「 ストーブを沼に落としてしまいました」 |
「 お前のストーブは金のストーブか、銀のストーブか 」 |
「 鉄のストーブです 」 |
「 正直な奴だ、それでは金のストーブを上げよう 」 |
という話ではなくて、薪ストーブの材質の話。それは鉄なんだけど、鋳物と鋼板の2種類がある。他に厚さ1mmも無い薄い鉄かステンレスの板で出来てるのもあるが、ここでは100kg以上もある鉄の塊のようなストーブについて話を進める。
ストーブ屋サイトには鋼板製は鋳物製に比べて素早く暖まるなんて説明がよくある。ところが食器などを販売してるサイトでは鋳物製なので熱が素早く伝わるような記述がある。おいおい、鋳物の熱の伝わり方は遅いのか速いのかどっちだい。
身近な金属で熱伝導率の良いのはアルミや銅で、悪いのがステンレス。最近使われ始めたチタンは更に悪い。鋳物や鋼は性質は違うものの同じ鉄、若干鋳物の方が熱伝導率は悪いけど大差無いのが下の表(※)から分る。この程度の差では 「 やっぱり鋳物は違うねぇ 」 とはならないと思う。
物質名称 | 熱伝導率w/(m・k) |
銅 | 355 |
アルミ | 222 |
7/3黄銅 | 121 |
りん青銅 | 84 |
鉄(ss400) | 52 |
鋳鉄(fc250) | 43 |
ステンレス(sus304) | 16 |
では何故鋼板製のストーブは鋳物製のに比べて速く暖まるという記述があるんだろうか。それは単に重さの差じゃないのかな。それとも鋳物製のストーブと鋼板製のストーブでは作る方針が違うとか。
鋳物は鋼板に比べて脆いので厚くしないといけない。結果的に重くなってなかなか熱くならないってことになる。同じ火力なら100kgのストーブより200kgの方が熱くなるのは遅い。それだけの話だと思う。鋳物だって薄く作ればそういうストーブの性質は鋼板製とそれほど変らないはずだ。
※
「 鋳物 鋼 物性 」 で検索してようやく熱伝導率が書いてあるページを見つけた。上の表はその中にあった色々な物性を書いた表から熱伝導率だけを取り出したものである。また SUS304 の欄はこれだけでは何の事か分らないのでステンレスと補足した。そして小数点以下は四捨五入して熱伝導率の良い順に並べ替えた。ちなみにホームページは http://homepage2.nifty.com/ty-1999/ である。
同じ理由により、鋳物の方が、ストーブを消しても冷めにくい、ということになりますね。
そういうことですかねぇ。
ただこういうローテク物は性能を左右する要素が明確に出来ないので使ってみたものの何故暖かいのか何故今一つなのか中々判断できません。
鋳物の熱伝導はたぶん「ステンレス鍋に比べて」
良いという事ではないかと思います。
ストーブの表面温度を測るとわかりますが
同じ側面の一枚の板で上下で100度も差があって
何時間焚いても温度差がなくならないなんて
ことがあります。鋳物の熱伝導はかなり効率悪いと
思います。
あとは、出す熱の種類ですが、同じ鉄だから
同じと思いたいですが、鉄の中の炭素が多いか
少ないかで、鋳鉄と鋼鉄が分かれますが、
その炭素が放出する遠赤外線の量に違いを産むと
言われています。
しかし、遠赤外線と言われると、、、マイナスイオンや、
活性酸素と同じく怪しい気がしますよね。
ただ、鋳物は製法上表面が粗くなり、表面積が
大きくなるので、同じ熱量をもったときには
つるつるの鋼鉄より放出する遠赤外線が増えるのは
もっともなことではないかと思います。
> たぶん「ステンレス鍋に比べて」
あ、なるほど。
でも何と比べてるのか書いてないので都合の良い話だけ並べてる気もしますね。
> 同じ側面の一枚の板で上下で100度も差があって
> 何時間焚いても温度差がなくならないなんて
それは鋼板でも似たようなもんです。うちの場合、煙突の辺りから中心が一番熱くなります。端の方は300℃なんて温度にはなったことないです。
> しかし、遠赤外線と言われると、、、
そういう違いはあるのかもしれませんが、他の要素に隠れて体感的にはなかなか分らないでしょうね。
> ただ、鋳物は製法上表面が粗くなり、表面積が
大きくなるので、同じ熱量をもったときには
そういう部分でも違いが出てきますかね。
ただこういうローテクものは燃料の薪からして毎日違うわけなので調子の良し悪しの理由が良く分らないですねぇ。