森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
花・髪切と思考の
浮游空間
カレンダー
2010年1月 | ||||||||
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
1 | 2 | |||||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | ||
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | ||
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | ||
31 | ||||||||
|
goo ブログ
最新の投稿
8月6日(土)のつぶやき |
8月5日(金)のつぶやき |
6月4日(土)のつぶやき |
4月10日(日)のつぶやき |
2月10日(水)のつぶやき |
11月12日(木)のつぶやき |
10月26日(月)のつぶやき |
10月25日(日)のつぶやき |
10月18日(日)のつぶやき |
10月17日(土)のつぶやき |
カテゴリ
tweet(762) |
太田光(7) |
加藤周一のこと(15) |
社会とメディア(210) |
◆橋下なるもの(77) |
◆消費税/税の使い途(71) |
二大政党と政党再編(31) |
日米関係と平和(169) |
◆世相を拾う(70) |
片言集または花(67) |
本棚(53) |
鳩山・菅時代(110) |
麻生・福田・安倍時代(725) |
福岡五輪幻想(45) |
医療(36) |
スポーツ(10) |
カミキリムシ/浮游空間日記(77) |
最新のコメント
Unknown/自殺つづくイラク帰還自衛隊員 |
これお・ぷてら/7月27日(土)のつぶやき |
亀仙人/亀田戦、抗議電話・メールなど4万件突破 |
inflatables/生活保護引き下げ発言にみる欺瞞 |
これお・ぷてら/10月2日(火)のつぶやき |
THAWK/10月2日(火)のつぶやき |
これお・ぷてら/10月2日(火)のつぶやき |
THAWK/国民の負担率は低いというけれど。 |
THAWK/10月2日(火)のつぶやき |
THAWK/[橋下市政]健康を奪い財政悪化招く敬老パス有料化 |
最新のトラックバック
ブックマーク
■ dr.stoneflyの戯れ言 |
■ machineryの日々 |
■ えちごっぺのヘタレ日記 |
■ すくらむ |
■ 代替案 |
■ 非国民通信 |
■ coleoの日記;浮游空間 |
■ bookmarks@coleo |
■ 浮游空間日記 |
過去の記事
検索
URLをメールで送信する | |
(for PC & MOBILE) |
名ばかり首相と影武者
米政治学者が警戒、「小沢氏は影武者」 |
日本通だといわれているマイケル・グリーン氏ですが、この指摘は的確とはいえない。もはや小沢一郎が民主党の最高実力者であることは誰の目にも明らかになっています。小沢の一声で、民主党(政権)の姿勢が決定づけられるといっても過言ではない。小沢は影武者ではなく、堂々と強権発動をしているではありませんか。
藤井前財務相の辞任劇の背景に、藤井と小沢の確執が指摘されています。つまり、藤井前財務相は、昨年、小沢の西松違法献金問題が浮上したとき、代表辞任を公言したことで二人の関係が悪化したということです。来年度予算編成のなかで課題となっていた暫定税率廃止も、小沢の一声で撤回されたといいます。
藤井財務相辞任:「対小沢氏」で心労 自民は「政治とカネ」追及 小沢氏の発言は藤井氏の財務相起用を批判したものと受け止められた。小沢氏は昨年12月16日に10年度予算案への重点要望を申し入れるため、首相官邸を訪れた際、「本当に政治主導だったか疑問がある」と政府側を批判。ある党幹部は「あれは首相に言ったのではない。藤井さんに怒っていた」と解説する。 |
というのであれば、小沢の要求を首相が呑み、藤井が譲歩したという構図も考えられるわけです。そうした経緯とともに、今一つは、取りざたされている藤井が受け取ったとされる多額の組織活動費問題。2003年当時、すでに故人となった松岡利勝がこの問題を取り上げ質問しています。
小沢をめぐっては、新生党から新進党、自由党と結党・解散を繰り返す間に、政党助成金を含む使い残した政治資金数10億円が行方不明になっているという指摘がります。これと、藤井にわたったとされる多額のカネの関係はいかなるものか。疑惑がますます膨らむのです。
その小沢は、以上の政党助成金の行方不明でなく、周知のとおり、資金管理団体「陸山会」の土地購入資金についての疑惑が伝えられました。東京地検特捜部は、同会の事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員や、会計責任者だった公判中の大久保隆規公設第1秘書から事情を聴取し、大手ゼネコン数社の取り調べも開始しているといわれています。そして小沢への事情聴取が要請され、小沢は応じるものと報じられています。
疑惑をもたれている億単位の巨額の資金。資金の出所は解明されていません。小沢自身が説明すれば、からんだ縄がなんなくほどけるようなものでしょうに。西松献金問題でも一言も説明なし。権勢を誇る彼がことカネの問題になると知らぬふりをするのも合点がいきません。疑惑の発端は「陸山会」が2004年に東京都世田谷区深沢の土地を約3億4000万円で購入したにもかかわらず、同年の政治資金収支報告書には記載されていなかった問題です。翌年の報告書には「陸山会」が4億円の定期預金を担保に金融機関から4億円を借り入れ、土地代金に支払ったように記載されていました。しかし、実際の取引は借り入れの前で、もともとの土地代金などの出所は不明のままでした。
これでは説明不能だと私には思えますが、それゆえ小沢はだんまりを決め込んでいるのでしょうか。小沢の疑惑を問われた鳩山由紀夫首相は、こう答えています。
ご自身が判断される問題だ |
と。
おかしな話です。自らも偽装献金から始まり、母親からの多額の資金提供をふくめた政治献金問題について、判断をしたのでしょうか。司法に任せるという態度に終始してきたのが事実でしょう。虚偽の届出は明確な犯罪。その嫌疑が二代にわたってかけられているのですから、民主党自身も問われなければならないでしょう。
その小沢が予算にかかわる要求を政府につきつければ、軌道修正も異もなくおこなわれるという構図。その構図のもとで、鳩山首相は名ばかり首相を務めているのです。
その首相の無内容と「無政府状態」は、先の「ご自身が判断される問題」というコメントに集中して表現されていると私は思います。だからこそ、グリーン氏の影武者に違和を感じるのです。
(「世相を拾う」10008)
*応援をよろしく ⇒
*こちらもお願い⇒
【関連記事】
組織対策費:新進、自由党でも 藤井前財務相には31億円
政権も安穏としておれないのだが。。
藤井氏の後任にはあのイラ菅が収まるようです。したがって、菅のあとの国家戦略相には仙谷由人が行政刷新相と兼務するという。図式的にいえば、仙石の政権内の位置がいよいよ高まるということでしょうか。
その仙谷。消費税増税路線をあらためて主張しなおしました。彼がどのようにい釈明しようと、最初に消費税ありきの感はぬぐえません。「消費税はもちろん、法人税も所得税も新しい発想で臨まなければ」ですって。当の本人が旗をふったあの事業仕分けで、財界や大企業に声をあげることができたでしょうか。何もいえなかったではありませんか。そして、つまるところ、消費税増税に収斂されるのですから。欺瞞でしょう、これって。 しかし、法人税をあげるとは口が裂けてもいえず、国民の反発を買わざるをえないところに、政権が追い込まれていることの証左でもあります。
行政刷新相「消費税率、大幅引き上げやむなし」 仙谷行政刷新相は6日、東京都内での講演で、今年末までに行う2011年度税制改正で、消費税率引き上げを含む税制の抜本改革を実施すべきだとの考えを表明した。 仙谷氏は11年度予算の財源確保について「消費税はもちろん、法人税も所得税も新しい発想で臨まなければ(11年度)予算編成が出来ない可能性もある」と指摘した。「人口減少、超高齢化社会の中で、現役世代に大きな負担をかける仕組みはもたない。消費税を20%にしても追いつかない」とも述べ、増大する社会保障費の財源を確保するためには、消費税率の大幅引き上げもやむを得ないとの見方を示した。 |
民主党内に3つの流れがあるといいます。構造改革を推進しようとする勢力、国民の声に押され社会保障などへの一定の手当てをしようとする勢力、そして小沢一郎を領袖とする潮流。
その小沢にむけて検察が動き出しました。
小沢氏を任意聴取の方針 土地取引問題で東京地検 小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が2004年に取得した土地の購入原資約4億円が政治資金収支報告書に記載されていない問題で、東京地検特捜部は、小沢氏本人から任意で事情聴取する方針を固めた。聴取に応じるよう、弁護士を通じて6日までに要請した模様だ。小沢氏は告発の対象外だが、土地取引は小沢氏の指示で始まり、約4億円も小沢氏の資金とされているため、聴取は不可欠と判断した模様だ。 特捜部は、事務担当者として経理を担当した元秘書・石川知裕衆院議員(36)=同党、北海道11区=を、通常国会が開会する18日までの来週にも、政治資金規正法違反(不記載)罪で在宅起訴する方向で検討している。小沢氏の聴取では、小沢氏の取引への関与の実態や、約4億円の資金をどうやって出したのかなどの解明を目指すものとみられる。 |
こんな蛇行をしながら、参院選まで民主党とその政権は動くのでしょう。
しかし、自民党にとっては、つつけばどこからでもほこりがでてくるような民主党政権の迷走ぶりなのですが、その力はほとんど蓄えられてないといってまちがいない。むしろ、気の早い舛添は政界再編を前提に一肌ぬぐようなことをいっているくらい、党総裁の権威なんてどこにあるのという具合でしょうね。
(「世相を拾う」10007)
*応援をよろしく ⇒
*こちらもお願い⇒
企業・団体献金禁止? 考えてないよ!
当ブログは、政権が今後やるだろう仕事とやらないだろう仕事を見立てました。
記事によれば、二代にわたって民主党の党首に問われている「政治とカネ」問題で、抜本的な転換を図ろうなどとは寸分も考えていないということでしょう。だとすれば、小沢、鳩山両氏は自ら問われる問題に答えないというばかりか、政党・政権としてもまじめに考えようとは思ってもいないというわけです。もちろん自民党が、国会開会冒頭から首相のカネにまつわる問題を追及しようとしていることはすでに伝えられているとおりです。
でも、自民党のこんな、自らを省みない党略的な対応に、はたして民主党は応えられるのでしょうか。
問われる首相の姿勢=規正法改正見送り 鳩山由紀夫首相は5日、企業・団体献金の全面禁止を柱とする政治資金規正法改正案の通常国会への提出に否定的な考えを明らかにした。民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で、同法の改正を掲げており、後退した印象は免れない。首相自身、「政治とカネ」の問題を抱えているだけに、姿勢が問われそうだ。 |
小沢一郎は、自らの西松建設違法献金が発覚したのち、企業・団体献金の全面禁止を表向き唱えたわけですが。それにも反する態度となるわけです。国会のなかで、企業団体献金の全面禁止を考えているのは共産党以外にはおそらくないでしょう。いまになって公明党は上にあるようなことをのべているようですが、自民党とともに政権にあったとき、なぜ明確な態度表明ができなかったのか。
母親から贈られた資金などを「個人献金」と偽って届け出、贈与税も払っていなかった点を自ら鳩山氏が語ったでしょうか。語ってはいません。常識が通じないのが鳩山由紀夫。自ら解明し、責任を明確にするというのは首相にはできませんでした。もっとも小沢一郎もまただんまりを決め込んだだけでしたが。
自民党政治を批判しつづけて政権についた民主党ですが、こうしてふりかえると、何も自民党とかわらない。民主党には、この「政治とカネ」問題でもそのことが問われているというのに。
(「世相を拾う」10006)
*応援をよろしく ⇒
*こちらもお願い⇒
真価が問われる社民党- 重野発言から
この重野の発言は私は異論ありません。社民党はがけっぷちに立たされている。この間の当ブログのエントリーから、そのことはただちに了解いただけるものと思います。
社民党「我が党はがけっぷち」 仕事始め 社民党の重野安正幹事長は4日、党本部での仕事始めで「壮大なことを語る我が党だが、じゃあ誰がやるのといった瞬間に言葉が途絶えてしまう。我が党はそういう意味では、がけっぷちに立っている」と語った。夏の参院選についても「選挙区2人、比例区3人の当選を目指して頑張る。本当に我が党にとってはがけっぷちの選挙」と繰り返し、危機感をあらわにした。 一方、政権与党の一員としては「その立場を明確にしつつも、護憲の党として、その魂を個々の政策のなかに生かす」との決意を示した。 |
ようは、社民党がかかげてきた同党の理念に拘るのか、そうでないのか、政権について以降、この問いが同党につきつけられてきました。もともと社民党とは根本のところで相容れないだろうと思われる政策を持っている民主党と連立を組むことにたいして、疑念がないわけではありませんでした。しかし、福島党首は、(政権の)内部からかえてみせるみたいなことをのべましたから、ではお手並み拝見というところで、いったんは鞘を収めたという感じで行方を見守ってきたわけです。けれど、というか、やはり福島瑞穂のいったことは大言壮語とはいわないまでも、ほとんどウソに近かったといえます。少しも民主党政権を御することなどできませんでした。民主党内の、あるいは政権内の民主党閣僚の発言に振り回され、太刀打ちもできずに、とどのつまり小沢一郎にすがりつくという構図は、余りにも悲惨な社民党の姿といえなくもありません。反戦・平和をかかげる社民党の危機、普天間基地移設問題にかかわって、少なくない人々がそう思ったはずです。同党を支持してきた人も、支持していなくても。
重野の発言はこうしたこの間の経過をふまえると、ただしい。こういえるでしょう。後がない状況です。しかも、連立の相手の民主党は、社民党の存在などほぼ無きに等しい位置づけであることが民主党の今年からの運動方針案で明確になってしまった。社民党は茫然自失、こういってよいような立場に置かれてしまったのでした。さすがに小沢一郎は、表向き社民党との連立はつづけるといい続けていますが、方針案を練り上げる最終的な責任者は幹事長である小沢でしょう。表では社民党と連携するといっておきながら、民主党の方針には社民党の陰がほとんどみえないものを今月の党大会で提案するというのですから、舌は何枚もあるのかもしれません。
参院選で単独過半数をとることが、当面の最大の政治目標と公言してはばからない小沢と民主党ですし、念願かなった暁には、社民党は袖にされることは必至と想定せざるをえません。社民党には社民党の事情があって、たとえば普天間基地問題でいえば県外・国外移転という方針を少なくとも有権者むけに発しなければならない。すると、それは、民主党のこれまでの安全保障・防衛、対米政策にかかわる主張と少なくとも衝突せざるをえませんか、矛盾が内外に広がる。こんな政権内に爆弾をかかえる状況から脱出し、いつでも一党で決断できる状況の構築こそ、小沢の視野に入れているものでしょう。社民党は、同党の県外・国外移転という主張もあやしいのが現実、福島の対応をつぶさにみればよく分かるものです。
重野の発言は、こうした社民党のながいものにまかれろ的発想にたいして党内に反発があることを反映したものだと願望をこめてみておきたいと思います。
重野の言葉に、すでに当ブログで指摘した中道の憂鬱(参照)がみてとれるのではないでしょうか。
(「世相を拾う」10005)
*応援をよろしく ⇒
*こちらもお願い⇒
民主党の強権的対応は強まらざるをえない
小沢が民主党(政権)の実権を握っているのは、もはや露になってきました。新年早々の会合に160名を集めて挨拶をする小沢の姿は、彼が同党の権力者であることを自他ともに認め、鼓舞するようにも思えました。同時に、こうしたセレモニーを伝えられると、政党という組織としての位置づけを超えて、小沢個人のもとに集う、顔を出さざるをえない事情に、異常さを感じます。新人議員の多くが参加しただろうことは想像に難くありません。そういえば、当選したての新人議員たちに研修を小沢は幹事長として義務づけたりしたわけで、その強権ぶりは一面、時代錯誤的にもみえるわけです。
この小沢と対比して、首相の表面上は少なくとも煮え切らないとみえる姿勢と明瞭さがほとんどみられない発言は対照的でした。鳩山首相のイニシアチブを感じる有権者は、ですから皆無に等しいともいえるでしょう。最近の世論調査における内閣支持率の低下に、この点が影響し反映しているとみて不思議ではありません。
以下の記事は、民主党が政権について以後の、にわかに表面化している以上の状況にふれたものです。
小沢氏、「政策介入」に様変わり=首相とのすきま風じわり
記事の言葉を借りれば、小沢の介入は、彼自身がのべてきたことと明確に反します。鳩山との任務の分担を強調し、政策への直接的関与を否定してきたのはほかならぬ小沢でした。けれど、小沢の介入は、07年参院選、09年衆院選と連続する選挙で、国民向けの、むしろ関心を買うように、自らの従来の政策をも曲げてきた小沢(と彼が主導してきた民主党)がつくり出してきた矛盾でもある。同党の政策とこの2つの選挙での主張のつじつまを合わせることは、鳩山にはできず、とどのつまりほとんどを難問として先送りせざるをえなかった。せいぜい、首相として外形的に発言はつづけてきたものの、他の官僚を、同党の議員を納得させるにはきわめて不十分なものにならざるをえなかったわけです。鳩山以外の官僚にしても、誰も他を納得させるに足る発言はできなかった。
ですから、昨年末の大勢を引き連れた民主党としての政府への要求提出は、こうした大げさにいえば無政府的状況を治めるための手段であり、契機となった。同様に、記事にあるとおり、小沢が下地島か伊江島への移転を提案したとたん、同党内はもとより、傍目には、普天間基地移転問題で県外・国外移転という「原則的立場」を主張してつづけてきたと思われる社民党までも、検討の余地ありという態度を示すのですから、もはや政局を牛耳るのは実態上、誰なのか、誰の目にもあきらかではありませんか。社民党にいたっては、外交担当者の交代を要求しながら、首相の発言に集中するのではなく、小沢を頼りにする姿勢を露骨に示すなど、外形的にも二重権力といわれた地点から、あきらかに小沢に擦り寄っている。権力は事実上、一極に集中しているといってよいでしょう。
この小沢の介入、強権的・権威主義的なふるまいは、参院選が近づくにつれ、いっそう強まると見立てます。強権的・権威主義的なふるまいでもって非合理をも、無きものにし揉み消す。片方で単独過半数奪取を政治目標に掲げ、小沢を中心にした集権的なしくみをつくりあげつつありますし、政策的混乱を政府内で収束できず、小沢が内閣を超えて、権威的に乗り出し統治する構図はいよいよ今後、明確になるだろうと思えるのです。それは、先にのべた選挙戦術と同党の本来の政策の間との矛盾に源がある。
しかし、これ自体のおかしさは、国会の外からはよくみえる。たとえば、件の中国副主席の天皇会見に際しての小沢の発言に、それは、典型的に表現されました。憲法を知らないものが何をいう、辞職してからモノをいえといわんばかりの態度で、会見に至る経過に異論をのべた者を小沢は恫喝したのです。理屈ではなく。だが、小沢自身が日本国憲法を知らなかった。批判が集中し、彼は釈明せざるをえませんでした。
小沢に多くがなびく同党の実情。これをそのまま、国会に転移させ、その機能をもかえようとする彼に誰が反論しているでしょうか。誰も反論しえない。国会改革の名で、私の考えでは、集団的自衛権容認に接続する官僚答弁の廃止を禁止し、まず解釈改憲を容易にしようとする。そして、改憲論者の首相自身がついに改憲論議をはじめようという発言を口にしました。また、同党は、議員定数削減と銘打って、比例代表制を廃止しようとすらしている点を、私は強調せざるをえません。ですから、こうした状況は、強権的な政治体制をも想定せざるをえないような今年を予感させるものです。要注意です。民主党の単独過半数という一つの可能性、条件は、それを加速させるにちがいありません。待ったをかける条件は、同党内にはすでにないといいきってもよいのでは。その条件は、視野が開ける国会の外からつくられるのではないでしょうか。
(「世相を拾う」10004)
*応援をよろしく ⇒
*こちらもお願い⇒
辺野古でなければいいというものではない。。
追記に追記しました(参照)。
米軍基地問題が、これだけ引きずるのは、いかに今の政権にとっての難問なのかを示していますね。参院選をにらんだ、精一杯の対応、つまり先送りだともいえるでしょう。が、問われているのは、民主党だけではなく、社民党にとっても同じこと。
加えた記事で、福島瑞穂はとりあえず同党の立場を語っています。が、ニュアンスを感じなくもありませんね、私は。
辺野古、つまり日米合意以外の代替案ならば結構などと考えているわけではないでしょうね。県外であればいいというのは、結局のところ、基地問題の平行移動にすぎません。ちょうど、この記事の問題のように。昨年末に伝えられた、米兵の子が引き起こしたこの事件。ここまでくるのにどれほどの時間を要したのか。しかも、送致されたのは一人です。いうまでもなく、この事件とその後の経過は、米軍基地と日米地位協定がなければありえなかった。沖縄でいったいどれほど繰り返されたのか。同様の問題を、たらい回しにすることによって移動させるにすぎません。少なくともその可能性に注目せざるをえません。そもそも県外移転と叫ぶだけでは不十分なのです。米軍基地は、米国に返す。即時撤去を強く要求すべきというのが私の考えです。
*応援をよろしく ⇒
*こちらもお願い⇒
追記- 社民党の主体性はどこに
エントリー;2009年回顧- 政権のゆくえと社民党の追記。
いったい主体性はどこに行ったのでしょうか。辺野古はだめだが、下地島ならいいという根拠があるというのなら、それはどこにあるのか。社民党の理念を忘れてしまったのでしょうね、福島瑞穂党首は。中道の相対主義がここにあるのではないでしょうか。ここまで連立にしがみつくのは如何。
普天間移設:社民党首「下地島も考慮する」 小沢氏が提起 下地島空港の位置 民主党の小沢一郎幹事長が29日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として下地島(同県宮古島市)に言及したのを受け、政府・与党で作る沖縄基地問題検討委員会の検討対象となる可能性が出てきた。 「社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は30日、「それも含めて検討する。他党の提案は考慮する」と記者団に表明。「社民党としては県外・国外移設の中で候補地を探したい」とも語った。 北沢俊美防衛相も同日、記者団に「小沢氏の意見も協議の大きな課題にはなる」と述べる一方、「キャパシティーの問題がある」と否定的な姿勢も示した。鳩山由紀夫首相は記者団に「検討委の議論に委ねている」と述べるにとどめた。 |
しかも、重野安正はこのありさま。記事をそのまま受け取れば、小沢にすがるというところですね。
社民、普天間問題は小沢氏頼み 首相発言に警戒感 鳩山由紀夫首相の米軍普天間飛行場移設をめぐる発言に社民党が神経をとがらせている。連立政権にとどまったまま来年夏の参院選に臨みたいが、護憲・平和の党是は譲れない――。首相はあてにならないとみて、民主党の小沢一郎幹事長に頼り始めた。 「総理の感覚を疑う。問題意識を共有してほしい」。28日の3与党幹事長会談。社民党の重野安正幹事長は首相への不満を小沢氏にぶつけた。首相が26日、同党が普天間飛行場移設先として掲げる米領グアムは困難との考えを唐突に示したためだ。 小沢氏が28日、政権交代前の日米合意である沖縄県名護市辺野古への移設に難色を示すと、福島瑞穂党首は30日、「非常に意を強くした」と歓迎。選挙協力が話題になった29日の3党忘年会でも重野氏は首相への不満を漏らし、小沢氏は何度もうなずいたという。 社民党執行部は、党の浮沈がかかる参院選で連立政権での成果を訴えようと懸命だ。来年度予算では子育てや低所得者対策で「党の主張が入った」と福島氏が強調。来年のポスターでは、消費者・少子化担当相の福島氏が国土交通副大臣の辻元清美氏とのツーショットで、「連立政権でやります」と訴える。 |
社民党と連立をめぐる動きは、新年に先送りされました。社民党の態度は、今後の政党再編の可能性をも匂わせるようにも私には思えます。
社民党、いよいよ危うし。。
(「世相を拾う」10002)
*応援をよろしく ⇒
*こちらもお願い⇒
追記;
その後の社民党の動向は以下のとおり(1月2日)。
県外・国外移設へ決意=福島社民党首
社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は1日、都内で記者団に対し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「県外・国外移設で社民党は頑張っていく。(政府・与党の議論の)先頭に立っていく」と述べ、6日に再開予定の「沖縄基地問題検討委員会」で県外・国外移設の結論を導きたいとの決意を示した。
福島氏は「(同県名護市)辺野古の沿岸部には絶対に海上基地を造らせない。海上基地は利権、大規模公共事業そのものだ」と強調した。
福島党首のこの発言は、あらためて県外・国外移設という立場を伝えるものです。が、そうすると、小沢一郎が提案したといわれる下地島などの代替案に検討の余地があるというそぶりをみせたこととどう接続できるのか。後段で福島が語っていることは、辺野古だけはだめよと読めなくもありません。
政権のやる/やらないだろう仕事
この日本国の現政権。誕生して4カ月目になりました。ところが主軸がしっかりせず、国民・有権者にはみえないところが少なくありません。そんな中、あえて、民主党政権がやるだろうこと、やらないだろうことを列記してみました。残念ながら、やろうとしていることを考えるとき、危険な一段階に今年あると考えざるをえませんでした。順不同。
やるだろう仕事
- 官僚答弁の禁止
- 議員定数の削減
- 憲法調査会の始動
- 普天間米軍基地移設の国内決着
- 消費税増税
- 後期高齢者医療制度の廃止
- 年金記録問題
- 企業団体献金の禁止
- 医師増問題
やるだろう仕事のなかには、マニフェストにうたっていないものがあります。通常国会冒頭で数の力が押し切ってでもお小沢がやろうとしている国会改革案。官僚答弁の禁止が中心でしょう。これによって、集団的自衛権を容認しようというもくろみが垣間見えます。自衛隊の海外派兵は、小沢のかねてからの主張でもありましたし、米国の要求にこたえる上で必須の課題と考えられているでしょう。これが、普天間米軍基地移設の決着ととからむと推測するのです。
その普天間基地問題は、おそらく国内で決着する(方向を示す)でしょう。その時期には、すでに鳩山首相は退陣しているという予測をたてる評論家も昨年末、もう現れていました。首相のイニシアチブを軸に、鳩山に見切りをつけ、政権としての難局を乗り切るには、事実上、トップたる小沢の登場以外にない、という見立てです。的を射ているか否かは別にして、小沢によって(党と政権の)動向がしだいに定まるというのは事実のようです。
官僚答弁の禁止は、たとえば内閣法制局長官の答弁を禁止することによって、ときの政権の見解で憲法が解釈するのに道を開く。この解釈改憲を可能にするものなら、昨年末の首相発言に端的なように、民主党のなかに明文改憲をめざす潮流が確固としてあるのも事実。鳩山由紀夫は明確な改憲派です。「新憲法試案」というものを2005年に発表しています(参照)。
小沢の国会改革案には、すでに強権的姿勢が貫かれていますが、議員定数の削減はこれをいっそう加速するものにみえます。議員定数削減という名で、一部にあるムダをなくすことにたいする国民の意識を利用しながら、その実、やろうとしていることは、比例部分の削減にほかなりません。小選挙区制度の拡大です。それによって、少数政党はいよいよ排除される。また国民の意識は多様ですが、それを制度的に排除し、一つの方向に収斂させる。制度として翼賛体制を容易につくりうる状況も想定される。
そして消費税増税。これ自体、欺瞞的な4年間の封印論もどこかにおいて、昨年末、仙谷由人が発言しました。財政がもたないだと。そう仙谷が語るとき、彼の頭のなかには、財界にたいする課税など微塵だにないでしょう。部分を議論しても太刀打ちできないというのは、財界や大企業という一握りの部分に、法外な減税をつづけてきたこれまでの日本政府の姿勢にたいする無反省の上に成り立っています。民主党に、大企業にモノをいえる力はないのです。
2009年度終盤の最大の課題となった普天間基地問題。
これも年末の小沢発言が問題の行く末を示唆しているようです。つまり、少なくとも国内で決着する。先にあげた集団的自衛権の容認への道筋を明確にすることで米国への忠誠を示しながら、米国との決着交渉にのぞむのでしょう。
政権のやるだろうことは、私にとって否定される方向ばかりのものであって、それぞれの実現がいつかは定かではもちろんありません。けれども、これらの方向は参院選の結果次第では一気に現実味を帯びることだけは確実でしょう。その意味で、参院選は重要な節になる。
一方の、やらないだろう仕事。これを実現させるためには、声と動きを大きくする以外にはない。国会のなかだけでは政治は動きません。
(「世相を拾う」10001)
*こちらもお願い⇒