台詞もない、バレエで。

今回の鑑賞で自分がバレエにハマったのかどうかは解らないのですが(NHKでテレビ放送されてるのを観ても途中で飽きたりする人なので)、(マシュー・ボーンの)違う演目は観てみたいなあとは思いました。
来年はSWAN、ということで、スキをみてまた観に行ってみたいと思います。
すごく楽しみです。
好きが増えるのはイイね。世界のどこを向いても好きなものばかりになるね…。






ジャクロ(の舞台)のためにイギリスへ@チケット予約編

2018年05月29日 12時48分00秒 | 舞台・コンサート感想
さて、これまで、大野さんの個展を見るために(本人不在の)上海に飛んだりしてたワタクシですが、ついに推しの芝居を見るために、この度、ロンドンに飛ぶこととなりました。
なんで、どうして、こうなった。

遡ること4月24日。
ツイッターをいつものように遡っていた時に、推しであるMy man Jack Lowden(byトムグリ先輩;Tom Glynn-carney)が主演の舞台をロンドンDonmar Warehouse劇場(@ロンドン)でやるとの一報が。
演目は、シェークスピアの“尺には尺を”(Measure for Measure)。
メインロールはクズ男のアンジェロ(公爵代理)、修道女のイザベラ。
それを女優のヘイリー・アトウェルと交互に演じるとのこと。
(公式HP:Donmar warehouse 'Measure for Measure'

…クズ男と修道女を我が推しジャクロ(ジャック・ローデン)が交互に演じる…?!

思い起こせばジャニオタになってからも、それよりも前も、私は推しの舞台を実際に観たことがなかった。
大野さん(嵐)の舞台の時はジャニオタになってないし、松本さん(嵐)の舞台の時は落選してるし。二宮さん、相葉さん、櫻井さんの時も(以下省略)。
ジャニーズ以外の…長谷川博己さんの舞台も、高橋一生さんの舞台も、その時にはファンになってないから観る機会がなかった。

ということで、ついに私に、推しの舞台を観るチャンスが訪れた訳です。面白そうな題材のを。
ただし、ロンドンで。

ロンドンね、遠いしね、むりむりむり!観劇のためだけになんて!
そうです、そう思いますよね。
私は平凡な会社員で(高給取りのバリキャリとかではない)、ジャニオタするのに精いっぱいな毎日を過ごしている訳です。札幌遠征するのだってヒイヒイ、名古屋遠征するのだってヒイヒイ。福岡遠征にはさすがに行けないような積めないオタクだよ!
しかーし、オタク本能とは恐ろしいもの。
我が家の有給消化状況、あるいは財政状況を無視して、指が勝手にH*Sのサイトを開いて格安航空券を探し始め、勝手にホテルまで探し始め…。(調べてから諦めようとか考えてる)
そして、なんとうっかり、だいたい札幌遠征と同じくらいの費用という結果をはじき出してしまった訳で。

いやいや、ジャック・ローデンですよ!映画・ダンケルクのコリンズだよ、映画の主演もしたこともある輝けるイギリス期待の俳優ですよ、チケットなんて極東のパンピー(私)なんて相手にされずに直ぐにソールドアウトするって!そもそもDonmar劇場の座席は251で、ソールドアウトするプログラムも珍しくないって本に書いてあるし(←流れるように調査してた)。
と思い直し、ひとまず「チケットが取れたら行くか考えよう」という謎の結論に落ち着き。そして、チケットを取ると決めたならば、ひとまず劇場の会員(いちばん安いやつ)になって優先予約を受けるように手続きをとって、来る優先予約日に備えた訳です。←この時点で何かおかしい

で。
結果としては、まあご想像の通りなんですが、取れちゃったわけですね、チケット。
当日にログインしてみたら60人待ちくらいの表示が出ていたのですが(日本のWEB予約システムとはだいぶ違う。イライラしなくていいから好きかも)、しばらく待ってたら、アッサリと予約画面に動くことができて、予約が完了しました。あっけない。

はい、そういうことで再びH*Sのサイトに行って、文字通りの格安チケットを購入し、行くことにいたしました、ロンドンに。
ただね、私、7月にダンケルク(仏)~ロンドン(英)に行くんですよ、ダンケルクのロケ地巡りで。んで、また秋にロンドンに行くわけになったんですよねえ、ジャクロの舞台で。(ばかだあああああああ!)
ま、ジャクロに会えると思えば実質無料ですよ、ええ(まっすぐな瞳)。

まあ、これに関しては節約+節約+節約をしつつ、行くしかないかなあとは思っています。
だってこんなの、人生で1回きりかもしれませんからね。観劇でロンドン!
また次が…とか悠長に構えていられないのです。私が、あるいはジャクロに何か事故とか事件とかがあったら、あっという間にその『次』は失われてしまいますからね、あっけないくらい簡単に。(ジャニオタ的には今年の以下略)

ということで、どったんばったんしつつもチケットは取りました。
あとは劇場でちゃんと無事に観劇できればいいなあ…。


++++

<番外編>
今回、チケットを申し込み中、システムにエラーが発生してしまい、オフィスの方に何回か、問い合わせのメールを出すことになりました(私のチケットはちゃんと取れてる?!)。
ソールドアウトにドキドキしながら、しずかに慌てながら決済まで済ませた…つもりだったのですが、最後のOKボタンを押したとたんに無常にも[ERORR]表示が。

「あああああああああ(死)」

ソールドアウトもでる劇場の予約で、予約できたか出来なかったが分らないというピンチな状態に。慌ててオフィスにメールを飛ばして、予約の確認をお願いしました…。幸い、劇場オフィスの方からすぐに「君の予約OKだったよ!不安だったらEチケット発行に切り替えてそっちに送付するよ!」という返事がきたので、「そうなん?じゃあ、ぜんぶEチケットで送って!」ということで、あっさり解決いたしました。
←実はうっかりチケットをドンマー劇場受け取りにしてた。ばか。ので、劇場受け取り分(予約した分すべて)をEチケットに切り替えてメールで送ってもらった。

そういう訳で、ドンマー劇場オフィスのMさん(イギリス人)には、システムエラーと私のうっかりミスのフォローとで大変お世話に。ジャクロの舞台は一般発売日の当日に全日全席完売になったので、問い合わせへのレスポンスが早くて助かりました。Mさん、ありがとう…。

さて、ということで、チケットは準備できました。あとは本当にイギリスにちゃんと行って劇場に辿りついて劇を見れればいいわけです。
…なにも起きません様に。(格安航空券だからさ…)


++++

今回、予約をする上で参考にした本

海外の舞台観劇に関する本(チケットの取り方、トラブルについて等、経験にもとづき様々なバックグラウンドの執筆者たちが書いている)
「Ring up the Curtain2」(haru、サークル名:在処、2018年発行、同人誌)
ダンケルクのロケ地巡りをするにあたっても、彼女のツイッターアカウントからの情報+同人誌(誌名:On my way)を参考にしています。
(PixivのBoothから通販可能)

狂らんの渦に立つ孤独な王様@リチャード三世(プルカレーテ演出)

2017年11月04日 22時06分12秒 | 舞台・コンサート感想
2017年10月に「リチャード三世」(東京公演)を観劇した時の、懐かしい写真を発掘した。あの舞台を観劇できたのは、とても得難い体験だった。ほぼほぼオールメールのピカレスク。
ドラマチックでアグレッシブ。退屈する暇なんて一つもない、無駄が一つもない、そんな舞台だった。

ハイヒールを片方だけ履いた不格好な姿勢のリチャード(湾曲した背中をしていたというリチャードの生まれながらの不具をみせるため?)、真っ白に顔を塗りたくられたエドワード4世妃エリザベス、歌いくるう楽隊、見ていて何故か不安な気分になってくる舞台セットなど、どれも忘れ難いものたちでした。

結局2回ほどこの舞台を観に行きましたが、また観劇する機会があればいいなと思いました。



2017年10月(東京芸術劇場)鑑賞

リチャード三世
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:木下順二
演出・上演台本:シルヴィウ・プルカレーテ
主演:佐々木蔵之介


この世界の片隅に:立川シネマシティ舞台挨拶れぽ(2016年12月10日)

2016年12月11日 12時22分59秒 | 舞台・コンサート感想
立川シネマシティで 行われた「この世界の片隅に」の舞台挨拶付きの上映に行って来ました。
映画の感想を語りたいのだけど、まだ上手く言語化できなくてモドカシイ限り。
とにかくすごい映画だったよ!とまずはレポートしたいところ。
(現在、重ーくなってる感想レポを削りまくり中です…)

さて、その舞台挨拶について記憶に残っている一部をレポート。
記憶力も皆無だし、帰りの電車の中でぽちぽち記憶のかぎりメモっていたのをまとめているので抜けが沢山あります(なんちゃってレポというやつです)。
公式スタッフさんもカメラも録音機も入っているとアナウンスがあったので、フルレポートは公式でお楽しみに下さいm(_ _)m ←やってくれると信じてる!

さてさて、レポートに戻ります。
黄色いワンピーツの「のん(能年玲奈)」さんと、ジャケットの片渕監督が入場。
のんさん、とにかく可憐で可愛かった。←語彙力0レベル
舞台挨拶は、のん+監督+司会(女性の方…すみません、名前を失念)の3人で進められた。

*挨拶
のん:みなさん、こんにちは。すずさんの声をやらせて頂きました、のんです。今日はよろしくお願いします。
監督:監督の片渕です。今日は沢山、席を埋めていだたいて(or 来ていただいて)ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。

*横浜映画祭での受賞について
司会:嬉しいニュースが届いていると思いますが、横浜映画祭で作品賞の受賞、審査員特別賞の受賞、おめでとうございます。また、2016年の日本映画のベスト映画賞第1位も獲得されました。(2人の気持ちは)いかがですか?
のん:本当に素晴らしいことなので、びっくりしまして。作品に関わった全ての人のお陰で取れたのだと。監督が6年作り続け、監督の執念、本物だなあと(監督とのんさん、笑い合う)。審査員特別賞をいただけたのもびっくりしまして。それもキャストの皆さまのお陰で取れたのかなと感じていて。私が代表して賞を頂いたのだと思っていて。とても嬉しかったです。
監督:日本映画、まず、横浜映画祭なんですけども。本当に映画を愛する方々が集まって今年で38回という伝統ある映画祭で、そこでの審査で作品賞を頂いたこと、今年の日本映画の1位を頂いたのは本当に誇らしいことだと思っています。1位というのは実写映画、アニメの映画とか取り混ぜての1位なんですね。また、この映画をみた後の感想で頂くんですけども。アニメーションを見てる気がしなかった、実写な気がした。映画そのものじゃない気がした、すずさんが隣にいたような気がした。
そういう意味では、我々のやったことが実写/アニメの境を超えたところで評価して頂いたんじゃないかなあと思った。ありがたいと思っています。中でも、のんちゃんの演技が本来であれば主演女優賞のようなところで審査して頂いても僕は良かったじゃないかと思うんですけども、アニメーションの声優が賞をとるようなところに至ってないので。でもなんとかってことで、審査員の方々が評価してくださったんじゃないかと僕は想像しています。そういう想像するだけの演技を彼女はやってくれたと思っています。(のんさんに向かって)本当に、おめでとうございます。

*動員数の増加について
のん:すごく喜ばしいことですね。私は今年の8月からアフレコに参加して…。監督の6年に比べもにならないかもしれないのですが。そのお話をいただいた時に、すごい作品に参加させて頂けたと。このような作品に参加できるのは、これから役者をやって行く上でないんじゃないかっていうくらい。とても嬉しく思っていたので。そんなすごい作品が沢山の人に受け入れられて賞をいただけたりして、すごい嬉しいですね。監督やスタッフ、関わってくれたみんなで形にしていったものなので。(←のんさん、執念、6年という言葉がお好きなキーワードなのかな?結構、気に入って使用していたように感じた。監督も、それを聞いて笑っていた。)
監督:映画が始まってちょっと経って、層が違ってきたよ、親子連れが増えてきました。お子さん、どれくらいなの?お子さん40代です(会場、笑う。)40代の子供さんが誘って連れてきてくれている…そういうアニメーションは初めてだったのですが、昨日、知り合いが90代の知り合いを連れてきたと…2時間も大丈夫かと思ったのですが。僕らが思った以上にこの映画は、他の人にも見てもらいと思ってくれるような人たちが沢山いらっしゃって。僕らが宣伝できることって限りがあるんですけども。それ以上にお客さんたちがこの映画が自分の映画だと思ってくださって。この映画を沢山、自分の知ってる人や信頼する人たちに見てもらいたいと思ってくださっているのが本当にありがたいなと思います。そういう意味で、皆さんには感謝しております。

*極上音響、効果音などについて
のん:(立川シネマシティの極上音響上映は)すごかったですね。本当に気持ちよくって。自分の声が流れているのを忘れるほど。自然と心の中に入ってきて心地良かったです。
監督:音楽も素晴らしくて。効果音も特に生生しい音が沢山ついているんですけども。すずさんが料理をしているところは楽器は菜箸を使ってたりして。そんなものもあるんですけども、一番こだわったのは人の声でした。(のんさんに向かって)たいへんだったもんね?動いちゃダメだって言われたもんね?
のん:はい
監督:人の声を…喋ってる音だけでなく、息の音も全部録音できるように、普通のマイクじゃなくて、指向性の特に優れているガンマイクでもって、のんちゃんの口元を狙って録ったんです。それが上から…口のところを狙って録っている。最初、のんちゃんも動いて芝居をしようと思ったようなんですけども。
のん;こんな(左右に動いてみせるのんさん。ハムスターか!ってくらい可愛い)
監督:左右に動かないでください。そしたら…(のんさんをチラッとみる)
のん:(ジャンプをしながら)ジャンプはダメですか?
監督:上下もダメです
みんな:笑
監督:でも、本当にそうなんです。上にマイクがあるんですけども、俯くと台本に声が反射して音が反射でもう1回マイクに入ると音が変わっちゃうくらい鋭敏なマイクで録っているんですね。のんちゃんはじめ、みんなの声ってだけじゃなくて、呼吸の音もですね、丸ごと拾えるようにしてですね…。だから、僕は、この映画の中のすずさんたちがそういうようにして存在感を得たような気がします。

*監督を質問ぜめにした女優
のん:すずさんがどういう人かっていうのを掘り下げるために、いっぱい。あと、台本と原作と…映像のために変わっているところを監督がどうお考えなのか、箇条書きにして。①、②、③みたいにしてLINEで送りました。
監督:LINEは大体夜くらいにくるので。寝る前に半分送って。起きて半分を送って。明け方くらいに全部揃ったんじゃないかなと思うけど。
??:そういうサイクルで。
のん:アフレコの合間を使って。
監督:まだアフレコ自体が…のんちゃんは4日かけて録音したんだけども。4日といっても連続して4日じゃなくて。間に何日も空いていて。全体を通じると全部で1ヶ月くらいな気がする。その間、まだ画面が出来上がっていないところとか。せっかく録音いたセリフに合わせて人間の芝居を変えるとか(or アニメーションが作りなおす)。そんなことをしてた。それが夜終わって家に帰った頃くらいに返事を書いて。
のん:すみません(苦笑)ご迷惑かけて。現場の状況とかもすごいことになっていて。監督も食べ物も何も食されずに仕事に没頭しているっていう。集中されているのも聞いていたのですが。自分の思いが止められなくて。
監督:ちょうど仕事終わった頃なので。寝る前と起きた時と、布団の中で(返事を返した)。アフレコと絵を作る仕事をしていて。でも、ちょうどその頃には映画を完成した映画っていうのが自分でもわかった上でつめをしている状態で。のんちゃんは(そのときに)この部分は原作と違うけど聞いて来てくれるんですけどね。アフレコや絵コンテの段階でセリフをきる作業をしていたのって、4年ぐらい前なんですね。それを改めて返してくれることで、自分は4年前にこんなことを考えてやっていたなって、そのとき考えてたことと、今考えてることってちょっと違っていて。色々こう、整理する時間になってそれは良かったですね。結果的には、すずさんは本当の意味で大人になっていくっていうのが、そのやりとりの中で組み立てられていったという感じですね。
のん:良かったー(吐息)
会場:笑
司会:今、初めて明かされる思いですね。(監督と主演の間に)往復書簡があったと。

*忠実に再現された街並み、人たちについて
監督:こうの史代さんが生み出された「すず」さんっていう人が、自分では本当にいる人だなって捉えたかった。本当にいる人だとしたら、後ろにある町も本当にある町にしたかった。なので、そこにある建物は当時あった一軒一軒を再現しようと思った。町っていうのは建物だけじゃなくてそこに住んでる人も含めて町なので。原爆で亡くなった方の顔写真はできるだけ集めてあるわけです、広島で。このうちにはこういう人が住んでいらっしゃったんだなって、それを画面に引き写したりしてたんですが。何より、すずさんが迷子になってもたれていた窓辺があるんですけども、あれは広島の平和記念公園のレストハウスって建物で。今でも残っています。当時は大正屋呉服店っていうですけども。今でも…(のんさんに向かって)行きましたよね?
のん;はい、階段の高さがバラバラになってる….
監督:昭和4年に建てられた建物が原爆に耐えて残っていて。そういう建物を映画に描いていると、この映画を観た後にみなさんが広島に行かれた時に、「あ、ここですずさんがもたれていたのか」と実際にモタれられるんです。僕らが作れるのは画面の中だけなのでさわれないんですけども、この映画に出てくるいくつかは触れるんですね。それはだから、広島でもそうですし、呉でも、今での残っている建物を写し出そうと思いました。映画が終わってもみなさんの中で映画が広がっていくことができるじゃないかと思います。良かったら広島や呉にいっていただければと思います。

*最後に一言ずつ
のん:みなさん、今日はおこしいただいてありがとうございます。とても、嬉しいです。これからもっともっと、この映画が広がっていけばいいなと思うのですが。お友達などにオススメしていただけたら嬉しいなと思います。よろしくお願いします。
監督:本当に、ここの立川シネマシティは良い音で。僕らが録音した通りの音が映写していただいて、こんな大きな画面で写していただいて。多分、みなさんがご家庭でDVDで観てたら絶対聞こえないような音であったり、さっきいった人の声の細やかなところとか、画面の隅々にいるちっちゃな人でも動かしているんですけども、ひょっとしたら会えなくなってしまいます。すずさんがスクリーンの上で活躍できるのって実は限りがあって。映画はロングランしてくれたらうれしいですが、いつかは上映されるようになる。今なら僕らがこういう風に見て欲しいという万全の体制が映画館で再現できますので、繰り返しすずさんを見に来ていただけるとありがたいかなと思います。どうかよろしくお願いします。


+++

最後に記念撮影がありました。
私のアホ面が公式Twitterにのる日が来ようとは、ついぞ思いもしませんでした。(米粒みたいな大きさでしたがね。)
広島や平和公園には何度も足を運んでいる私ですが(修学旅行、家族旅行、個人旅行など)
、今度はすずさんの足跡をたどる旅をしたいと思いました。

平山秀幸映画屋街道40年記念祭り トークショー(10月10日:ゲスト・竹野内豊)No.3

2016年10月12日 00時02分36秒 | 舞台・コンサート感想
~映画全般について~

MC「映画がお好きなようですが、いつ頃からですか?」
竹野内さん「中学生の頃ですね。中学2年生の頃から、少しずつ見始めた。一番最初に映画館に見に行ったのがスタンドバイミー。友達と一緒に新宿まで出て見に行って。その後に、世の中のレンタルビデオショップが出て来て、とにかく借りまくってましたね。1日2,3本ずつくらい。」
MC「洋画が多かったですか?」
竹野内さん「洋画が多かったですね。僕らの世代はバブルの余韻がひきずっていて。ハリウッドの全盛期で。ちょうど70,80年代。結構、一杯借りて見てました。」
MC「監督はこちらに」
監督「僕は文芸座が新になる前に。70年代の初めごろ。オールナイト見たり。当時お金で150円で。(映画をみてました)。」

MC「今でも映画館いったりしますか?」
竹野内さん「いや、行きますよ。」
監督「今は上映のシステムが良いから...音にしても。昔は立ち見で後ろがギュウギュウで映画を見るエネルギーや熱気があった。(今は)綺麗ですから。熱みたいなものが懐かしいなと思って。」
竹野内さん「うん...うん(相づち)」

MC「さっき上から映写室でご覧になってて。」
竹野内さん「あそこに丁度いたんで(映写室の方を指さしつつ)」
MC「皆さんと一緒にご覧になってた。」
監督「後ろの箱から。」
MC「今、フィルムで上映するのも少ないですしね。」
竹野内さん「そうですね、フィルムがカタカタカタカタって凄い良い音で回ってました、さっき。当然、ここ(客席)は聞こえないと思いますけども。」
監督「昔は切れてましたから。フィルムが燃えて、上映が休憩になって。」
竹野内さん「ハハハ(笑)」
監督「ニューシネマパラダイスみたいな。今はそういうのはないですが。」
竹野内さん「ああー。中々今、フィルムで上映する映画もないですしね。」
監督「撮影自体も、フィルムじゃなくてデジタルだから。この『太平洋の奇跡』は(監督にとって)初めてのデジタル。それまではフィルムで撮影して。これは偶々、日本軍は僕が演出してアメリカ軍はアメリカの監督が撮影して。台本で日本語の多い部分は僕が演出して、英語の多い部分は彼が演出する…そうすると、編集するときに日米のデータを併せとすると、コミュニケーションを取りやすい。(デジタル撮影は便利ではあるが)失うものもあると思いますが。」
竹野内「ここで見たかったですね。」
監督「呑むか取るかで!」

~映画のオファーについて~

MC(映画のオファーについて。どういうポイントでオファーを受けるのか/仕事を選ぶのか?)
竹野内さん「いや、そんなに沢山もう…選べるほど...。映画って本当、タイミングですよね。別の仕事で、今までそういうの何本もありますよ。あの映画、本当は自分やりたかったなっていうのは。でもスケジュールがたまたま...後々に公開した時に、ああ、これだったんだっていうのはありますけど。タイミングが合わないと中々出来ないですし。TVドラマもやらせて頂いたりしてるので。連続ドラマは4ヶ月、前後いれたら。スケジュール押さえられちゃうので。そうなるとオーディションとか...例えば海外作品もありましたし。映画って待ってはくれないので。どうしてもやりたくても。ドラマがあるんで、そっちに力をいれなくちゃいけない時で。悔しい思いをしたことは沢山ありますけどね。(だから)平山監督と一緒にお仕事が出来るなんて...『愛を乞う人』が本当に素晴らしいなと思って。」
監督「(『愛を乞うひと』に出た)原田美枝子さんと乗馬仲間なんだって?『竹野内いい子だからよろしく!頑張って!』って伝言を(先日、新文芸坐で行われたトークショー檀上で)貰いました」
竹野内さん「ええ、光栄です。」
監督「僕は5年前に太平洋の奇跡で3ヶ月50℃のタイで、去年、エベレストという作品で5ヶ月-20℃の世界にいた。次は温泉の映画にしてマッタリした映画にしたい。我慢大会はもういいかなって。
竹野内さん「ハッハッハ(笑)」
監督「僻地監督って呼ばれてる。」
竹野内さん「でも僻地がお似合いなんですよ。実際、タイに行かれた時も全然馴染んじゃってて。」
監督「タイに行く前は腹膜炎だし、エベレストに行く前には脊椎板狭窄症で腰にメスを入れた。だから、やっぱり..次は温泉でまったり。体にやさしいやつを。」


~これからの仕事、やりたい仕事について~

MC「どんな映画がやりたいですか?」
竹野内さん「いや、もうー...。(もごもご)」
MC「ここで言っといたらそういう話が実現するかも」
竹野内さん「今までやったことがないような役...昔から、もちろんアクションみたいなものもやってみたいと、ずっと思っていたんですけど。どうもね..自分ね、あんまり動くイメージがないみたいで。最近はもう、流石に、もしそういう役がきたらそれなりに準備をしないと体が動かないかなあとは思いますけど。元々、器械体操も昔やってたんで。だから、20代のころね、もっとやりたかったですよね、そういうの。」(この時、左足方面に視線を送る)」←別に竹野内さんは左足を痛めてる…等という推論を言いたいわけではない。念のため。

竹野内さん「そういうのも面白そうだと思いますし。あと、時代劇とか。」
監督「時代劇ありそう。」
竹野内さん「ないんですよ。大河1回だけの経験しかないですね。」
監督「久しぶりに会って、こういう髪型してたんで、太平洋の奇跡パート2?と思ったくらい、軍人さんらしい。時代劇、武士っぽいフォームがあるんで、時代劇なんか絶対合うと思うんですよ。」
竹野内さん「ありがとうございます(嬉)」
監督「スラッとして似合いそうじゃない。」
竹野内さん「奇麗な役が多かったですよね。それはそれで凄く有り難いことなんですけども。でも男なんで、色んなのやって見たいですよね」(唇を少し尖らせる)
←この時の竹野内さんの姿がとても可愛らしかった。一回り年上の方に対してアレですが。

監督「俺、犯人やれ、悪役やれ、って言った事あるよね。」
竹野内さん「ありますよね。」
監督「(『愛を乞うひと』に出ていた)原田さんはね『竹野内くんはサイコのアンソニー・パーキンスみたいなのが良いよ』って言ってた。」
竹野内さん「ああ...。」
監督「この間、チラっと言ってた。あ、でも(パーキンスを)見ない方がいいよ!」
竹野内さん「うーん。」

MC「アクションするなら急がないと。60代になってしまったら…。」
竹野内さん「まあでもね、時代劇とかね、殺陣とか乗馬とか、そういうのも。」
監督「むこうから走ってくる竹野内豊はカッコ良いと思いますよ。馬に乗ってね。」
竹野内さん(ちょっと嬉しそう)
監督「すっとしてるじゃないですか。」
(観客一同、深く深くうなずく。)


~最後に一言~
(スタッフのカンペで時間が押し迫ったとの知らせもあり、最後の挨拶へ)

竹野内さん「もっと本当は...さっき10分前って…あっという間だなと思ったんですが。なかなかこういうトークショーっていうのが初めてだったんで。さっきから全然、何を話したらいいんだか。どっかここら辺で考えてはいるものの、全然ちゃんと話をつなげていけないし。(後頭部の後ろら辺を指しつつ)あっというまに時間が過ぎちゃったんですけど」

竹野内さん「今後も、まだ平山監督とは..たったの1本しかご一緒出来ていないので、今後とも是非、機会がありましたら。」
監督「ええ。お茶でものんで待って…俳優っていうのは、空気がないといけないんですが、作れるもんじゃないんですよ。それでいうと、(竹野内さんは)俳優の中でシュッとしてる感じがあるんで。…僕とやったら悪役とか捻くれた役になりそうな気がするんで大丈夫かと思うのですが...。」
MC「大丈夫です!」
監督「そういうのじゃなくて(苦笑)。…そういう役が手に入ったらオファーします。」
(観客一同、是非よろしくお願いしますの拍手。そして終わりの合図)
一同「ありがとうございました。」

監督、竹野内さんの順で退場。竹野内さんは自分の椅子を元の位置に戻して退場される。←動作がいちいち可愛い…雑な動きではない。
また、MC、竹野内さん、監督ともども、結局テーブルの上に置いてある水を飲まずに退場。終始、まんべんなく2人+MCで会話を進めた印象。


(終わり)


**追加①
竹野内さんの去り際、ファンの方3人(やや年配の女性の方)がプレゼントを片手にステージに駆け寄り、竹野内さんに手渡されました。(ワイン?とかかなと。)
竹野内さん、「ありがとう」と声をかけていました。そして、「握手を…」というファンの求めに応じて握手を。これには会場からは悲鳴があがりました(いいなあという声、非難の声などなど・笑)。
この時に指の美しさ、お礼をする時の体の傾け方の絶妙さを堪能いたしましたが、これについては役得でした。←私、竹野内さんの靴音が聞える程度には近くの座席に座っていましたので...(結構前の前)。
安全の面でこういう類のイベントではプレゼント、あるいは直接手渡しは受け付けないと思っていましたが、こういうのが許されるのなら私もバラくらい買っておけばよかったかしらと、ちょっと思ってしまいました。←いろいろ止めとけ。

**追加②
どこかの場面で、竹野内さんのため息がマイクを通して流れました。イケボのヒトはため息までもイケボなんだなと思いました…とても色っぽかったです(昇天2)。