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石原と橋下が手を組めばどうなるか
ともあれ、都知事と大阪市長という二大都市の首長が会って、政治戦略というものをお互いに交わしただろうとは誰もが推測してもおかしくはありません。
朝日はこう伝えています。
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長と石原慎太郎東京都知事が4日、大阪市内で会談した。新党結成を視野に入れている石原氏は、国政進出を目指す維新の会との連携を模索している。次期衆院選に向け、協力の可能性について意見交換したとみられる。
橋下氏と石原氏は昨年12月、都庁で会談。関係者によると、今回は石原氏の京都出張に伴い、石原氏側から会談を打診したという。
「石原新党」については、国民新党の亀井静香代表やたちあがれ日本の平沼赳夫代表らが、早ければ月内にも発足させる考えを示している。石原氏は新党について明言を避ける一方、維新の会の政策集「船中八策」については、「大賛成のところがある」などと評価。「大阪維新の会が発展すれば、日本維新の会になるかもしれん」とも語り、橋下氏らに親近感を示していた。
橋下氏と石原氏が会談 次期衆院選へ意見交換か
石原と橋下という、親子以上に年齢の離れた二人が語る政治構想とはいったいなにか。
これだけの年の差があれば通常、人の考え方にも大きな開きがあるとみてもあながちまちがいとはいいきれません。それは、たとえば、たびたび表れてくる今の若者はという切り口上にも表れてもいるように思えます。先行する世代のこうした物言いは、たぶんに自分にはない若者にあるものにたいするちょっとした羨望や嫉妬もそこにふくまれているかもしれません。ふつうは、こうして違いこそ浮き彫りになるというものでしょう。
それで、この二人はどうか。これまでの発言から察すると、すべてで一致するというものではなくとも、相通じるところはあるようです。なければそもそも会うはずもないでしょうし、それ以上に、無視できない論点で彼らが一致しているという事実をこそ強調しておくことが必要なように思えます。
何よりもその点であげたいのは、二人の憲法観です。率直にいえば、反憲法的な考えを共有している。石原にいたっては、憲法を廃棄し、おそらく明治憲法に近いような外形をもつ草案というものを発表したくらいですし。一方の橋下も、ことあるごとに9条をいわば敵視するような発言を繰り返しているわけですから、憲法に価値を置く人ならば彼らの動向に無関心でいるわけにはいきません。
ふたりが実際に何を相談したのか、それは今の段階でむろん知る術はありません。しかし、メディアのいう石原新党がすでに発表している綱領と、例の船中八策をてらしあわせると、何に二人の関心があるのかもみえてくるように思います。
東京都の石原慎太郎知事が、たちあがれ日本の平沼赳夫代表らとともに結成を目指す新党の綱領の骨子が27日、分かった。石原氏は同日の記者会見で、亀井静香国民新党代表らとの25日の会談について「いくらでも協力しますと同意はした。今の政治構造をシャッフルする必要がある」と語り、新党の綱領に関し意見交換したことを認めた。
都知事と党首の両立について「それはダメだ」と否定、「東京も大事だが、東京よりも国家が大事だ」とも述べ、新党結成後の国政復帰をほのめかした。
綱領の柱は(1)わが国の国柄を守る(2)「小さな政府」と「中福祉」を目指す(3)デフレを克服する(4)長期的に貿易立国を目指す-など。「国民に大人の自覚を持ってもらう」と訴え、「国を愛する教育と人づくり」に向け、政策パッケージをまとめる構え。
「小さな政府」の具体策として国会議員と国家公務員の人員・給与削減策をまとめるほか、国家会計の複式簿記化も打ち出す。参院の廃止を訴えることも検討しており、今後石原氏らで文案を詰める。
一方、石原氏は、大阪維新の会を率いる橋下徹大阪市長との連携について「橋下氏に非常に共感することがいくつかある。地方から中央集権をぶっ壊していく絆だ。橋下氏は大阪市という伏魔殿をぶっ壊すために頑張っているのだから手を組むのは妥当だ」と述べた。
「国柄を守る」「小さな政府」「中福祉」…綱領の骨子判明 石原氏「東京よりも国家」
大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は10日、大阪市で会議を開き、衆院選向けの政策集「船中八策」(維新八策)の原案を公表した。中長期の目標も含めた抜本改革「グレートリセット」を主張。目指す国家像に個人や地域、国家の「自立」を掲げ、「決定でき、責任を負う民主主義の確立が不可欠」とした。24日開講の維新政治塾で議論し、成案をまとめる方針。
橋下氏は大阪で取り組む自治体改革の意義を訴えつつ、「日本の方向性を決めるのが我々の仕事」と強調。「政策、政治、行政の哲学をしっかり固める。それが欠けているのが今の既成政党だ。自民党も民主党も混迷を極めている」とも語り、維新の国政進出への意欲をにじませた。
ただ、政策集の原案を「政治塾のレジュメ」と説明するなど、衆院選への準備を進める維新に対し、既成政党に広がる警戒感を和らげる狙いから慎重な発言も繰り返した。
原案は「統治機構の作り直し」「教育改革」など八つの柱で構成。首相公選制や道州制の導入、地方交付税廃止、教育委員会の廃止を提示。年金、生活保護、失業対策の一本化、沖縄の基地負担軽減、参院廃止も視野に入れた国会改革など憲法改正も盛り込んだ。
首相公選・教委廃止も 維新の会「船中八策」原案公表
石原綱領と「船中八策」の2つを並べてみて、ただちに分かることは、石原が「今の政治構造をシャッフルする必要がある」とのべ、一方の橋下が抜本改革「グレートリセット」を押し出していて、いずれも別の言葉でいえば現在の政治構造をひっくりかえすという意味がそれに込められているだろうと思えます。これは、既成政党というものができなかった、これまでにない政治構想をつくるということを意味しているようです。しかし、これ自体、かつて小泉が自民党をぶっ壊すといったことがあるように、新しいものではありません。
新しい政党をつくろうとアピールする以上、新しい装いは必要なのでしょうが、石原綱領と「船中八策」をよくみれば二番煎じともうけとれるようなものばかりともいえます。
ただし、うたわれている中に注意を要する点がある。ここではそれぞれについてふれませんが、列記してみます(石原;新党綱領、橋下;船中八策)。
- 小さな政府」と「中福祉」(石原)
- 「国を愛する教育と人づくり」(石原)
- 首相公選制や道州制の導入(橋下)
- 地方交付税廃止(橋下)
- 教育委員会の廃止を提示(橋下)
- 年金、生活保護、失業対策の一本化(橋下)
- 参院廃止(橋下)
- 憲法改正(橋下)
すでに石原都政や橋下府・市政をふりかえってみれば、彼らがこれをどうようにとらえているかは、どことなく透けて見えてくるようです。たとえば、「国を愛する教育と人づくり」とは、卒業式における不起立者を処分する事態に表れている、思想・良心の自由をないがしろにする姿勢に象徴されるように。橋下が「異なる価値観ならば去ってもらって結構だ」と語ったのはその象徴だともいえ、異なるものは認めない社会がつくられかねない可能性をはらむものであることに注目しないわけにはいきません。
憲法改定がこうして公言され、ときにはそれを地で行くような出来事もあったわけで、憲法改定を持ち出す際、9条の改定にふれなかったという事実を私は知りません。憲法改定という言葉には9条改定が含意されていると考えてもよいのではないかと思えます。
今の段階で安易に推測することは慎まなければならないという思いがないわけではありませんが、以上にのべた懸念が懸念のまま終わる可能性よりも懸念する方向に近づいていく可能性の方がはるかに高いように思え、黙っておくわけにはいかない。
私は、戦争することに加担したいとはまったく思いません。9条の改定に賛成するのは、明確に戦争に加担することに道を開いたにほかならないようにみえます。
私たちはリスク社会のなかに生きているともいわれています。だから、少なからず予期せぬ死への可能性のなかで生きているといいかえることもできるでしょう。しかし、戦争は、われわれが絶対にしないという意思を固めれば、安易に戦争の道にすすむことを阻止する手立てがまったくないわけではありません。戦争する国にかえようとする動きは、記憶に新しいところでは安倍首相の時代にもありましたが、結局、彼の新しい国づくりは潰え去りました、
夫や子、恋人、あるいは自分ではない他者を戦場に送れるでしょうか。送るということは死の可能性を容認することです。ただ、それでも生きて帰る可能性がないとはいえませんが、しかし一方では、それでもその彼らが戦場で他者を殺す可能性もむろん存在します。
9条の改廃に賛成するということは、つまるところこの問いの含意する(死の)可能性を現実のものにしてしまうということでもあるのではないか。この2人が手をにぎることはその可能性を増幅させることにつながるのではないか。
ですから、憲法改定を主張する動きには反対の意思表示を明確にしておくことが大事だと思うのです。
参考;
[橋下思想調査]捏造に問題を回収してはならない
[橋下発言]異なる価値観ならば去れ
ルールの区別のつかない人
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